<ヨーカ堂、衣料など2600品目値下げ 15~30%>
朝日新聞 http://www.asahi.com/ 2009年3月17日
イトーヨーカ堂は17日、衣料品や住居用品など2600品目を15~30%程度値下げすると発表した。全国175店で、18日から期限を区切らず続ける。客の買い控えが目立つなか、主力商品で「過去最大規模」(同社)の値下げに踏み切る。
1500品目は、不振の衣料品で、値下げ幅も平均30%と最も大きい。販売にてこ入れしたい考えだ。住居用品は1千品目で平均27%、食料品は100品目で15%程度安くする。値下げ原資は、原料調達の場所を見直すなどして引き出したという。
また、首都圏で運営する格安スーパー「ザ・プライス」専用の自主企画(PB)商品を、6月をめどに発売する方針も明らかにした。食品など約60品目が、メーカー商品より4割程度安くなるという。
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「安い」ということは正直に買う立場になればうれしいことです。
それでも行き過ぎるとどうかと心配になります。
例えば、ある加工食品の調味料系の商品が昨年までは特売でも298円だったものが今度は218円で販売されます。通常は300円台で販売されていたものの特売価格からさらに80円引き、25%以上の割引です。
この価格でメーカー、卸、小売りがそれぞれコストと利益を分け合っているはずです。絶対にかかるのは原材料費、物流費、それぞれの人件費を含めた固定的な管理費などなど、もちろんかかるコストはこれだけ済むものではありませんし、商売をする以上はそれぞれが適正に利益を確保しなければなりません。
今までの価値と比べて4分の3の価値に減らしてしまうのですから、ここで話されているような原材料調達場所の見直しや大量発注だけで可能になるとはオヤジにはとても思えません。もし可能だったとしたら、それは今までがあまりに不当に利益を上げていたり、コスト管理が杜撰で努力をしていなかったということです。
結局は関わる全てなのか、そのうちのどこかがムリをして血を流しているに違いないのです。
こんなやり方で消費を喚起して経済は本当に浮上するでしょうか。
買う立場から考えた時にハッキリ言えることは、一度218円で買えると知ったモノは余程気に入ったものでない限り、決して298円で買おうとは思わないということです。それは買う立場からは「値上げ」として映るに違いないのです。
換言すれば、気に行った商品であれば218円なんかにしなくても298円でちゃんと買うということです。
小売業自体も自らの生き残りに必死なのだと思いますが、結果的に価格での競争は新たな発見や新たな価値を産むことはありません。
1000円を切るGパンも驚きであり、その品質は価格期待以上のものかもしれませんが、特に生活必需品の価値がどんどん下がることは経済を発展させるというより、経済をよりシュリンクさせ、結果的にデフレスパイラルの再来の悪循環になる気がしてなりません。
朝日新聞 http://www.asahi.com/ 2009年3月17日
イトーヨーカ堂は17日、衣料品や住居用品など2600品目を15~30%程度値下げすると発表した。全国175店で、18日から期限を区切らず続ける。客の買い控えが目立つなか、主力商品で「過去最大規模」(同社)の値下げに踏み切る。
1500品目は、不振の衣料品で、値下げ幅も平均30%と最も大きい。販売にてこ入れしたい考えだ。住居用品は1千品目で平均27%、食料品は100品目で15%程度安くする。値下げ原資は、原料調達の場所を見直すなどして引き出したという。
また、首都圏で運営する格安スーパー「ザ・プライス」専用の自主企画(PB)商品を、6月をめどに発売する方針も明らかにした。食品など約60品目が、メーカー商品より4割程度安くなるという。
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「安い」ということは正直に買う立場になればうれしいことです。
それでも行き過ぎるとどうかと心配になります。
例えば、ある加工食品の調味料系の商品が昨年までは特売でも298円だったものが今度は218円で販売されます。通常は300円台で販売されていたものの特売価格からさらに80円引き、25%以上の割引です。
この価格でメーカー、卸、小売りがそれぞれコストと利益を分け合っているはずです。絶対にかかるのは原材料費、物流費、それぞれの人件費を含めた固定的な管理費などなど、もちろんかかるコストはこれだけ済むものではありませんし、商売をする以上はそれぞれが適正に利益を確保しなければなりません。
今までの価値と比べて4分の3の価値に減らしてしまうのですから、ここで話されているような原材料調達場所の見直しや大量発注だけで可能になるとはオヤジにはとても思えません。もし可能だったとしたら、それは今までがあまりに不当に利益を上げていたり、コスト管理が杜撰で努力をしていなかったということです。
結局は関わる全てなのか、そのうちのどこかがムリをして血を流しているに違いないのです。
こんなやり方で消費を喚起して経済は本当に浮上するでしょうか。
買う立場から考えた時にハッキリ言えることは、一度218円で買えると知ったモノは余程気に入ったものでない限り、決して298円で買おうとは思わないということです。それは買う立場からは「値上げ」として映るに違いないのです。
換言すれば、気に行った商品であれば218円なんかにしなくても298円でちゃんと買うということです。
小売業自体も自らの生き残りに必死なのだと思いますが、結果的に価格での競争は新たな発見や新たな価値を産むことはありません。
1000円を切るGパンも驚きであり、その品質は価格期待以上のものかもしれませんが、特に生活必需品の価値がどんどん下がることは経済を発展させるというより、経済をよりシュリンクさせ、結果的にデフレスパイラルの再来の悪循環になる気がしてなりません。