‘06/12/02の朝刊記事から
日豪EPA関税撤廃で
食料自給率30%に急落
自民党と農水省は1日、オーストラリアとの経済連携協定(EPA)締結後に農畜産物の関税が撤廃された場合、2005年度に40%だった日本の食料自給率(供給熱量ベース)が30%近くに急落するとの試算を公表した。
小麦、砂糖など高関税で保護している「重要品目」がオーストラリア産に切り替わり、国内農業生産は1兆4千億円減少。
地域、関連産業も含めると影響額は3兆円としている。
農水省と自民試算 国内影響額3兆円
試算によると小麦、砂糖は品質面では国産とオーストラリア産に差が無いため、オーストラリア産が大幅な安値で輸入されると国産のほぼ全量がオーストラリア産に置き換わる。
乳製品もほぼ全量がオーストラリア産に切り替わり、国産牛乳の加工原料向け需要が激減。
主産地である北海道の酪農が打撃を受ける上、加工向けだった道産生乳が飲用向けとして本州に出荷されることで、全国の生乳生産は現在より44%減る。
牛肉は高級和牛などを除き、乳用牛の肉など国産の56%がオーストラリア産に切り替わる。
さらにオーストラリアは日本のコメと同じ短粒種を生産しており、コメの関税が撤廃されると外食を中心に国産米からの転換が起きる。
北海道では小麦、ビートの生産が壊滅状態になることで、輪作作物であるジャガイモ、小豆の生産も激減する。
国内の農業生産額は小麦、佐藤、乳製品(生乳)牛肉を合わせて約8千億円、コメ、ジャガイモ、小豆で計約6千億円減少する。
このほか製粉、製糖、乳業メーカーなど関連産業や地域経済への影響を1兆6千億円と算出した。