おめでとうございます。
年末年始は昨年同様、神戸の実家でのお正月でした。
神戸の実家は古い家なので本当に寒い。
キッチンが冷たく静かなせいか
ひとり暮らしの父の丁寧な暮らしぶりからせつなさが伝わってくる。
母が取り揃えたものをきちんと整理整頓しているから驚く。
おせちは自宅から手作りして持って帰り、
タラバ蟹を北海道の女満別から郵送してもらっていた。
父はこの蟹を食べながら夫と一杯やるのを楽しみにしている。
母の作るお正月料理には敵わないけれど
白みそのお雑煮は母の味だと喜んでもらえたわけで、
なんとかそれらしくなった。
老いから終末を意識し始めた父から家のこと色々伝えられる。
いろんな覚悟が必要になってきたが
まだ筆力のある綺麗な字を書く父にほっとしたりもする。
母が先にゆき男親がひとり残る。
娘にとってこれほど辛く切ないことはない。
地方出身者の宿命です。
色々考えたって仕方がない。
で、今年はちょっと小細工をしていた。
以前お邪魔した西麻布ラ・ボンバンスのおせちを取り寄せていた。
元旦に神戸から自宅に戻ったら夫と二人で食べるためのお楽しみだ。
フォアグラ・トリュフ入り松風
フカヒレなます
黄金あわび
あの世から母がこれを見たらなんというか。
お嫁入りに持たされたお重箱が今年は静かだ。
手作りを受け継いできた私が今年初めて試みたこと。
今の時代に暮らしているのですから考え方次第で楽になる。
ま、私は昔から家族の中でひとりだけぶっとんでいた。
2日は東京の目黒にある夫の実家へ。
こちらも義母ひとり暮らしだ。
普段誰とも会話していないせいか
ものすごい勢いでしゃべり続ける。
あ~その話、去年もしてたわ。
もう何度も同じ話を繰り返しているすきに
聞くふりをしながら・・・
まぐろのお寿司をお姑ちゃんの分まで食べちゃうことにした。
ちょっと可愛そうになったので
可愛いジーンズをはいていた義母を褒めてみた。
嬉しそうだ。
私はちょっとたちの悪い嫁だ。
人は終末に向かうと「食」への興味が薄れるといいます。
美味しいものを一緒に集う。
そんな時間がお年寄りにはとても必要ですね。
どうぞ温かな食卓を作ってください。
皆様にとって素敵な年でありますように。
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