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奈良県橿原市の藤原宮跡で大極殿後殿とみられる基壇が見つかる

2022年08月13日 05時19分17秒 | 奈良情報

奈良県橿原市の藤原宮(694~710年)跡の中枢部に当たる

大極殿北側で大極殿後殿とみられる基壇(建物の土台)跡が見つかり、
国立奈良文化財研究所(以下 奈文研)が2022年8月4日に発表した。
 
上述のニュースを神戸新聞で知った。
 
今回の発掘は2022年5月より奈文研が大極殿があったとされる場所の
すぐ後方(北側)の565㎡を発掘調査して東西約14m、南北約15mの
基壇を検出した。天皇の控室「後殿」は後の平城宮、平安宮にも設置
されています。後殿は小安殿という名称で呼ばれることもあります。
 

奈文研の2019年度の調査では、大極殿院の東面回廊に取りつく新たな

回廊の跡(大極殿後方東回廊)が確認された。同西回廊もあったと考えられている。

2019年に発見された基壇から、現場を見た木下正史・東京学芸大名誉教授

(考古学)は、この二つの回廊の真ん中に建物があった可能性を指摘する。

天皇が出御する前に衣装を整えたり、休憩をしたりするなどの場面で使う

控室のような施設ではないかと話す。

以上の文章は下記ブログより再掲載。

このブログで報道機関のニュース報道のリンク集を作成しています。

 奈良県橿原市の藤原宮跡で大極殿後殿とみられる基壇が見つかる : 散策とグルメの記録 (exblog.jp)

本ブログでは今後、再レビューする際の基礎資料として藤原宮の大極殿院の過去の

発掘成果を整理してみました。

2021年10月6日、朝のNHK総合テレビで藤原宮跡で建物の跡発見 天皇が使った

「控え室」かという見出しでニュース報道があった。

奈良県橿原市の藤原京(694~710年)の中枢部・藤原宮跡で、天皇が重要儀式を行う

大極殿の北側に、建物を建てるための基壇(土台)が見つかった。奈良文化財研究所

が2021年9月30日発表した。尚、現地見学会は10月2日に実施されたそうです。

上の写真は大極殿院の発掘成果。今回の調査区(565㎡)を緑で囲みました

原出典:奈文研 飛鳥・藤原宮発掘調査概報8(昭和53年4月)Page19

ここで基礎資料として藤原京の広域図と藤原宮の中の建物配置について書籍より添付

上の写真は藤原京の広域図

出典:平田稔、金子裕之 著「飛鳥・藤原京の謎を掘る」Page272

上の写真は藤原京広域図

出典:奈良文化財研究所概要2019 Page73

 

 

上の写真は藤原宮内の建物配置

出典:平田稔、金子裕之 著「飛鳥・藤原京の謎を掘る」Page172

藤原宮には大極殿(政治・儀式の中心建物)、内裏(皇居)、朝堂(役所)などがあり

約1Km四方の面積があった。

大極殿院の敷地は東西約120m、南北約165m。この中央に大極殿があったとされる

飛鳥浄御原宮から藤原宮に持統天皇が移り住んだのは持統8年(694)、平城遷都(710年)

まで文武天皇と元明天皇と三代の天皇が住み続けた。

これから使用する写真は2021年10月6日、朝のNHK総合テレビの放送によります。

上の3枚の写真は大極殿(木が生い茂っている部分の上(南))の北側(手前)の黄色の部分が

建物の基壇の全体。調査区の西南部では基壇の盛り土(東西8m、南北4m)が確認された。

基壇は藤原宮期とみられる。専門家は大極殿の「後殿」などと呼ばれる建物があった可能性も

指摘しており、宮都の発展過程を考える上で注目される。

奈良文化財研究所(奈文研)は今回(2021年)、大極殿の北方約1900㎡を調べた。

現時点では、礎石を据えつけた穴などは見つかっていないことから建物を配置する

計画はあったが、「最終的に着手に至らなかったことも考えられる」。

奈文研の2019年度の調査では、大極殿院の東面回廊に取りつく新たな回廊の跡

(大極殿後方東回廊)が確認された。同西回廊もあったと考えられている。

上の写真は奈良市役所の1階に展示の平城京の復元模型図で、今回発掘された建物と

同じような建物が大極殿の北側に大極殿後殿と言われる建物があった。

大極殿後殿は二つの回廊の真ん中の建物で「天皇が出御する前に衣装を整えたり、休憩を

したりするなどの場面で使う控室のような施設ではないか」と専門家が指摘しています。

平安宮(京都)にも、大極殿の背後に小安殿という施設があったという。

また、藤原京より前に建設された難波宮との類似性も注目されています。

 

上の写真は大極殿院の発掘現場の遠景(木の茂っている大極殿跡の北側)

これからの写真は長岡京の発掘調査現地説明会(2015-10-25)関連資料です。

 




上の写真は向日市文化資料館の資料に現地説明会のトレンチ場所を重ねた
ものです。

それでは14時から行われた長岡宮大極殿院回廊北西隅の現地説明会について
話題を替えます。

推定で200名ほどのファンが説明に耳を傾けた。

回廊は推定で東西約105m、南北121mである。回廊は3本の柱で支える構造の
複廊と呼ばれるもので奈良時代に建立された薬師寺の回廊と同じ構造との説明
がありました。今回の調査の成果は下記の3点であるとの説明がありました。
(1)大極殿北面回廊の礎石据え付け穴及び東北の凝灰岩の抜き取り  
   痕跡を検出(凝灰岩は平安京で使用)
(2)大極殿院内部の石敷及び長岡京期整地土を検出
(3)回廊下層から埋没古墳を検出

 

2015年10月25日14時から、京都府向日市鶏冠井町大極殿55-2他で進められている
長岡宮跡第508次調査の発掘現場で現地説明会

 

上の写真は2017年12月28日撮影の平城宮大極殿(復元建物) 屋根の上の鴟尾に注目

関連ブログ:

 「平城京」復元模型 in 奈良市役所 on 2017-12-28 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)

 奈良県橿原市の藤原宮跡で大極殿後殿とみられる基壇が見つかる : 散策とグルメの記録 (exblog.jp)

 

最後に奈文研が調査した平城宮第132次発掘調査現地説明会(昭和56年(1981)8月22日)

に掲載されている大極殿後殿関連の資料を添付して筆を置きます。

難波宮(聖武期)

平城宮

平安宮


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