函館元町の街ブラを切り上げ、函館山を登ります。
この日の日没時刻は、国立天文台のサイトによると、17時45分前後のようです。
また夜景の美しいとされるトワイライトタイムは、「こよなく夜景を愛する人へ」という夜景紹介サイトによると、18時03分ごろから15分程度のようです。
しかし函館山の夜景といえば、六甲からの神戸、稲佐山からの長崎とならぶ「日本三大夜景」のひとつ。
さらには香港、ナポリとならぶ「世界三大夜景」のひとつにも挙げられています。
近年では「新日本三大夜景」が長崎、札幌、神戸となり、函館が外されてもいますが、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは函館山の夜景が★★★(わざわざ旅行する価値がある)とされており、函館山の夜景は世界的にも根強い人気があるようです。
そういうこともあり、日没時刻よりもかなり早い時刻ではありますが、早々に山に登るべきと判断しました。
函館山ロープウェイ・山麓駅に到着しました。
おぉぅ、早くも団体観光客の群れが・・・早々にロープウェイ乗り場に急いだのですが、すでに長蛇の列はできていたのでした。
往復分の搭乗券(1,280円)を購入し、列に並びます。
搭乗するロープウェイは17時10分発の次だろうな・・・そう思っていたら、意外と行列は進んでいきました。
125人乗りの大型ゴンドラに搭乗。
満員電車のドアそばキープのテクニックを駆使し、窓際の位置をおさえることに成功。
函館の港町を見下ろしながら、ロープウェイは上っていきます。
まずは元町の街並み。
左から函館ハリトリス正教会、函館聖ヨハネ教会、カトリック元町教会。
そのうち建物は小さくなっていき、眼下には函館港がひろがってきます。
ロープウェイは約3分で、山頂駅に到着。
ゴンドラから下りる前に、正面の窓から見下ろした函館。
向こうの山々、西の函館湾と東の津軽海峡にはさまれた函館市街地のトンボロ。
函館山から見下ろしたおなじみの景色です。
山頂駅の自販機で、こんなものを買ってみました。
「いろはす ハスカップ味」、すっきりとした果実の風味がなかなかよろし。
のどの渇きを潤して、展望台に向かいます。
人、多すぎ・・・。
函館市街方向を望む場所は、すでに多くの観光客で占められております。
観光客の比較的少ない西側から望みます。
函館湾を照らしつつ、松前半島に沈みゆく日輪がとても美しい。
夕日に照らされている函館港。
夕焼けに染まった函館市街。
函館山はもとは単独の島でしたが、土砂が堆積して対岸の亀田半島とつながってできた
そして函館山と亀田半島をつなぐ陸繋砂州(トンボロ)の部分が市街地となって発展しました。
この独特の地形が、世界でも屈指の夜景のもととなっているのですね。
函館市街を望みつつ、時がたつのを待ちます。
私の前にはすでに待ち人あり。
人が入らないように撮影するのに一苦労です。
地平線がえらく傾いて写ってしまったり、さらに夜となると手ブレが写ってしまったりと、何度も失敗を重ねることに。
時は日没をむかえ、街の明かりがぽつぽつと点灯し始めました。
東の方角、亀田半島のほうを見やると、満月が昇っています。
この日は中秋の名月・・・の次の日。
夜景に月というぜいたくな組み合わせがお目にかかれそうです。
午後6時を回り、街の明かりも増えてきました。
夜景がもっとも美しいとされるトワイライトタイムをむかえます。
宵闇とともに、街の灯りと漆黒の海のコントラストがくっきりと顕れてきます。
そこに、大通りを走り行く車列の明かりが加わります。
東の海には、月光の道筋が浮かんでいます。なんとも神秘的。
ここで天の配剤。
前列にいた観光客は下山し、展望台の手すり最前列に進出。
空はいつの間にか雲が消え失せ、名月のやさしい光が注ぎます。
山頂の夜風はいくぶん肌寒かったですが、函館山を登って本当に良かった・・・そう思わせる、素晴らしい夜景でした。
ここは本当にふたりで来たかったな。