あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

布施明コンサートへ行ってきた(2)

2015年11月15日 | 邦楽
コンサートは、ほぼ1時間半。
アンコールなし。
イメージとしては「回顧、そして、これから」。
出来上がったショーだから、
アンコールで曲が追加されなくても良いんでしょうね。



終演時には呆けてしまう程、布施明という歌手の
「驚異的な歌唱」に圧倒されてしまった・・・。
ホントに67歳なんですか?

衰えが見当たらない。
声量、声の伸び・・・。
※マイクを口から離して音量調整するテクニックを
 使っても、逆に生声が2階席まで聴こえてきましたよ

さすがに動きながらの歌唱の後では息が上がり
それをMCで「さすがにハァハァ言っちゃいますね」と
正直に吐露しておいでだったが、

それでも終始、立ちっぱなし歌いっぱなしなのは
凄かった。
演奏陣に少し場を与えて袖に引っ込むシーンあったが
直ぐに戻ってきたし。
※しっかり衣装チェンジされてましたよ。
 ちなみにバンド構成はギター、ピアノ、キーボード、
 ベース、パーカッションと、コーラスが2名でした。
 途中、管楽器の音色も聴こえたが・・・。



英語曲は、アカペラで始まった「アメイジング・グレース」
一曲のみ。
後半はバグパイプ調の伴奏も加わり、ステージ全体で
歌い上げているようだった。

ジャズ調、カンツォーネ調、なんでも歌いこなし
※元々カンツォーネへの憧憬は隠してない人でしたが

モロ歌謡曲な歌でもヒットソングを惜しげもなく披露。
「シンクラメンのかほり」の前振りも印象的で、

「一時は洋楽ポップス歌手のように言われ、そういう
ポジションにいたが、やがてスランプに陥った。
歌手を辞めようと思った時に出会ったのが、この歌で
それ以降、何度も助けられている」といった内容でした。

その間、爪弾かれていた生ギターに乗って歌われた同曲は
やや間を取りながら少し原曲を崩した歌い方だったが
やはり圧倒的な歌声で客席を魅了しておりました。

「君は薔薇より美しい」「霧の摩周湖」「積み木の部屋」も
圧巻の歌唱。
※「積み木の部屋」では、ベーシストも「エレベーター」な
 フレーズを弾いてくれて、私を密かに喜ばせてくれました。

とにかく圧倒的に上手い歌手です。
ふつう上手さと嫌味さは紙一重なんだが、この人の
歌声は不思議なくらいスッと入り込んでくる。
素直に聴き手を満たしてくれる。

終盤の「マイウェイ」も、聴きながら鳥肌たって、最後は
涙が出そうになりましたよ。

「今日はアダルトな・・・」という嗜好のステージ。
選曲も同様だったようで、「次は別の趣向かも知れません。
または同じような選曲かも知れません」といって客席を
笑わす布施さん。



今年の年末はディナーショーではなく、
12月24日に国際フォーラム小ホールで公演を行なうとの事。

ここ数年は
「春秋コンサート」として、年に2回のツアーだったそうだが
日程を伸ばしてるうちに「1年中」になってしまったとか。

とりあえず、それも今回の中野サンプラザで一段落。
ゆっくり休んで貰って、また全国のファンに歌声を届けて
欲しいと思います。

私も、また見に行きたいなぁ・・・。


上の画像は今回のツアーパンフ

公演中にも語られた公演のサブタイトル「うたかた」と
言う言葉の由来。

その場で消えていく声芸の儚さ。
どんなに録音技術が発達しようと、残せないもの。
※声技そのもの、観客個々の感情や天候による空気感・・・

まぁ、私そのものだって、やがて消えてく身。
それでも終演後「元気をもらったわ」と仰っていた高齢の
御婦人のように前向きに邁進したいですね。

まずは布施明さんのLIVE盤を年代追ってチェックしなきゃ。
「バカラック集」もベースが寺川正興さんらしいから
探すかな。