あるBOX(改)

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「プロボクシング」井岡は6位のララにKO勝ちでV3

2016年07月21日 | ボクシング
「プロボクシング・ダブル世界戦」
2016年7月20日(水)
大阪府立体育会館 (エディオンアリーナ)

【WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦】
井岡一翔(井岡) KO11R キービン・ララ(ニカラグア)

井岡がWBA世界フライ級6位の挑戦者を降し、3度目の防衛に成功した。
挑戦者は18連勝中の21歳、「ニカラグアの宝石」という触れ込みのララ。
チャレンジャーらしく初回から積極的に出てきて、連打を仕掛けてきた。

1Rから3Rまで、前に出てフック・アッパーを放つララは迫力こそ及ばないが
先輩のローマン・ゴンサレスに通じるリズムあり。
カバーしながら左ボディブロー、右ストレートを返す井岡だが、打ち終わりが
見えないララに詰められて、躱し損なうパンチもあり。

第4Rも近い距離での打ち合い。井岡は相手に合わせた展開。
第5Rは井岡がジャブを使い始める。前に出るララに左右のボディブローをヒット。
ララの連打と、時折きっちり当てる井岡のパンチのせめぎ合い。

第6Rからは相手のパターンに慣れたのか、井岡は左ボディブロー、左右フックを
当てる。パンチの有効度で優り始めた。



第8R、前に出るララに右のカウンターを決め、相手をフラつかせた井岡。
アリ・シャッフルを踏む余裕を見せたが、ララも反撃。

第10R、消耗が目立つララは動きも落ち、連打の繋がりも滞り気味。
井岡の左ボディと左フックは有効で、追撃の右をヒットすると、グニャリと大きく
傾いたララはダウン。
挑戦者はゴングに救われたが、内藤大助氏が「止めないと!」と叫ぶほどララは
効いていた。

第11R開始直後から井岡は攻勢。
右ストレートで大きくグラつき、追撃を浴びてダウン。

ララ陣営はコーナーからストップを申し出ているように見えたが、レフェリーは
カウント10まで数え、井岡のKO勝ち。

WBC世界ミニマム級王座(3度防衛)、WBA世界ライトフライ級王座(3度防衛)に続き、
フライ級でも3度目の防衛に成功した。

「まだまだこんなところでは終わらないです。(統一戦に)期待してください」
「勝ち続けて唯一無二のボクサーになりたいと思います」と答えた井岡だが。

迫力とポジショニング、距離を詰める巧妙さでローマン・ゴンサレスに大きく劣るララの
パンチを前半食い気味だったことを考えると、やはり「唯一無二」はフカし過ぎと言える。

WBAは試合直前となる17日に、公式ホームページ上でWBA世界フライ級スーパー&
WBO世界フライ級統一チャンピオンのファン・フランシスコ・エストラーダと井岡に対し、
井岡防衛を前提に対戦指令を出したと発表していた。

35戦33勝2敗 24KO勝のメキシカン、エストラーダ相手に今回のような試合が出来るか。
ファンやTV局を納得させる最低限ラインとも言えそうですな。

「プロボクシング」和気はグスマンに11回TKO敗け

2016年07月21日 | ボクシング
2016年7月20日(水)「プロボクシング・ダブル世界戦」
大阪府立体育会館 (エディオンアリーナ)

【IBF世界スーパーバンタム級王座決定戦12R】
ジョタナン・グスマン TKO11R 和氣慎吾

古口ジム所属の和氣(IBF世界Sバンタム級1位)と、ドミニカ共和国の
グスマン(IBF世界Sバンタム級2位)によるIBF世界王座決定戦は、
21勝21KOの戦績を誇るグスマンが、11Rの2分16秒レフェリーストップで
王座に就いた。

氣志團の『One Night Carnival』で入場したリーゼントボクサー和氣。
リングサイドには綾小路翔さんと、和氣選手の御両親の姿が。



1R、サウスポーの和氣は細かく右ジャブを突き、左ストレートも覗かせる
好調な出足に見えた。ボディストレートも速い。

しかしグスマンは初回後半、早々に距離を詰めて強打を振るい始める。
一気に緊張感が増した。
解説の内藤大助氏は「(和氣の)ガードが低いなぁ~、怖いなぁ~」と心配気。

2Rもグスマンが左右の強打を放って前進。スピードあるパンチだが、和氣は
なんとか躱す。
しかし、グスマンのバッティングで和氣は一瞬ダメージを追ってしまう。
アピールしたと同時にグスマンの右フックを貰って大きく体勢を崩し、
レフェリーにスタンディング・カウントを取られる和氣。

左の頬はざっくりと切れて流血。
そのまま落ち着きを取り戻す前にグスマンの逆ワンツーをカウンターで貰い、
ダウンを追加されてしまう。
試合は続行されたが、グスマンは一気に攻勢。和氣はクリンチでしのぐ。

第3R、グスマンは右ボディストレートを突き刺していく。ニクイ攻めだ。
倒しなれた選手は、こういう打ち分けが上手い。
グスマンの左右フックをダッキングで躱す和氣だが、下を向く感じで直ぐ
攻めに転じられない。
ダメージの回復ならない和氣は、ラウンド終了直前、勢いで押されたように
ダウンを奪われる。

第4R、5R
やはりグスマンが左ジャブから強打するチャンスを狙う。和氣も左右のフック、
左アッパーを狙う。
和氣も上半身を動かし始めた。アップライトからのフットワークだけでは危険だし、
リズムを取り戻すには得策と思えた。
しかし、攻勢はグスマン。
右ストレートをド真ん中から突き刺してこの試合4度目のダウンを奪う。
派手に後方に吹っ飛ばされた和氣だったが、それでも立ち上がった。
※パンチの勢いが後方に逃げたとも言える。

気が付くとグスマンの方が、しっかりガードを上げて構えている。これじゃあ逆だ。

第6Rも苦しい和氣だが、それでも左ストレート、左アッパー、右フックを放つ。
グスマンの強打を低いダックで躱し、クリンチ。

しかし、このラウンド和氣の左ストレートがヒットするとグスマンは足を使って
後退。これを機にドミニカンはペースダウンした。

和氣はチャンスだったが、第7R以降も上手く戦ったのはグスマン。
豊富なアマキャリアはダテじゃない。アウトボックスから一転して強打する展開は
ポイント上でも和氣の追い上げを許さない。

グスマンは右強打から前に出て、最後は連打で和氣をコーナーへ詰める。
ただし、グスマンの左目付近も腫れが目立ち始めた。
疲れたグスマンはジャブを出しながら左へ回る。

10Rもグスマンはジャブからアウトボックス。和氣は前へ出るが手数が伴わない。
ラウンド終盤に強打を集めるグスマン、この辺は上手い。
中南米の強打者は、ただのブンブン丸では無いのだ。

第11R、グスマンには疲れが、和氣には蓄積されたダメージが見える。
※和氣は少し朦朧としているか?
まさに「自分が苦しい時は相手も苦しい」のケース。しかし、こういう時には
得てして要領よく戦う選手に凱歌が上がる。

前に出る和氣に対し、相変わらずジャブと足で躱すグスマン、左ボディで和氣が
前かがみになるや、強打に繋ぐ。
ここでレフェリーが試合をストップ。グスマンが新王者となった。

リングに仰向けになって喜ぶ新王者。
予想以上に苦しかったに違いない。

序盤のダウンを考えると驚異的な奮闘を見せた和氣だったが、最後は力尽きた形だった。
グスマンが22戦22勝22KO無敗の記録を伸ばし、和氣は暫くリングに座り込んで動けず、
悔し涙を流した。

精神的な部分では魅せて貰ったが、やはり総合力など世界に届くための上積みは必要。
それを痛感した一戦になったに違いない。
※事実、敗者インタビューではそういうコメントはあった。

解説の長谷川穂積選手が語ったように、まずは身体を休めてほしい。