原宿は若者の街のイメージが色濃いのですが、
現在では東京で唯一となった
浮世絵専門の美術館があります。
14,000点以上に及ぶコレクションが礎となり、
絵師、ジャンル、モチーフなど様々な切り口で、
浮世絵を紹介する展覧会が開催されています。
実業家の故・太田清蔵氏が浮世絵の海外流出を嘆き、
日本で浮世絵が見られなくなってしまうことがないよう
蒐集を始められたのだそうです。
時代小説や歴史小説にはまる私にとって、
江戸の息吹を伝えてくれる貴重な
浮世絵を間近に感じられ、
充実した幸せな時間を持つことができました。
菊川英山の名前は知りませんでしたが、
どこか儚く弱い女性の美しさが漂う英山の絵をネットで知り、
歌麿なき後に現れた知られざる美人画の名手の絵を
見ておきたい、知っておきたいと美術館へ。
東京で開催される回顧展は32年ぶりだそうですが、
32年前のまるみにとっては価値ある絵とは
思うことはできなかったのは間違いありません。
今だからこそ楽しめる絵だと思います。
幕末の美人画は英山に始まったといっても過言ではないとか。
流れは変化し、晩年はその人気も衰えたようですが、
美人画界に新風を巻き込んだ多様な女性たちが、
時に上品に優雅に、時にポップにカラフルに、
二百年前のエレガンスに触れられた展覧会でした。
この展覧会は、12月20日に終了しましたが、
年明けの「幕末・明治の浮世絵展」も楽しみです。
東京都渋谷区神宮前1-10-10
太田記念美術館
2017.12.3
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