プエルトリコ・サンファン
1982年11月13日
【WBA世界Jフェザー級タイトルマッチ】
レオ・クルス(ドミニカ)の初防衛戦。
第1ラウンド、探り合いからクルスが得意の左フックを覗かす。
身長に恵まれた訳でないが、クルスは大柄だ。
よく長身で手足が細長い選手を「ボクシングをやるために生まれて
きたような体型」と言いますが、クルスのようながっしりした胴体に
長い腕、小さめの頭部という均整の取れた身体の方が、タフネスの
面からも向いた身体だと思いますがねぇ。
ズングリとした体型のチリ人バディーリャ(23歳)、グスタボ・
バラスにちょっと似てると言っても、わかりにくいでしょうか?
左フックを多用するクルスに、バディーリャの右がカウンターで
ヒット。
第2ラウンド、早くも山場が訪れる。
先にプレッシャーを掛けるクルスの右アッパーがバディーリャの顔の側面を
こすり上げると、バディーリャあっけなく尻からダウン。
立ち上がったバディーリャを猛然と攻めるクルス。
敢然と打ち返すバディーリャ。打ち合いの中、ゴング。
第3ラウンド、落ち着いた展開を見せていた両者だったが、ラウンド終盤
クルスが攻勢。
身体で押してフック、アッパーを叩きつける。
クルスの右は叩き切るような迫力がある。
ダウンを奪った右もショートだった。
左フックは振り子のように勢いがついている。しかしやや身体が開き気味。
左肩より後に腕が出るので一瞬のスキがある。
そこに時たまバディーリャの右がカウンターで当たる。
かまわずレバーを叩くクルス。
第6ラウンドは挑戦者のラウンド。
両ガードを高く構え、クルスの低い左ガードをついて右をたびたびヒット。
クルスは左肩が開き、そのうえ下がっている。
「欠点の少ない選手」と表現した事あるが、これは明らかな欠点だ(苦笑)。
次のラウンドもバディーリャの右がクリーンヒット。貰わなくていいパンチ。
後半クルスも身体で押してボディを連打するが、この回も挑戦者が取ったか?
客席のチリ人が立ちあがり、初の世界王者誕生への期待に沸く中、第8Rの
開始ゴングが鳴らされた。
前ラウンドの延長線のような戦いの中、試合は唐突に終わった。
ボディを叩いたクルスが、一転して左アッパーを突き上げると、左を打とうと
するバディーリャのインサイドからまともにアゴにヒット!
挑戦者はうつ伏せに寝てしまった。
これは立てないと実況が「GOOD NIGHT」とコメントする中、必死に
立ちあがったバディーリャだが、レフェリーのロザディラはカウントアウト。
クルス、初防衛なる。43勝6敗。
無名ながら善戦の挑戦者の夢は散った(36勝3敗)。
強引さも目立ったが、丁寧に左を突いてチャンスを狙うクルスのボクシング、
好感を覚えたものだ。
1982年11月13日
【WBA世界Jフェザー級タイトルマッチ】
レオ・クルス(ドミニカ)の初防衛戦。
第1ラウンド、探り合いからクルスが得意の左フックを覗かす。
身長に恵まれた訳でないが、クルスは大柄だ。
よく長身で手足が細長い選手を「ボクシングをやるために生まれて
きたような体型」と言いますが、クルスのようながっしりした胴体に
長い腕、小さめの頭部という均整の取れた身体の方が、タフネスの
面からも向いた身体だと思いますがねぇ。
ズングリとした体型のチリ人バディーリャ(23歳)、グスタボ・
バラスにちょっと似てると言っても、わかりにくいでしょうか?
左フックを多用するクルスに、バディーリャの右がカウンターで
ヒット。
第2ラウンド、早くも山場が訪れる。
先にプレッシャーを掛けるクルスの右アッパーがバディーリャの顔の側面を
こすり上げると、バディーリャあっけなく尻からダウン。
立ち上がったバディーリャを猛然と攻めるクルス。
敢然と打ち返すバディーリャ。打ち合いの中、ゴング。
第3ラウンド、落ち着いた展開を見せていた両者だったが、ラウンド終盤
クルスが攻勢。
身体で押してフック、アッパーを叩きつける。
クルスの右は叩き切るような迫力がある。
ダウンを奪った右もショートだった。
左フックは振り子のように勢いがついている。しかしやや身体が開き気味。
左肩より後に腕が出るので一瞬のスキがある。
そこに時たまバディーリャの右がカウンターで当たる。
かまわずレバーを叩くクルス。
第6ラウンドは挑戦者のラウンド。
両ガードを高く構え、クルスの低い左ガードをついて右をたびたびヒット。
クルスは左肩が開き、そのうえ下がっている。
「欠点の少ない選手」と表現した事あるが、これは明らかな欠点だ(苦笑)。
次のラウンドもバディーリャの右がクリーンヒット。貰わなくていいパンチ。
後半クルスも身体で押してボディを連打するが、この回も挑戦者が取ったか?
客席のチリ人が立ちあがり、初の世界王者誕生への期待に沸く中、第8Rの
開始ゴングが鳴らされた。
前ラウンドの延長線のような戦いの中、試合は唐突に終わった。
ボディを叩いたクルスが、一転して左アッパーを突き上げると、左を打とうと
するバディーリャのインサイドからまともにアゴにヒット!
挑戦者はうつ伏せに寝てしまった。
これは立てないと実況が「GOOD NIGHT」とコメントする中、必死に
立ちあがったバディーリャだが、レフェリーのロザディラはカウントアウト。
クルス、初防衛なる。43勝6敗。
無名ながら善戦の挑戦者の夢は散った(36勝3敗)。
強引さも目立ったが、丁寧に左を突いてチャンスを狙うクルスのボクシング、
好感を覚えたものだ。