東京フィルメックスの上映で、その凄さは体験していたが、
今回は通常上映の映画館だ。
「2018年3月10日(土)」から、渋谷ユーロスペースほか、
全国順次公開という事で。
1週間ほど出遅れたが、渋谷に向かいましたよ。
そういえば初日の10日は原一男監督の舞台挨拶があるにも
かかわらず、満員とは行かなかったそうで。
行けなかった自分を攻めつつも「こんなもんかよニッポン
国民、東京都民…」なんて不貞腐れたものです。
残念ながら不入りで上映期間が縮小されるなんて話もあり、
これは早めに劇場へ行かねばと渋谷を訪れたのですが。
日曜だけに満員に近く、むしろ最前列が空いていました。
※そっちでも良かったなぁ…
映画の謳い文句としては、
『ゆきゆきて、神軍』『全身小説家』など、日本映画史に
残る傑作を生み出してきたドキュメンタリー監督・原一男
氏の最新作…というもの。
題材は大阪・泉南地域の石綿(アスベスト)問題。
工場の元労働者および親族が、損害賠償を求め、国を訴えた
裁判の記録。
観るのは二度目だが、やはり上映中には背後からは、すすり
泣く声も聞こえた。
※私も休憩直前のシーンでは泣いた…。
経済優先で国に見捨てられ、危険な作業現場で働き続けて
アスベストによる肺病で亡くなっていく人々。
生きながらえて訴訟を続ける人、意思を継いで原告団に
参加した遺族。
最後は棄民の攻勢、方法論の異なる原告団が一体となって
突き進む様は圧巻でした。
まるでダイナミックな群雄劇です。
途中の閉塞感が厳しい分だけカタルシスが凄いです。
※現実の人の生き死にで何を言ってるかと思うのですが
本当にそうなんだから仕方ありません。
細川、鳩山の時代でも上告、自民党時代でも上告…。
政権政党がどうあれ「ニッポン国」は棄民を見捨て
ようとしたんですよね。
2度めだと改めて色々と考えます。
原告団のうち、自分は誰タイプだろう?…とか。
怒れる柚岡さんタイプではない。
心情的には「静かに怒りつつ手順を踏もうとする山田氏」
タイプだろうか?
原一男監督は「原告はもっと怒って良いのに」と苛立ちを
隠さなかったが、私は山田氏は山田氏で「煮え返るような
怒りを青白く燃やしていた」と思うのです。
もっともクライマックスでは山田さんも皆と一緒に怒りを
露わにするのですが…。
やっぱり原一男監督や柚岡さん、奥崎氏の「カゲキさ」は、
私にとっては憧れの対象なんでしょうね。
※尤も私にゃ山田氏のような忍耐強さも無いだろうから、
途中で離脱しちゃってるかもなぁ…
確かに最高裁の結果は、実のところ部分勝訴で原告全員が
救済されるワケではなく
それでも良しとする人々に監督と柚岡さんは釈然としない
気持ちを抱きつつ映画は収束していくのですが。
これも、ある意味「To be continued」
世界中のアスベスト裁判が待っている。その指針となる
今回の判決だが、次に同じ線引を許すわけにはいかない。
棄民の救済、そして新たな棄民を作らぬ事、作らせぬ事。
それこそが「ニッポン国vs泉南石綿村」の終奏に当る
のではないでしょうか。
さてさて、
「入りが良くない」なんて言葉を聞くと悔しいですが、私が
行った日は満員近かったし。
これから取り上げてくれるメディアもありますし、海外での
評価がフィードバックされる可能性もある。
私もまた観ます。尻上がりの動員に期待です。
今回は通常上映の映画館だ。
「2018年3月10日(土)」から、渋谷ユーロスペースほか、
全国順次公開という事で。
1週間ほど出遅れたが、渋谷に向かいましたよ。
そういえば初日の10日は原一男監督の舞台挨拶があるにも
かかわらず、満員とは行かなかったそうで。
行けなかった自分を攻めつつも「こんなもんかよニッポン
国民、東京都民…」なんて不貞腐れたものです。
残念ながら不入りで上映期間が縮小されるなんて話もあり、
これは早めに劇場へ行かねばと渋谷を訪れたのですが。
日曜だけに満員に近く、むしろ最前列が空いていました。
※そっちでも良かったなぁ…
映画の謳い文句としては、
『ゆきゆきて、神軍』『全身小説家』など、日本映画史に
残る傑作を生み出してきたドキュメンタリー監督・原一男
氏の最新作…というもの。
題材は大阪・泉南地域の石綿(アスベスト)問題。
工場の元労働者および親族が、損害賠償を求め、国を訴えた
裁判の記録。
観るのは二度目だが、やはり上映中には背後からは、すすり
泣く声も聞こえた。
※私も休憩直前のシーンでは泣いた…。
経済優先で国に見捨てられ、危険な作業現場で働き続けて
アスベストによる肺病で亡くなっていく人々。
生きながらえて訴訟を続ける人、意思を継いで原告団に
参加した遺族。
最後は棄民の攻勢、方法論の異なる原告団が一体となって
突き進む様は圧巻でした。
まるでダイナミックな群雄劇です。
途中の閉塞感が厳しい分だけカタルシスが凄いです。
※現実の人の生き死にで何を言ってるかと思うのですが
本当にそうなんだから仕方ありません。
細川、鳩山の時代でも上告、自民党時代でも上告…。
政権政党がどうあれ「ニッポン国」は棄民を見捨て
ようとしたんですよね。
2度めだと改めて色々と考えます。
原告団のうち、自分は誰タイプだろう?…とか。
怒れる柚岡さんタイプではない。
心情的には「静かに怒りつつ手順を踏もうとする山田氏」
タイプだろうか?
原一男監督は「原告はもっと怒って良いのに」と苛立ちを
隠さなかったが、私は山田氏は山田氏で「煮え返るような
怒りを青白く燃やしていた」と思うのです。
もっともクライマックスでは山田さんも皆と一緒に怒りを
露わにするのですが…。
やっぱり原一男監督や柚岡さん、奥崎氏の「カゲキさ」は、
私にとっては憧れの対象なんでしょうね。
※尤も私にゃ山田氏のような忍耐強さも無いだろうから、
途中で離脱しちゃってるかもなぁ…
確かに最高裁の結果は、実のところ部分勝訴で原告全員が
救済されるワケではなく
それでも良しとする人々に監督と柚岡さんは釈然としない
気持ちを抱きつつ映画は収束していくのですが。
これも、ある意味「To be continued」
世界中のアスベスト裁判が待っている。その指針となる
今回の判決だが、次に同じ線引を許すわけにはいかない。
棄民の救済、そして新たな棄民を作らぬ事、作らせぬ事。
それこそが「ニッポン国vs泉南石綿村」の終奏に当る
のではないでしょうか。
さてさて、
「入りが良くない」なんて言葉を聞くと悔しいですが、私が
行った日は満員近かったし。
これから取り上げてくれるメディアもありますし、海外での
評価がフィードバックされる可能性もある。
私もまた観ます。尻上がりの動員に期待です。