’08/06/27の朝刊記事から
ロ大統領 56年宣言重視 堅持
領土問題 首脳会談へ方針
【モスクワ26日加藤雅毅】ロシアのメドベージェフ大統領は26日、北海道洞爺湖サミット時に行われる日ロ首脳会談への対処方針を固めた。
北方領土問題では、歯舞、色丹の2島引渡しを規定した1956年の日ソ共同宣言に基づき解決を図る路線を堅持。
一方で、両国の政治対話を促進し、経済など幅広い分野での協力推進を目指す。
領土問題に関しロシア側は「法的な義務が課せられているのは、両国の議会が批准した日ソ共同宣言だけだ」(外務省筋)と強調。
プーチン前大統領(現首相)の国内での人気がなお高いことを考慮し、2島引き渡しで決着を図る前大統領の路線を踏襲する姿勢だ。
国後、択捉を含めた四島返還を求める日本政府との隔たりは依然大きく、「議論がまったく噛み合わない状況」(日ロ交渉筋)が続いている。
このため、プーチン首相の訪日や11月のペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などで政治対話を積み上げ、シベリアの油田開発を含めた幅広い分野での協力を推進、環境整備を進める考えだ。
ロシア・旧ソ連の国家元首が、北方領土問題の原点の地である北海道を訪問するのは今回が初めて。