夜のフェリー(I LIKE スローな旅) 2010年に書いた旅雑文です。期間限定きまぐれ公開中。
・オートバイ・車・高速バス・フェリー(長、中、短)・新幹線・電車(夜行、鈍行、特急)
これまでに僕が、「東京~四万十、静岡~四万十、出稼ぎ先~四万十」の往復に利用した交通機関。
(四万十に住むまでは、東京暮らし。静岡には、実家があります)
寝台特急、飛行機、ヒッチハイク、自転車、カヌーの利用はザンネンながらまだありません。
友人には、シーカヤックで海伝いに帰れば?と言われますが・・・笑。
いろいろな乗り物や方法がありますね、旅の目的地までの移動手段としては。
その中でも、のんびりと海路をゆく長距離フェリーの旅が、僕はけっこう好きです。
マイバイクを積んだ夜のフェリー。
月明かりに照らされた、静かな海を走る長距離フェリー。
船旅のお供は・缶ビール・ポケットウイスキー・柿ピー・ガイドブック・雑誌・文庫本。
乗客もまばらな雑魚寝の2等船室で、薄い毛布に包まり、缶ビールをプシュと開け、文庫本を開く。
それは、いわゆるひとつの小さなシアワセな時間。少確幸。
ごろ寝に飽きたらデッキに出て、夜風に吹かれながら、夜の海と星空を眺める。
下船時、船底からバイクで陸に飛び出して行く、その瞬間のなんとも言えない開放感もステキだ。
2頭船室で、他のツーリングライダー達と酒宴でおおいに盛り上がったのは、
バイクで乗り込んだ、北海道行きフェリー、沖縄行きフェリー。
星空のデッキで夜風に吹かれながら、センチメンタルな旅の思いに浸ったのは、小笠原航路。
水平線、どでかすぎる空、それしか見えなかったナーバスな5日間は、
オーストラリア北航路(小さな貨物船に、船員以外の乗客は僕1人だけ・・・)。
大荒れのタスマン海に、立つことも出来ず吐きまくった、ゲロウなタスマニア航路。
みかんをくれた隣のおばちゃんと話をすると、
おばちゃんの住まいは、東京の僕のアパートの近所だと知って、「あら、びっくり」
意気投合した僕らが日本酒でカンパイしたのは、高知~東京フェリー。
そして、まだ見ぬアコガレの大自然にココロ踊ったのは、東京~鹿児島~屋久島航路だ。
「そんなに急(せ)かんでも、エエんとちゃうやろか・・・」
のんびりフェリーの旅は、好きな作家のそんなつぶやきをフト思い出させる。
ゆっくりとゆるーい移動時間。
長距離フェリーの旅では、さまざまな風景やいろんな人との出会いがありました。
そして旅は、沢山の素晴らしい(良くも悪くも)思い出を僕に残してくれてます。
しかし、この数年で高知発着の、東京~高知、大阪~足摺、大阪~高知は、ザンネンながら航路が廃止。
僕はイチマツの寂しさを感じているのでした。
このような風潮では、ブルートレインも・・・「早く乗っておかないと!」ですね。
「 I Like スローな旅」
追記(悲報):ああっ、ついに宿毛~佐伯フェリーも・・・→ 宿毛フェリー所有の船差し押さえ
*ブログタイトル「夜のフェリー」は、山口岩男 アルバム「ブルームーン」より