’08/03/13の朝刊記事から/font
「反プーチン」にロシア強硬姿勢
次期大統領 問われる対応
【モスクワ12日加藤雅毅】ロシアのプーチン政権が、メドベージェフ第一副首相が当選した大統領選後も、「反プーチン派」に対して、拘束などの強硬姿勢を続けている。反対を力で封じ込める手法は、欧米からの批判が強く、反政権勢力への対応は、リベラル派とされるメドベージェフ氏の試金石となりそうだ。
リベラル系野党「ヤブロコ」のサンクトペテルブルク支部代表は大統領選翌日の3日、酔って警察官を殴ったとして、拘束された。同代表は選挙に不正があったとテレビで告発し、4月には野党勢力の大規模な会議を企画しており、こうした活動が拘束の一因との見方もある。同じ3日、モスクワでも選挙に抗議する集会を開こうとした野党連合勢力の支持者ら約120人が拘束された。
一方、プーチン大統領は8日、政権と対立して脱税などの罪で服役中の石油会社ユコスのホドルコフスキー元社長について、「恩赦は大統領権限だ」と述べた。コメルサント紙は、元社長の恩赦を望まないプーチン氏が、次期大統領のメドベージェフ氏を牽制したとみている。当局による携帯電話の盗聴手続きが簡素化されたことも併せ、政権に距離を置くロシア週刊誌は、一連の動きを、「政権内の強硬派が、欧米で宣伝されているメドベージェフ氏のリベラル神話を壊すことに全力を尽くしている」と報じた。