鬼ヅモ同好会第3支部・改「竹に雀」

鬼ヅモ同好会会員「めい」が気ままに旅して気ままにボヤきます。

リゾートしらかみ「橅」

2016-11-01 | 鉄道の旅


2 0 1 6 年 9 月 1 5 日 ( 木 )

午 後 1 時 4 3 分

青 森 駅 1 番 線 ホ ー ム



八戸からこの日最初の乗り鉄で、かつてのJR東北本線の終点・青森駅に到達しました。



現在は青い森鉄道線の終点となっている青森。
この日の宿は青森駅のすぐ近くに宿をとっていますが、この時は立ち寄らずこのまま弘前をめざします。

次に乗車する電車は事前に調べたところによれば、14時05分発 奥羽本線 普通電車 弘前行きです。
弘前には14時45分に到着予定ということで、後にひかえる弘前城【国指定史跡】の登城を満喫するにはギリギリのタイムスケジュールとなります。



・・・・・・時はさかのぼること1時間半前、八戸にて。

 

八戸駅前の「味まる」さんで舌鼓を打ちつつ、弘前までのアクセスをスマホさんで確認すると、弘前駅 14時25分着という結果が出てきました。
よく見てみると、臨時快速「リゾートしらかみ」を使えば、予定より20分早く到着するのです。



「味まる」を出た私は迅速に八戸駅に駆け込み、



指定席券(320円)を購入。20分の時間を金で買ったのでした。





こういうわけで今度の列車は、13時51分発 奥羽本線 快速列車「リゾートしらかみ4号」 五能線経由 秋田行きです。

その名のとおり、世界遺産・白神山地への観光列車です。
ルートはなかなか変わっていて、青森駅を発つと弘前駅まで進み、ここで1回目の折り返し(方向転換)
次に弘前から2駅の川部駅まで進み、2回目の折り返し
列車はこのまま五能線に入り、日本海の絶景を眺めつつ、白神山地のふもとを通り、五能線の終点・東能代駅へ。
3回目の折り返しをして再び奥羽本線に入り、終点・秋田駅へと向かいます。

・・・とダラダラ述べましたが、私が乗車するのは五能線にも入らない弘前駅止まりです。



「リゾートしらかみ」が待つ4番線。駅名標はJR東日本仕様のものです。



すでに入線しているHB-E300系「リゾートしらかみ・(ぶな)編成」
平成28年7月にデビューしたばかりの新型ハイブリッド気動車です。



私にあてがわれた指定席は、B室 2号車5番A席。「B室」って何だ??



「B室」のことは置いといて、とりあえず2号車に入ってみると・・・これ個室じゃねぇのか???
不安になったので、乗務員が詰めている隣りの1号車に行ってみました。



1号車の様子。このような座席を想像していたのですが・・・
指定席券を呈示して乗務員に聞いてみると、指定席券で予約されている席は確かに先ほどの個室のような車両だというのです。
「B室」とは「ボックスシート」という意味なのだとか。



「リゾートしらかみ乗車記念」のスタンプがあったので、ここでゲットしておきました。
車体と同じく緑色のインクですね。

乗務員に確認したので、私の指定席へ。



漢の一人旅には広すぎる、4人掛けのボックスシート。
進行方向右側の大きな窓は、五能線が見せる雄大な日本海((C)よね先生)を余すところなく愉しめそうです。



ボックスシートに備え付けてある灯りは、秋田の伝統工芸・曲げわっぱを使用しているのでしょうか。

それにしても八戸駅のみどりの窓口さん、ヘンなところで頑張ってくれちゃいました。
でも・・・・・・うれしいぞ。




午 後 1 時 5 1 分

リ ゾ ー ト し ら か み 発 車


このブログの旅日記史上最も快適な列車旅がスタートしました。

弘前までに停車する駅は、青森の隣り・新青森駅のみです。



地上にあるしがない奥羽本線ホームの向こうに見えるのは、新幹線ホームが入っている駅舎。
いうまでもなく東北新幹線の終点駅、かつ北海道新幹線の起点駅であります。

新青森で新幹線からの乗客を収容し、リゾートしらかみ4号はノンストップで弘前に向かいます。




青森県西部・津軽地方は津軽平野が広がる豊かな農作地帯。







田園地帯を進み、ついに・・・



津軽のシンボル「お岩木山」が見えてきました。



「お岩木山」「津軽富士」とも呼ばれる岩木山
標高は1,625メートルで、青森県の最高峰であります。
平坦な津軽平野にただ一つとしてそびえる姿は、青森出身の文豪・太宰治が小説「津軽」でこのように著しています。



「『や! 富士。いいなあ。』と私は叫んだ。富士ではなかつた。津軽富士と呼ばれてゐる一千六百二十五メートルの岩木山が、満目の水田の尽きるところに、ふはりと浮んでゐる」



「実際、軽く浮んでゐる感じなのである。」



「したたるほど真蒼で、富士山よりもつと女らしく・・・」



十二単衣(じゅうにひとえ)の裾を、銀杏の葉をさかさに立てたやうにぱらりとひらいて左右の均斉も正しく・・・」



「静かに青空に浮んでゐる。」



「決して高い山ではないが、けれども、なかなか、透きとほるくらゐに嬋娟(せんけん)たる美女ではある。」

・・・ちなみにこの評は、岩木山の北側、金木(太宰の出身地)、五所川原方向から見た岩木山を見て述べたものです。
弘前側から見た岩木山に対し太宰は、「いかにも重くどつしりして、岩木山はやはり弘前のものかも知れないと思ふ」と述べています。
津軽出身ゆえに津軽に対して毒を吐く太宰は、西側から見た岩木山に対しては「まるで駄目である。崩れてしまつて、もはや美人の面影は無い」と述べています。

地元愛あふれる太宰は、さらにこのあと思いっきり毒を吐きます。

「岩木山の美しく見える土地には、米もよくみのり、美人も多いといふ伝説もあるさうだが、米のはうはともかく、この北津軽地方は、こんなにお山が綺麗に見えながら、美人のはうは、どうも、心細いやうに、私には見受けられたが、これは或いは私の観察の浅薄なせゐかも知れない」

・・・・・・私は、この件についてはノーコメントとさせていただきます。



ともかく、リゾートしらかみから眺める岩木山と黄緑に輝く田んぼ、そして繁茂するりんごの樹の風景を存分に愉しんで、



列車は弘前駅に到着しました。
到着時刻14時25分、快適な列車旅はわずか34分で終了しました。




弘前駅の城東口から外へ。
津軽の名城・弘前城の登城へ向かいます。



【今回の乗車記録】

JR東日本 青森駅 4番線 13時51分発
奥羽本線 快速 リゾートしらかみ4号 五能線経由 秋田行き 4両
弘前駅 3番線 14時25分着

*所要時間 34分
*移動距離 37.4km   *運賃 指定席 320円 乗車券は北海道&東日本パス使用(不使用の場合は670円)