四国の最南端、国立公園の足摺岬を見下ろす丘の中腹、
境内120,000㎡を誇る真言宗豊山派の金剛福寺。
弘法大師はその岬突端に広がる太平洋の大海原に
観世音菩薩の理想の聖地・補陀落の世界を感得。
嵯峨天皇に奏上、勅願により伽藍を建立、
勅願により伽藍を建立、勅額「補陀洛東門」を受し、
開創したと伝えられます。
蹉跎山(さだざん)、補陀洛院(ふだらくいん)と号す。
本尊は千手観世音菩薩。
四国八十八箇所第三十八番札所。
山号の文字「蹉」も「跎」もともに
「つまづく」の意味で、
この地が難所であったことを示しています。
前の三十七番札所である岩本寺から約80km、
車でも約2時間、歩いたら約30時間、
3泊4日はかかる四国霊場の札所間では最長距離、
まさに「修行の道場」です。
真念が江戸時代に建てた土佐五色石の庭園は、
まさに極楽浄土の趣にも感じられることでしょう。
大師は伽藍を建立したときに
三面千手観世音像を彫造して安置し、
「金剛福寺」と名づけられました。
大師が唐から帰朝する際、
日本に向けて五鈷杵を投げたとされ、
別名、金剛杵ともいうとか。
歴代天皇の勅願所となり、武将からも尊崇され、
とくに源氏一門の帰依が厚く、
源満仲は多宝塔を建て、
その子・頼光は諸堂の修復に寄与。
山門を入り、石段を上がると奥に本堂。
多宝塔や愛染堂などが境内に立ち、
ヒロウ樹なども茂り、
南国的な趣も感じられます。
高知県土佐清水市足摺岬214-1
2023.5.2
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