歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

財布を落として、あれやこれやで、参りました。

2011年11月17日 | その他
いゃ~~、参りました。

ホントにガックリで、まさに意気消沈でした。

何て、ついていない日だと、思ったのでした。

財布が無い事に気が付いた時は、エッ! エッ! エッ~~~!でした。

ナント、ナント、落とす30分前に銀行に行って、2万円を下ろし財布の中には3万7千円程度が入っていたのですよ。

そして、現金以外に、運転免許証、銀行のキャシュカード、クレジットカード、保険証、残高3千ほどの図書カード、各種お店のポイントカードが5枚、等々で、かなり、これはヤバイのです。

それで、その日の足取りなのですが、おふくろを迎えに土浦市に向かったのです。途中で銀行に寄り、いつもの習慣で、霞ヶ浦運動公園でジョギングコースを3周し、そろそろ約束の時間だと、車に戻る途中で、ポケットに手をやると、左側のポケットの膨らみが無いのです。

車から降りるとき、右側の携帯、左側の財布をポケットの上から手で触り確認していたのです。車に置き忘れた筈は有りません。公園の中で落としたことは間違いないのです。

その時、直ぐに、途中で柔軟体操をした事を思い出し、その場所に走って向かったのですが、周辺を探しても、財布は何処にも有りませんでした。路面はアスファルトで財布が落ちていれば、10数㍍離れていても判るのです。人通りもチラホラある場所です。

その日は、普段は外に着て行かない、ナイロンのベストを着ていったのでした。ポケットにはチャックも無く、深さも浅く、ナイロン地ですから良く滑り、屈んだりしたら、直ぐにポロリだったのです。

落としたたと思われるその場所から、トボトボと車に戻り、無いと判っていても、車内を探したりしたのです。約束の時間が迫り、ボンヤリ悔やんでいる時間も無く、おふくろが待って居る15分ほど離れた場所に向かったのでした。

情け無くも、腹立たしくも、運転に意識を集中しつつも、公園での行動を思い返しつつ、信号待ちをしている時に、もしかして? 柔軟体操をした場所ではなく、公衆便所で小用を足した・・・あの時!かも、と、閃いたのです。

でも、しかし、約束の時間は迫っており、遅れれば年寄りは有らぬ事を考え心配するので、公園に引き返す訳にはいかず、約束の場所に向かったのです。

おふくろを乗せドアを閉め発進して直ぐに、財布の件を話し、これから警察に届けを出しに行くと話し、その前に、便所が気になるので、もう一度公園に寄ってからと告げたのです。

おふくろは、今朝、雨の降る中を彷徨った夢を見たそうで、雨の降る夢は良くない事が起こる前兆だと、送って行く時の車内で話していたのです。

その前兆は見事に的中したと話し出し、良くない事は自分の健康に関する事だと思っていたそうなのです。それが、息子の財布紛失事件であった事で、半分は安心した表情をしていました。残りの半分はキャッシュカードとか、クレジットカードを不正に使われる事を心配していました。

公園に着き、おふくろを車に残し、もしかして、もしかして、あの公衆便所は道路から一番遠くにあり、利用者の少ない場所なので・・・、あれから、まだ、一時間弱、もしかして、もしかして、と思いつつサッカー場を横切り、期待と、不安と、諦めを胸に抱きつつ、薄暗い公衆便所に足を踏み入れたのです。

じっと、じっと、眼を凝らして、コンクリートの床を、端から、端まで、隈無く探したのですが、財布は何処にも見当たりません。もしかして、拾った奴が現金だけを抜き取り、個室の方に棄てていったかもと、調べたのですが、やっぱり有りません。

一応、念の為、公園事務所に寄って、財布の届けは無かったか?聞いたのですが、ジャージ姿の中年前期の女性職員が“有りませんねェ”と明るい笑顔で返事をくれました。あんたには関係無いけど、こういうときの明るい応対は、何かねェ~~・・・なのです。

それから、土浦駅前交番に向かったのですが、駅前交番は無人。しかたなく土浦警察署に向かいました。駐車場は狭く込んでおり 、隅の出し入れのとてもやりづらい場所に入れ、おふくろを車内に残し警察署の中に入りました。

玄関を入って内部を見渡すと、運転免許証関連の案内看板ぶら下がり、貼り付けられ、ベンチが並び、警察署と云うよりも“運転免許証更新所”の趣。何処へ行ったらいいのやら、キョロキョロしていると、左の隅にガラスで仕切られ、小窓の付いた部屋があり、会計課の看板の下に“落とし物・拾い物”の貼り紙を発見。

早速、中を覗きつつ小窓のガラス戸を左に引きつつ”スイマセン。財布を落としたのですがァ”と告げると、数人が机に向かって事務を執っているなか、小窓近くに座っていた部屋の中で一番若い職員が“どうされました”と云いつつ、小窓に向かって歩み始めました。

事情を説明すると、小窓の脇の書類立てから、一冊の黒い表紙に紐で閉じた、お役所的で古風なバインダーを捲り、書類に眼を通して“いまのところ、それに該当するような届け出は有りません”と告げ、“書き方の見本はあちらにありますから、それを参考にして記入して下さい”と、A4の書類を手渡されました。

云われたとおり、あちらに行って見本を参考に、住所、氏名、年齢、電話番号、落としたと思われる、日付、時間、場所、財布の色、形、金額、その他、クレジットカード等々を記入し提出。

それを受け取った後で、「あなたの遺失届けは、平成23年11月16日付け、土浦警察署遺失届受理第○○○○号で受理しました」と書かれた、A4用紙を4分割した紙切れを貰ったのです。

これですべて手続きは終わり、最後の望みは断たれ、諦めつつ、落胆しつつ、肩を落としつつ、後悔しつつ、おふくろの待つ車に向かい、届け出は無かったと告げ、車をバックで切り返しを何度かしつつモタモタしていると、先ほどの職員がこちらに向かって走って来るのでした。

私は、一瞬、先ほどの書類の記入に不備が見つかり、その訂正でもするのかと思ったです。しかし、彼の口から出た言葉は

『いま。あなたの物と思われる財布を届けに来られた方が見えたのです! 確認して下さい』でした。

これぞ、ホントに、ホントに“エッ!?エッ!?・・・ウッソー!? ホント?エッ!”なのです。地獄へ落ちたと思ったら、直ぐに天国へ引き戻されたような、何が?何だか?状態で先ほどの窓口に向かったのです。

職員は書類を確認して、私に向かって“身分を証明するものはありますか?”聞くのです。私は一瞬、エッ!何を言ってるの?と思いつつ、“免許証も保険証も、みんな財布と共に落としたんですけど”と、云うと、“アッ!そうでしたね、それでは、生年月日を言って下さい”となり、生年月日を告げたのです。

それを確認すると彼は後ろの机に戻り、トレーの上に財布と中身の現金をすべて並べた状態で私の前に差し出したのです。中身を確認して下さいと云われ、免許証やカード等を確認して受け取ったのでした。

職員に謝礼の事を聞くと、“あちらの方が届けてくれた方で、謝礼は当事者どうしで話し合って下さい。法的には5%から10%の範囲です”と云われ。一応「5千円」と心に決めて、届けてくれた方の方に向かったのです。

年の頃なら70代の前半、黒い野球帽に黒のベスト、黒ズボン、幾分疲れた服装でしたが、笑顔の優しい、正直そうな方でした。

その方の話しでは、やっばり公衆便所で拾われたそうで、免許証が入っていたので、落とした方は困っているだろうと、直ぐに免許証の住所氏名から電話番号を調べ、家に電話を掛けたが留守のようで、警察に持って来たとの事でした。

丁重にお礼を言い、謝礼を渡そうとすると、イイですよ、イイですよ、と二度、三度、そんなやり取りをくり返した後、やっと受け取って貰いました。

帰りの車中で、おふくろが“財布を落としたと聞いてから、心の中で、ずっと、ずっと、観音さまにお願いしていた”と云うのです。おふくろは観音様を固く信じているのです。これまでも何度か助けて頂いているのです。これでまた、おふくろの“観音様への信仰”は、より強く、固く、確かな、ものになると思います。

家に帰って、財布の中身をすべて出して確認したら“観音様”のお守りが出てきたのです。財布の中に入れていた事を忘れていたのです。これって、もしかして、やっぱり、観音様の御利益かしらと、晩酌の焼酎で酔った頭で、思ったりしたのです。

ホントに、ホントに、良かった、良かった、の一日でした。

それが、それで、お終いではなく、翌日の10時頃に土浦警察署から電話があり、何だ?、何だ?と出て見ると、昨日の職員が手違いで「受領書」を貰うのを忘れたと云うのです。

エッ!もしかして、受領書を提出するために、また、わざわざ、土浦の警察署にまた行くの?面倒だなあ・・・と、一瞬、思ったら、“書類を郵送するので記入して送り返して下さい”とのこと、返信用の封筒も同封してありますとの事でした。これも、良かった、良かったでした。

それが、まだ、その日は、別の件で続きがあるのでした。

私が外出している時に、財布を拾った方の連れ合いと名告る方から“財布は手元に戻りましたか?”と電話があったそうです。当日、財布を拾ったことを、電話番号を調べ家に連絡しようとしたのは、この奥さんなのでした。

何で、どうして? 旦那は奥さんに、警察署に届け、財布は落とし主に渡し、謝礼もきちんと貰ったことを、まったく告げていないようなのです。旦那は妻の居る家に帰らなかったのか、帰っても何も事情を説明せず、妻も、旦那に聞く事ができない、そんな、複雑な事情があるのか?

財布を落としたわたくしも、ドラマチックな一日でしたが、たまたま、公園の便所で財布を拾った方も、その奥さんも、いろいろドラマチックな一日だったような?

まぁ、人生は、いろいろとあるので、退屈しないのですが、暇だからと云って、落とさない方がいいと思います。先ず戻っては来ません。

みなさんも財布を落とさないように、どうか、しっかり、気お付けてください。落ちやすいポケットに財布を入れて、柔軟体操したり公衆便所に入った時は、その後は直ぐに必ずポケットを確認して下さい。


以上、“財布紛失顛末記”でした。


それでは、また。

コメント (4)
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