’08/08/05の朝刊記事から
中国テロ 当局、事前に察知
新疆ウイグル「独立派、五輪前狙う」
【北京4日佐々木学】中国西部の新疆ウイグル自治区カシュガルで起きた武装警察襲撃について地元警察当局は4日、テロ事件との見方を示した。
また、ウイグル独立派組織「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」が今月1日から北京五輪が開幕する8日までの間にテロを計画しているとの情報を、事前に得ていたことを明らかにした。
国営新華社通信が伝えた。
当局は今回の襲撃が同組織によるものと断定はしていない。
五輪開会式を4日後に控え、懸念されていたテロを防げなかったことは、胡錦濤政権にとって大きな打撃となった。
地元警察当局はウイグル民族の28歳と33歳の男2人を容疑者として逮捕した。
新華社によると、2人はダンプカーに乗り、警察施設から早朝訓練に出発した武装警察官70人以上の集団に突っ込んだ。
車から降りた2人は、ナイフで警察官を襲撃。
手製の爆弾を警察施設に投げ込み、爆発させた。
当局は車内から手製の爆弾10個と銃1丁、ナイフ4本を発見した。
死亡した警察官16人のうち14人は即死、2人は病院へ搬送中に亡くなった。
負傷者は16人。
容疑者2人のうち1人は脚にけがをしているという。
中国政府は、ウイグル民族による分離独立運動がくすぶる同自治区での騒乱やテロを警戒。
パキスタンや中央アジア諸国からのイスラム過激派の流入にも備え、厳戒態勢を敷いていた。
しかし、事前のテロ情報も得ていながら、事件を防ぐことができなかった。
7月21日には中国南部の雲南省昆明市で、2人が死亡するバス連続爆破事件が発生。
ウイグル独立派を示唆する「トルキスタン・イスラム党」を名乗る組織が犯行声明を出し、五輪を指標的にしたテロを予告していたが、中国政府はウイグル独立派の犯行との見方に否定的だった。
撮影機材
Kodak DC4800