新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「さえざえとした瞳」勉強になります

2013-10-08 18:02:22 | 読書
トイレのなかでちょこっと読むために、古本の時代小説をそれも短編集を買っています。
今読んでいる小説で聴きなれない言葉が出てきました。

町人に姿を換え町人の生活になじんでいる姫君を、影ながら護衛するために目付の青年がやはり浪人に姿をやつして同じ長屋に住むといった連作です。

その中でその娘の表情の説明の中に、「さえざえとした瞳で」とありました。寒々なら分りますが、さえざえです。知らない言葉です。

先日お話しした、角川実用国語辞典「10.01」を調べて見ましたが載っていません。
さらに同じく、三省堂の「広辞林」を見てみました。さすがです、書いてあります。

二つの解説がありました。

○【冱冱】非常に澄み切っているさま。非常にあざやかなさま。-し:非常にさえわたっている

○【才才し】いかにも「ざえ」があるさまである。才知が顔や行動に表れている

とあります。

どちらの意味でしょうか。小説では
「(彼女)師匠はさえざえとした瞳で、先の問いを繰り返した」とあります。
単純に姫様である彼女を認めるのなら最初の方でもいいですし、畏れ多くも家臣である目付の青年が彼女の能力や知識に好意を持って、彼女と会話しているなら後者の意味でもいい気がします。

時代小説を書く場合このような古い言い回しもちりばめなくてはならないのは大変です。 

でも「さえざえ」と言う言葉の語感が、鮮やかとか才知とかとは異なるようでしっくりきません。

でも勉強にはなりました。 
コメント
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