あるBOX(改)

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ビデオ観戦記「アルフレド・マルカノvs岩田健二」

2011年02月22日 | ボクシング
ベネズエラ・カラカス ヌエボ・シルコ闘牛場
1971年11月6日
【WBA世界Jライト級タイトルマッチ】

岩田って沼田義明をKOして挑戦資格獲得してたのかと、随分長く
勘違いしていたっけ。
残念ながら、ここまで世界レベルでの実績なし。

フラッシュ・ガレゴ、フラッシュ・ベサンテの比国トップ選手には
判定勝ちしているものの、米国のホープ ルーベン・ナバロには
判定負け。
ハーバート康にはKO負け、フラッシュ・エロルデには判定負けと
上位の壁に突き当たった日本王者。そんなイメージ(でも強豪と
対戦してるだけ立派とも言えますす)。

日本でタイトルを獲得したマルカノ陣営が、「その馴染み」もあって
日本人挑戦者を指名した、そんな世界戦。

そう言えば、海老原さんの「こんな試合やるなら番組降りるよ」発言。
ボクマガは直後に「しかし、これは お呼びが掛かった試合。しかも
報酬は普段の数倍。万が一 勝てるかも知れない思いもある。挑戦は
責められない」とフォローしている。

マルカノvs岩田戦も同様だろうが、「お呼びが掛かったのなら、
海外ならOK」って理由、イマイチ私には理解できません。

試合前、リング上でビセンテ・ロンドン(LH級王者)が紹介される。
同国人王者の激励に笑顔のマルカノ。
自国での凱旋試合の為か、マルカノは落ち着きがあり、自身満々。
第1R
じっくりと構えてジャブを突くマルカノ。小林戦の先制は、やはり
挑戦者モードゆえだったのか。岩田は やや気負い気味か。

しかし21歳(!)らしく、イキの良いワンツーを飛ばす。
体格では岩田だが、やはりジャブの伸びはマルカノ。特に前傾した後
身体ごと伸ばすジャブは伸びも良い。
ラウンド後半ポンポンと決まり出す。
なお、スピード、キレの有るタイプじゃないので「ビシビシ」と
表現しないトコロがミソです(笑)。

第2R
ジャブの突き合いから左フックを上下に散らす岩田。真面目さを
感じる(あだ名が「爽やか健ちゃん」)。

しかし、マルカノのボビングが良い。短躯ながらスウェイも上手く
左フックは殆ど眼前で躱す(小林戦でも同様のシーン多し)。

ラウンド後半、岩田の攻めにマルカノが応じ打ち合いに。
しかしここでもマルカノの正確さが優る。
決してスマートでは無いが(笑)。

第3R
ラウンド中盤、右ボディで腰を折った岩田、やにわに失速。
試合前、狙うと公言していた右クロスも浅い。

逆にジャブをコンスタントに浴び、続く左右フックも被弾。
マルカノのKOパターンが見え始めたと思った瞬間、右を打ち
返そうとした岩田の左顔面にマルカノの右フックがカウンターで
ヒット!ワンテンポ遅れて岩田ダウン!

効いている。
立って抵抗し、右カウンターをヒットするも勢い付いたマルカノには
効かず。逆に中間距離から連打され2度目のダウン。
辛うじて立ち上がった所でゴング。

第4R
金子繁治会長の叱咤激励を受け、岩田はコーナーを飛び出す。
意外と元気だが、マルカノの左から右を打ち下ろされるとガックリ
ダウン。

立ったが顔を左右に振り、ダメージありありの挑戦者。
それでもレフェリーは続行、マルカノの猛攻に晒される岩田、立て
続けに3ダウンを奪われKO負け。

計5度のダウンを奪われる惨敗となった。

岩田はイキの良い好選手だったが、やはり世界の舞台は荷が重かった。
その後、再起戦で岡部進に判定負け。

それでも沼田をKOして気を吐いたが、その後 金賢治にKO負け。
1度勝っている野畑澄雄に判定負けして虎の子の日本王座も失い、
再戦でも引き分けで奪回ならず。
最後は鈴木石松、ツリー・ピネダ、ベン・ビラフロアの強豪に連続で
KO負けし、24歳の若さでリングを去った。

生き急いだボクサー人生だった印象は否めない。