昨日。
長年、鮨を握り続けていた一人の職人さんがご勇退されました。
札幌中央卸売市場場外にあるお鮨屋さん「鮨の魚政」のご主人です。
新鮮なネタを熟練の技で握り、その味に日本全国からお客さんが集まる。そしてお会計は市場ならではのお手頃さ。
鮨において、北海道最高峰の店。
この店を知る方で、それに異論を唱える方はいないでしょう。
ススキノの「聡咲」のマスターに案内され、最初にその味に触れたとき、それまでの鮨の概念は全て吹き飛びました。
そして、それから何度も足を運びました。
始発の電車に乗り、市場へ。早朝の冷涼で爽やかな空気に包まれたお店のカウンターに座り、店内に流れるAMラジオを耳にしつつビールを飲み、やがて徐に目の前に現れる握り。
その味も、居心地のよい空気感も、毎回この上ない至福の時間に誘ってくれました。
ご主人は、僕の食べるペースに完全にシンクロさせて鮨を出してくださいました。これもまさに「技」。そのテンポがまた心地よくさせてくれ、味をさらに幸せなものにしてくれます。
ご主人が握る姿は美しく、力強い。その所作と味は比例します。
「職人」を目の当たりにする興奮。
鮨に関わる醍醐味の全てが、この店にはありました。
そして鮨を堪能して、朝日の中、帰路につく時の充実感。
「また、この鮨を食べるために頑張ろう。」
そう思いながら、市場を後にする幸せなひととき。
他では得られません。
ご主人が引退なさると聞いたのは、実は結構前のこと。
それを聞いた際、寂しい気持ちになったのはもちろんでした。
そして先月末。
行って参りました。
自分の舌と目に、しっかり刻み込んできました。
ウニ。
イクラ。
穴子。
もちろん、他にも沢山いただきましたよ。
最初にお店に行った時は、出していただいた鮨の写真を撮ったのですが、それ以降、このお店で撮ることはなかったんです。鮨は出てすぐ口に運ぶ。写真を撮る暇も惜しい。・・・と、言う理由でした。
でも、やはり今回は思い出に三枚だけ失礼しました。
鮨をいただきつつ、ご主人の鮨を握る姿もしっかり目に。
やはり、凛々しくかっこいい。
その美しさは、まるで歌舞伎の「型」。
前掛けは、横綱の化粧回しのよう。
威風堂々とした佇まいでした。
その日も、朝から沢山のお客さんが詰めかけていました。
もう少しゆっくり過ごしたい気持ちはあったんですが、後がつかえていたので、いつもより少し早めにお会計を済ませました。
それでも、十分に楽しめましたよ。
「美味しかったです」
そう告げて、お店を出ました。いつもと変わらず、幸せな余韻に包まれながら。
今日からは新しい職人さんが暖簾を引き継ぐとのこと。
僕は、その味を比較できるほどの常連とは言えません。
でも、新しい「魚政」の味はどんなものかは楽しみです。
いつか、また足を運んでみたいと思います。
「魚政」でいただいた後は、何故かいつも晴れ。
この日も、青空が。
その色が目に染み入りました。
ごちそうさまでした。
お疲れ様でした。
長年、鮨を握り続けていた一人の職人さんがご勇退されました。
札幌中央卸売市場場外にあるお鮨屋さん「鮨の魚政」のご主人です。
新鮮なネタを熟練の技で握り、その味に日本全国からお客さんが集まる。そしてお会計は市場ならではのお手頃さ。
鮨において、北海道最高峰の店。
この店を知る方で、それに異論を唱える方はいないでしょう。
ススキノの「聡咲」のマスターに案内され、最初にその味に触れたとき、それまでの鮨の概念は全て吹き飛びました。
そして、それから何度も足を運びました。
始発の電車に乗り、市場へ。早朝の冷涼で爽やかな空気に包まれたお店のカウンターに座り、店内に流れるAMラジオを耳にしつつビールを飲み、やがて徐に目の前に現れる握り。
その味も、居心地のよい空気感も、毎回この上ない至福の時間に誘ってくれました。
ご主人は、僕の食べるペースに完全にシンクロさせて鮨を出してくださいました。これもまさに「技」。そのテンポがまた心地よくさせてくれ、味をさらに幸せなものにしてくれます。
ご主人が握る姿は美しく、力強い。その所作と味は比例します。
「職人」を目の当たりにする興奮。
鮨に関わる醍醐味の全てが、この店にはありました。
そして鮨を堪能して、朝日の中、帰路につく時の充実感。
「また、この鮨を食べるために頑張ろう。」
そう思いながら、市場を後にする幸せなひととき。
他では得られません。
ご主人が引退なさると聞いたのは、実は結構前のこと。
それを聞いた際、寂しい気持ちになったのはもちろんでした。
そして先月末。
行って参りました。
自分の舌と目に、しっかり刻み込んできました。
ウニ。
イクラ。
穴子。
もちろん、他にも沢山いただきましたよ。
最初にお店に行った時は、出していただいた鮨の写真を撮ったのですが、それ以降、このお店で撮ることはなかったんです。鮨は出てすぐ口に運ぶ。写真を撮る暇も惜しい。・・・と、言う理由でした。
でも、やはり今回は思い出に三枚だけ失礼しました。
鮨をいただきつつ、ご主人の鮨を握る姿もしっかり目に。
やはり、凛々しくかっこいい。
その美しさは、まるで歌舞伎の「型」。
前掛けは、横綱の化粧回しのよう。
威風堂々とした佇まいでした。
その日も、朝から沢山のお客さんが詰めかけていました。
もう少しゆっくり過ごしたい気持ちはあったんですが、後がつかえていたので、いつもより少し早めにお会計を済ませました。
それでも、十分に楽しめましたよ。
「美味しかったです」
そう告げて、お店を出ました。いつもと変わらず、幸せな余韻に包まれながら。
今日からは新しい職人さんが暖簾を引き継ぐとのこと。
僕は、その味を比較できるほどの常連とは言えません。
でも、新しい「魚政」の味はどんなものかは楽しみです。
いつか、また足を運んでみたいと思います。
「魚政」でいただいた後は、何故かいつも晴れ。
この日も、青空が。
その色が目に染み入りました。
ごちそうさまでした。
お疲れ様でした。