奥田英朗の小説は大体読んでるつもりでしたが、これはノーチェックでした。2022年に出てたんですね。
オビの文字は
・同一犯か?模倣犯か?
十年前、渡良瀬川河川敷で相次いで発見された若い女性の死体。
そして今、未解決連続殺人事件の悪夢が再び幕を開ける。
人間の号と情を抉る無情の群像劇 × 緊迫感溢れる圧巻の犯罪小説!
というもの。河川敷で遺体が発見された事件なので「リバー」と。
この人の作品は長ければ長いほど面白いと思ってて、これまで一番好きだったのが「邪魔」次いで「無理」「オリンピックの身代金」でしたが、今回のも最高でした。そして、長いと言ってどれくらいかというとこれが約650ページ。
上記の通り事件ものの小説で、これはこの人のお得意分野。なにしろ主要な登場人物だけで群馬県警の刑事、栃木県警の刑事、犯行に関わったと疑われる人物が別々に三人、若手新聞記者、被害者家族、スナックの雇われママで、そこに警視庁、容疑者の情婦、容疑者の家族、犯罪心理学者、暴力団員などが絡みます。
ハードカバーでこのページ数だし重量も700gありますが、何しろ読み始めたら止まらなくなるので、先日ビルボード東京に行くときもショルダーバッグに入れて持って行ったくらい。
主要な人物については、背景から細かい心理描写まで結構深い記載があるのでまあ長いこと長いこと。それでも、最後にもうひと転げあっても良いと思ったくらいでした。やはり長ければ長いほど面白いのは間違いありません。奥田のファンはもちろんまだ一冊も読んだことない人にもとにかくお勧めです。どーですか、お客さん。