’08/06/19の朝刊記事から
劉江永・精華大教授に聞く
日中両政府が18日、正式合意した東シナ海ガス田共同開発の評価や今後の展望について、中国政府の対日外交ブレーンの一人、清華大学(北京)の劉江永・国際問題研究所教授に聞いた。(北京・高山昌行)
主権はあくまで中国
中国国内で東シナ海ガス田の日中共同開発への反対論が根強い中、中国側が日本側に柔軟姿勢を示し、合意に至った。
背景には胡錦濤国家主席と福田康夫首相の強い信頼関係がある。
ただ、主権問題に関する中国側の立場は全く変わっていない。
中国が単独開発した春暁(日本名・白樺)は、日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線「日中中間線」の中国側にあり、当然、主権も中国にある。
だから春暁は日中の「共同開発」ではなく、中国の開発に日本が出資や技術支援で協力する「協力開発」と表現するのだ妥当だ。
今後の開発の進め方については、春暁が中国単独で先行開発されたという事実に基づく中国の国民感情を踏まえ、まず(日中中間線をまたぐ)龍井(日本名・翌檜)の共同開発を先行させるべきだ。
春暁については、中日両国が時間をかけて出資比率や利益半分を議論すればよい。
また日本は、中国側を逆なでする「白樺」という呼称の使用を避けてほしい。
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