前回の続きで、最終回となります。
日光道中粕壁宿歩きは前回で終わりました。
今回は、脇道、細道、裏道、散策です。
今回は、ガイドパンフには無い、わたし的な「わび・さび建築」を探して、ウロキョロと彷徨います。
こちら、民芸茶屋の「三佳」さん。一見、それなりに「枯れた趣」があるのですが、じっくり見ると、店頭に飾られた民芸を装う小物類が、なんとも、うら寂しく朽ちかけつつあるのです。プランターの植物はホントに枯れ果てていました。
人の住んで居る気配を感じませんでした。塀や、雨戸、外壁の板に、とても、とても、「わび・さび」が漂っています。
この木戸が、なんとも、イイのです。
この人通りの無い、うら寂しい風景。
この大谷石の蔵と云うか、倉庫と云うか、大谷石の劣化はそれほどでもなく、建てられたのは昭和後期?
大谷石と比較して、取り付けられている鉄製の金具、かなり錆が進行しています。
こちら、判子屋さんです。とても、懐かしい風景です。
鉄製のアングルで造られたプランターの棚が、陽ざしに、風雨に、晒され塗装が剥がれ、錆が浮き出し、ワビ・サビが漂います。すべての植物は枯れ果て、全体としてひとつのオブジェとなっています。
こんな処に、銃砲火薬店です。営業はしていない?ようです。店倉的な造りになっています。波板トタンの塗装の退色、剥がれ、錆具合が「わび・さび」です。
割れた硝子にベニヤ板の補修、こちらも「わび・さび」です。
タワマンを背景にして、「わび・さび」は、より強調されます。
こちらは、何と、こんな処に、こんな風景の家具屋さんが出現。IDCも、匠大塚家具もビックリです。
店先の風景には、家具造りに対する、それなりの、拘りと云うか、思想と云うか、いろいろ反映されてのディスプレイ?
誰かの、それなりの紹介でも無ければ、ドアを開ける時、それなりの勇気がいります。
家具と云えば、まあ北欧です。オーダー家具もやっているようです。
アートでクラフトですから、相当に難しそうです。オーナーはやっぱり長髪を束ねて、髭を生やしている雰囲気。
スエーデン家具で、何故か?店名はフランス語「Bon Vivre」さん、家具の町春日部で、これからも頑張って下さい。
はい、これで、「わび・さび的・私的・有形登録文化財」のご紹介を終わります。
いよいよ昼食です。本日は、家を出る時より、昼食は「たぬきそば」決めていたのです。
日本そば屋に入ります。時間は午後の1時20分。テーブルが二卓、カウンターにはイスが5脚ほど、小上がりには小さな座卓が二脚。そんな店です。
それで、私が店に入ってから数分後、50代の見るからに常連と思われる男性客が一人入って来てたのです。
店の入り口近くに置いてあったスポーツ紙を掴み、カウンターの一番奥にイスに腰掛るなり、「餃子にビール」と告げたのです。
一瞬、そば屋で餃子かよ!と私は静かに呟いたのです。やっぱり、本日は店の選択を誤ったと思ったのです。常連が餃子ですから、これは、ちょっと拙い雲行き。
そして、運ばれて来たタヌキ。
揚げ玉の中に浮かぶインゲンの切れ端、すべてを象徴していました。
そば、汁、量、価格、すべてにおいて、マルちゃんの「緑のタヌキ」が勝っていました。
粕壁の風景を思い出しつつ、しみじみとタヌキを啜ったのでした。本日最後も、わびさびでした。
はい、これで、20回続いた春日部・粕壁シリーズは終わりとします。
長らくお読み下さってありがとう御座いました。
それでは、また次回まで。
追記、先日の胃の生検ですが、結果は良性でまったく問題無しでした。胃の表面の色と云い、ヒダの状態と云い、正常な胃の見本写真として教科書に載せたいぐらいとの、お言葉を医師より頂戴しました。
こちらも田圃に水が張られました。もうすぐ田植えが始まります。
作く男頑張って下さい。秋の収穫を期待しております。