気が付くと影が落ちてきてとても曖昧な時間。
昼から夜へ。
ゆったり。
暗に沈み、
また明けへ向かう準備を始める。
時間、色のグラデーション。
未完成から完成へ。
形のグラデーション。
対極にあるものの間にあるグラデーションに
私は最近とても魅かれます。
日常の連続した移り変りのなかにある曖昧な部分は
なんかとても真実であると感じます。
やうやう白くなりゆく山ぎは少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる。
清少納言がどんな想いで春を詠ったのか。
こんな素敵な時間を詠えるのは闇の時間が未だ少し共存しているからこそ
という気がします。
眠れぬ長い夜を過ごしたからこそ得た感覚だったでしょうか。
春がやってきて
みんなが一気に前進すると感じれば、
少し焦ったり・・・
日曜日の夜のお布団のなかみたいな。
ああ、明日から月曜日・・・世の中が動き始める。
自分を見失って目の前の結果しか見えず勇み足をする、そんな過去がありました。
まだ冷えた空気のなかで見上げると静かに呼吸するはかない存在に
呼吸をシンクロさせてみる、すー、すーって
条件を整え春をじっと待つ時間。
全てが整うと数秒先にある奇跡はごく自然のことであると感じることができます。
自分自身にペースを確認し、
ゆっくり駆け足の春を楽しむとしよう。
そして少し先の季節に向けて、
また少し先へと
移り変わるグラデーションを創り上げていきたいと思う春の日であった