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愛される条件

2018-09-22 16:58:55 | 暮らし
数年前、ご縁があって車でよく通る道がありました。


横浜のとても小さな駅。


乗降客の数はほとんどない小さな住宅街で、ひっそり。



昼間は全く気が付かなかったけど


車のライトをつけて走る時間にはじめて気づいた。






とても小さな可愛いパン屋さん。


良いお店だ!って、すぐわかった。



中に入ると


若いご夫婦がほっとする笑顔で迎えてくれる。


小さなスペースの中で客との距離感がとても心地よい。






パン生地は弾力のあるものからもっちりしたもの、バラエティです。


フルーツピールの入ったパンを狙って行きますが遅い時間だと売り切れ。


で、今私のもっともお気に入りのパン屋さんなのです。


よく行く「竹の助」というラーメン屋さんがあって


そこへ行った帰りには隣街まで足を延ばして必ず立ち寄るというコースです。







食パンをフライパンで焼いた後、ギーをぬって戴きます。


パンが芳ばしく美味しいです。



いつもはグルテンフリーを意識していますが


ここのパン屋さんを訪ねた日はOFFデーです。



パンの美味しさのランキングなどはっきりいってきりがないです。


日本は本当に美味しいパン屋さんでいっぱい。


パン好きな人、いっぱいです。


テレビでパンマニアと称する女優さんが一斤のパンの真ん中に顔をうずめてがぶーって。


ほとんど獣だ。



デザインから作り手の思いや意図を感じ、


お店の人の温度を感じ、


感謝の気持ちを口にして戴いてみる。


美味しさの真髄とは


人のボディ、マインド、スピリットが統合されるのと似ているかもしれない。



美味しいパン屋さん、バラエティに増えています。


天然酵母を強く売りにしているナチュラル系のお店で時々出会ってしまう独特の接客。


ストイックにものを作る職人さんたちのなかにはちょっと接客が苦手という人も少なくないです。


私達は接客が苦手です! ってそれを当たり前に宣言して


気に入ってくれた人だけが来てくれたらいいっていうよりも


お商売である以上、一期一会の努力は必要だと思います。


接客とは買って戴くパンと買い手をつなぐ大切なエネルギーです。


無愛想な人から買ったパンはやっぱり無愛想な残像、


そんなエネルギーが入ってしまったパンなのです。



子供の頃、どこかで読んだ絵本。


パン屋さんにはちょっとおでぶなおじさんと


笑顔のあふれる奥さんがいる、そんなイメージを潜在的にずっと抱えていたかもしれません。


パンを売る人は焼き立てと人肌のサービスを提供してくれるとすごく嬉しいです。



このひっそりとした街のパン屋さん、遅くいくとほとんど売り切れです。


ここのシナモンロールはデザインも素敵です。



「良いデザインは機能もいい」


レストランプロデュースの授業で


恩師から云われた宝のような言葉を思い出していました。


ボディ、マインド、スピリットのバランスをもつお店はやっぱり愛されるパン屋さんです。



小さなパン屋さんを始めたいという人、


とても参考になる愛されるお店です。













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介護療養型医療施設の現場

2018-09-10 01:32:12 | ふと思うこと
5年ほど前から介護療養型医療施設の厨房で夜に働いていました。

保育園が終わって夕方からの勤務だったので

病院に入る前にはビシーッと気を入れ替えていました。


病院の食事は個人それぞれ違うのでかなりの集中力が必要で神経を使います。

食事は常菜、軟菜と別れ、それぞれに魚禁、青菜禁の人・・・

この禁というのは食してはいけないもので数十種類以上あります。


おかゆ、ご飯の大盛り、小盛り、1/2量・・・

嚥下が難しい方のレベルがあって、

流動食、ミキサー食、

ゼリーになっていたり、とろみをつけたり

とろみだけでも数々のレベルなのです。


間違えることは許されないので

ひとりひとりの情報を確認しながらとても慎重さを必要とします。

今までにない経験でしたが

私はいつも人の命を預かるそばでお仕事をさせて戴いていることが多いようです。


夜勤の先生にお夜食を届ける時に

病棟を通過していきます。

ものすごいうめき声が病室から聞こえてくるたびビクンとします。

誤嚥です。 


いつも名前を確認しながら食事を用意していたので

病室の名札を見て、あ、〇〇さんてこの人なんだ。

数日後に配膳のところから名札が消えていました。

これが老人介護医療施設の常です。


老人介護施設内にデイサービスもあります。

混むのはたいてい連休だったりします。

おそらくご家族で連休くらいは介護から解放されたいと

お預けになられるのだと思います。


可能であれば介護から少し解放されること、

すごく大事です。


介護食のセミナーがあると時々参加していました。

こういうセミナーへ参加すると

介護を経験された方との出会いがあります。

今の自分の精神を共有しあえる方との出会いは心が救われます。

お正月のおもちが喉につまるのを防ぐために

お餅を白玉粉に変えるそうです。

いろんなアイデアがあって笑いさえ出てきます。


介護は夜眠ることができない日があります。

認知症の場合、

夜になると症状が悪化することが多いです。

夜の徘徊だけでなく、

排泄物に触れて部屋中が汚れてしまうというケースもあります。

弄便(ろうべん)という行為です。

一度でも下の世話に関わると心が折れます。

不眠、鬱になってしまったりする人もいます。


こうなると施設にいれようと考えます。

この時、認知症である本人に意識がまだ少しある場合

家族はなかなか施設に入れることに踏み切れないものです。

が、親を施設に入れることに罪悪感を感じるというのは

こちらのエゴであるかなとも思うのです。


ますますの高齢者社会。

まだまだもう少し先のことぐらいに思っていましたが、

神戸の父も東京の義母も高齢者。

ただいま大波のなかにいます。


神戸を行ったり来たり、

姑も次のお正月はおせちを作ることはできなくなりました。

とほほですが、笑うことにしています。

私は自分の人生を親のことで犠牲にしようなどとは少しも思わないのです。

自分のやりたいことをやり、親のお世話をするにはどうしたらいいか?

逆算して考える日々です、可能な限り。

起業は予定よりも大幅に遅れていますが

全てはベストのタイミングでやってくる!

それくらいに考えています。


追記

不眠になって医者へ通うと必ず薬を処方されます。

軽い睡眠誘導剤。

このなかにエチゾラムという薬があります。

これは私の父が飲んでいたものです。

母が亡くなって以来この睡眠誘導剤を処方されていました。

医師が認知症を発症する可能性がある薬だと家族に伝えながら処方するのです。

日本のこの医療の現実に驚いています。

自分の身は自分で守るしかないですね。

そのためには他人のせいにもしないことです。


エチゾラムだけではないので

睡眠誘導剤、心臓病の薬など・・・

医師に相談して副作用をきちんと把握することが大事ですね。

そういう時代のようです。








 

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音楽の力

2018-09-01 22:34:44 | ふと思うこと
小田和正さんの声がね、

昔と少しも変わってないかなあ。


どんな条件がそろうと

こんなにも人の心に触れ

コンコンと湧き出る水のごとく辺り一面を浄化してしまうのだろうかと。


公園とか、

カフェの隅っこでコーヒーを飲みながら、

車の運転をしながら

人は音楽を聴きます。


夜の満員電車の中はみんなぐったり。

肩が触れたりするといろんなことが伝わってきます。

エスカイヤクラブみたいなバニーガールの車両が一両くらいあって

グビッてやりながら帰れたら・・

あ~幸せって、そんな想像をしてみたり。


理想と現実のギャップだけ

ためいきがある。

あ~、現実は厳しい、無理!って思うと

外の世界を遮断するようにイヤホンをつけて

ひとりの世界。

みんな音楽を聴いてる。

現実と向き合っている自分を癒してるんです。


なかなか自分を赦すことができなかったり

孤独に耐えている自分がすぐそばにいるのに

寂しいと言わず鎧をかぶり、部下を威圧してしまったり、

明日が見えない不安を打ち消すように

励ますように

明日は違う一日にしようと

人は音楽を聴いています。


そんなひとりひとりの一日を切り取ってコラージュされた都会の風景。

色彩豊かに楽しそうで賑やかそう。

なのに一つ一つはせつなく寂しい色。

大都会の暮らしとはそんな感じって思ったりもします。


心が折れそうになって

音楽を聴くのは

どこかに自分の居場所を見つけようとしているから。

明日は良い一日にしたいって。

そして音楽にそんな力があることをみんな知ってる。


私はとてもとても長い間

ある人が抱えていた孤独に気づくことができませんでした。

その人はとてもさみしかったと思います。

自分はいつもひとりなんだと強く生き過ぎたんだと思います。

もう会うことのできない人ですが、

私にとってとても大切な人です。


小田さんの歌を聴いていたら

その人の幼い頃の姿がほんの少し見えました。

気づいてあげることができて良かったと思っています。


音楽の力ってすごいですね。











 

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