17時52分、函館本線の列車は定刻どおり長万部駅に到達しました。
長万部駅は、函館本線と室蘭本線の分岐駅です。
今夜のお宿は苫小牧市内にとってあるため、ここで室蘭本線に乗り換えることとなります。
駅名標によると、次は「しずかり(静狩)」の方へ向かいます。
室蘭本線の次の列車は・・・
普通列車の表示がない!
手持ちの北海道&東日本パスでは、特急列車に乗車することはできません。
ホームにあった時刻表を見ると、次に乗車すべき列車は19時26分発 普通列車 室蘭行きになります。
室蘭本線は、特急列車を含めると1時間に1本弱の本数がありますが、普通列車に限ると1日に7本のみ。
そして今度の19時26分発の列車が、普通列車では最終となっています。
もっと厳しいのは、小樽方面へ向かう函館本線。
なんと1日4本しかありません。
6時前の早朝の列車を逃すと、13時過ぎの列車まで運行なし!という少なさ・・・なかなかの地獄表っぷりです。
次の列車まで約1時間半の待ち時間ということで、長万部駅の外へ出ました。
駅前の信号。
直進すると、国道5号線で突き当り、そのまま海岸へ行けます。
しかし日没を過ぎ、静かな闇夜の海は怖いので、海には行かず交差点を左折。
カラスがやけに多い・・・
長万部の駅前通りを歩き、あらかじめ調べておいた暇つぶしの場所へ。
「アリス」という喫茶店。
ここで軽く夕食をとって、列車の時刻が来るまで長居させてもらおう、という魂胆です(^_^;)
入店すると、なつかしい昭和のたたずまいが残った喫茶店です。
テーブルがこんなゲームになっている喫茶店、すごく久しぶりです。
ミックスピザとアイスティーをいただきました。
空き時間を利用してノートPCを開き、旅の記録をメモしていると、カウンター席から喫茶店のオーナー夫妻と常連客と思われるおっさんの会話が耳に入ってきました。
内容をかんたんにまとめると、今の会社に不満があるから辞めたい、けど社長が辞めさせてくれない・・・といった具合。
「そんなの簡単ですよ、『退職願』じゃなくて『退職届』を出せば、約2週間で辞めることができますよ」
「どうしても相手が聞かないなら、『内容証明郵便』を送りつけましょう。私が書きましょうか?」
・・・行きずりの人間の法律相談をしてやるほど、私もお人よしではありません。
右から左へと聞き流して、PCに向かい合っていました。
19時05分、列車の発車時刻にはやや早いですが、長万部駅に戻ってきました。
発車標が消えてる! 駅員もいねぇ!
発車標代わりの案内板。
これを見て、列車が来そうになったら勝手にホームに入れ!ということです。
それはいいのですが・・・駅員が長万部駅のスタンプも片づけて帰ってしまったようです。
駅に着いた時にスタンプをゲットしておけばよかった(T_T)
今度の列車も、キハ40形1両編成。
そして19時28分、先発の特急列車に後れること5分、定刻どおり長万部を発ちました。
長万部から2駅目。
車内を撮影したわけではありません。
駅名標を撮影したかったのですが・・・・・・あまりに外が暗すぎて、もはや窓に反射して見える車内の様子しか写りません(T_T)
かすかに「しずかり(静狩)」「れぶん(礼文)」の文字は見えるかな?
この2駅に挟まれた秘境駅中の秘境駅が小幌駅です。
小幌駅は三方を山に囲まれ、残る一方は海。駅の両側にはすぐトンネルが迫っています。
人里から隔離されていて、店はもちろん民家も1軒もなし。
自動車はもちろん徒歩で駅に来ることも困難だそうです。
そんな駅に、夜を行く列車はわざわざ停車します。
もちろんこんな駅に誰も下りるわけはありません。
私? まだ死にたくありません。
当然、小幌はスルーとさせていただきました。
函館本線のときとは違って、車窓は夜のため楽しむことはできません。
こうなれば、あとは眠るのみ。
室蘭本線の分岐駅・東室蘭駅に到着しました。
ホームの向かいには、特急「スーパー北斗21号」 札幌行きが待機していますが、もちろんこれには乗りません。
室蘭本線は、苫小牧方面から長万部へと続く本線と、東室蘭から室蘭までの支線があります。
先ほどまで乗っていた列車は、支線に入り室蘭まで行くもの。
苫小牧へ向かうには、東室蘭で本線を進む列車に乗り換える必要があります。
発車標によると、苫小牧へ続く普通列車は21時59分発、つまりは約50分待ち。
室蘭へ行く列車は21時22分発で、東室蘭で15分強停車するようです。
ここで私はひらめいて、駅員氏に尋ねます。
私『21時22分発の室蘭行きですが、室蘭まで行ったらこの後東室蘭に戻ってきますよね?』
駅員「そうですね」
私『その戻ってきた列車は、21時59分発の苫小牧行きになりますよね?』
駅員「そのとおりです」
思ったとおりです。
こんなことは「時刻表」一冊持っていけばすぐにわかることなのですが、荷物を減らしている関係で「時刻表」は持ってきていません。
とにかく、先ほど乗ってきた列車にず~~っと乗っていれば、自動的に苫小牧まで行けることがわかりました。
東室蘭での暇つぶしは考えてなかったので、22分発の室蘭行きに乗ることとしました。
列車の停車時間を利用して、駅の外へ。
東室蘭駅の西口。わかりづらいですが、現代的な赤枠の駅舎です。
反対側の東口。
さらにわかりづらいですが、西口と同じく現代的な赤枠の駅舎です。
東室蘭駅のスタンプは「工場夜景とくじらのまち」。
室蘭は古くから北海道有数の工業都市として発展してきました。
21時22分、列車は定刻どおり発車。
これより室蘭支線に入ります。
21時35分、
終着・室蘭駅に到着しました。
列車を下りると、階段もなくまっすぐ歩くだけで、
駅の外へ。
入口と時計台というシンプルな駅舎ですが、なかなか小粋なデザインですね。
この駅もすでに駅員は帰り、もぬけの殻。
今度の列車は、21時43分発 普通列車 苫小牧行きです。
長万部から乗ってきた列車に再び乗車します。
ついに苫小牧までやってきました。
この日は苫小牧駅を発つ列車はありません。
函館駅を14時31分に出発して以来、約8時間半の列車旅もここに完結したわけです。
オレンジ色のナトリウム灯に照らされる苫小牧駅を尻目に、ホテルに急ぎます。
早く横になりたい~
早くいかめしを食べたい~
この日は、某バス旅の蛭子先生ご納得のビジネスホテル(*^_^*)
うんうん、お宿はこれでいいのです。もちろん内風呂付きです(^^♪
これで朝のパン・バイキングがついて4,200円ですから、なんの文句もありません。
シャワーで旅の垢を洗い流したところで、
いかめし登場♪
レトルトパウチのいかめしさんと、阿部商店秘伝のたれが入っています。
ホテルの電子レンジを探すのが面倒だったので、冷えたままいただきます。
阿部商店のいかめし! 冷えてもうまいぃぃ!!
これは機会があったら、ぜひまた食べたいですね。
いかめしで、わずかながらの至福の時を過ごし、この日は床に就きました。
【今回の乗車記録】
JR北海道 (H47)長万部駅 3番線 19時28分発
[H][M]室蘭本線 普通 室蘭行き 1両ワンマン
(H32)東室蘭駅 3番線 21時05分着 17分停車
(M36)室蘭駅 1番線 21時36分着
(M36)室蘭駅 1番線 21時43分発
[M][H]室蘭本線 普通 苫小牧行き 1両ワンマン
(H18)苫小牧駅 4番線 23時14分着
*所要時間 3時間46分(移動時間 3時間22分 待ち時間 24分)
*移動距離 149.2km *運賃 北海道&東日本パス使用(不使用の場合は2,910円)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます