「やはりタイムトラベラー!」という方も「なんと言ってもプリンプリン物語!」だという方もおられることでしょう。私は「新八犬伝」の印象が強いのですが、文庫で出ているのを見かけたので入手しました。
これは石山透先生自身が書き下ろした完全小説版ということですが、読んでみたらあの坂本九さんの名調子を再現するような構成で一気に当時の記憶が蘇って来ました。氏の作品では「タイムトラベラー」も好きでしたし、「怪人オヨヨ」も見てました。「プリンプリン物語」も含めてこれらを一気に小説版で読んでみたいとは思いつつ、石山透先生は既に亡くなっておられ、調べてみたら享年58才。早かったですね。
「プリンプリン物語」なんぞは子供向けの無邪気なファンタジーだと甘く見ていると、実は「ラーマーヤナ」の世界を下敷きにしているとか、当時軍事政権下だったチリを揶揄したと思われる独裁国家「アクタ共和国」が出てきたり、悪魔の子孫が住むラセツの国、時の流れのない島、惑星直列の影響を受け地球を離れ四次元の世界へと飛ばされた国、などなど実に壮大な冒険の物語です。どこからこういう発想が出てきたのか尋ねてみたいですが、何しろご本人がもうおられないので…。
ちなみに今回「新八犬伝」は文庫の「起」と「承」を買いましたが、見つけたのは実はブックオフ。残りの2冊はちゃんと新品買います。石山透先生ごめんなさい…。