今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

エミリーローズ

2007年01月13日 | ブックレビュー

 物語は、悪魔に取りつかれて命を落とした女性「エミリーローズ」と彼女を救おうと悪魔祓いを行った神父への裁判を軸に進められます。そこに神父の裁判を担当した女性弁護士のストーリーが絡んで来るというもの。いわゆるエクソシスト物ですが、事実を元にしてあるという点と裁判シーンが重要な場面になるという点が特色です。

 2005年に映画も公開されたようですが私は原作しか読んでません。文庫版では巻頭に映画の写真もありましたので結構イメージは膨らみます。で、感想としては結構面白かったです。なんといっても悪魔祓いの是非について裁判で争われるという点が斬新です。主人公は一応女性弁護士ということになるでしょうが、ライバル役の検事もいい味出してたので。

 ただ、案外短かったかな?というのも思いました。裁判ではもっとどんでん返しの連続というのを期待したのですが、結構地味な展開ですので。(裁判シーンなんてそんなもの?)

 ところで、読んでいて「やっぱり悪魔ってのはキリスト教のものだよな」と思ったのが正直なところ。アメリカで映画「呪怨」が公開されたときは観客が結構ゲラゲラ笑ってたとかいうのも聞きますが、要するに日本の亡霊系統のものはまったく怖くないらしいです。

 そういう点で、反キリスト教的な物の象徴として悪魔が登場するわけですが、キリスト教徒でなければ悪魔も怖くないってことで。小説の中の「黒い影」というのも、そんなにイメージ湧きませんし。

 今回のテーマは「悪魔憑き」ですが、キリスト教の信者でない人にも悪魔が憑くものでしょうか? 多分憑かないでしょう。

 コンタロウの「1・2のアッホ」という漫画に「キンタロウ」という亡霊が出てました。盲目の漫画家だったキンタロウですが、作品製作に行き詰まり自殺してしまったという設定だったと思います。

 その亡霊に対処するため「何か弱点はないですか? ニンニクが嫌いとか十字架がダメだとか」と相談する若者に対してベテラン編集者が「いや、彼はニンニクを十字に切って食べるのが大好きだった」と言ったのが妙におかしかったです。結局コンタロウの霊は、神社のお札と雑誌不振で倒産した出版社の差し押さえの札で押さえつけられてしまうというオチでしたが。

 悪魔祓いで使う聖水なんぞも、キリスト教徒以外にとってはただの水でしょうし、キリスト教徒とかイスラム教徒にとってはお経とか線香はありがたくないでしょう。今回のような悪魔祓いでは山伏が出てきて数珠を振り回しながら「悪霊退散!」って言っても効果ないでしょうし、悪魔に日本語が通じるか知りませんし。ということで、我々からすると悪魔が怖いというよりは例のイナバウアーのようなえびぞりの体勢が不気味だったりするわけですよね。

 で、エクソシストで思い出したネタを一つ。あのねのねの清水国明氏が言ってたのですが、「怖い女の子が出てきてウンチをするんですね。それを見た人たちが『お~ええクソしすと』と言った」というの。所ジョージの歌でも同じようなネタがありましたが。

 ということでオカルトというよりは裁判物の本の話でした。ちなみにこの本は知人からの借り物です。最近本買ってないなぁ…。