元気がいいオレンジ色のボディが珍しいSeydel Session Steel
めっきり寒くなってきました。
3連休が2回もあった週のフルタイムだったので結構こたえているうえワイフの体調もあまりよろしくないので今週末は外出なしです。
というわけで、先週に引き続きSeydelをチクチクと調整していました。
やはり暑い時期にはこういう細かい作業は向きませんので秋冬に精がでます。
今週は久しぶりにフル・ハーモニカネタです。
「
Seydel Blues 1847 Silver」です。
一年近く前にNobleを紹介しましたがSilverはコームがアルミではなく白い樹脂、カバープレートが普通のツルルンメッキ、サイドホールはありません。
白い樹脂は通常ハーモニカに使われているツルルンとしたABS樹脂とは違いマットでサラッとした感触です。鉛筆でカキカキ出来てしまうメンディングデープと言えばよいでしょうか。
唇や舌へのタッチも心地よく、見た目も落ち着いた感じがして品があります。
カバープレートの後ろも今風に全開口しています。といいますか工場出荷品で開口部を全開にしたのはSeydelが初めてだったような気もします。
この後ろ姿はなかなか好きです。
コーム先端は綺麗にミニマムなアールがつけられています。
Over Blow/Drawのかかり具合によってはハープをバラさずヘラやピンでリードを調整したりしますが、明るい色のコームのおかげで中が見易いのであります。
カバープレートの裏側です。森のなかま的にはこちらが表でも良いかなぁとおもったりする渋さです。
サラリと流しましたがこれらの写真を撮るのが本当に面倒でありました。
普通に撮るとカバープレートが光を反射したり、変な映り込みで彫金部分が出てきません。
黒いラシャ紙を映し込んでみたり多灯を試みましたが最終的には蛍光灯一本とラシャ紙、味付けで
ZEBRALIGHT H51Cを使用しました。
付属品はNobleと全く同じでしたのでラグジュアリな箱と一緒にパチリ。
黒革を張ったケースもあるのですが今回選んだ機種にはありませんでした。残念!(何気に古い。。)
おもちゃの缶詰のような佇まいの
BigSixです。
脱着可能なネックストラップが付属します。
缶はそのまま「ワウに使えるよ!」との事です(笑)。
別にこの缶じゃなくてもマグカップやビールジョッキでも良いのですがパッケージが利用できる所が面白いんですよね。
これまでカップ等を使ったワウを試された事がない方は是非トライしてみて頂きたい組み合わせです。ハープと缶の間を隙間無く手で覆い密閉することで普段は聞いた事が無いような音がでてきます。是非!是非!
本体です。ミニではなく通常モデルの6番以降をバッサリ切っています。
リードはステンレス製で他のステンレス製モデルよりも購入し易い値段設定になっています。話題性もある機種にステンレスリードを搭載しているあたりは戦略的な位置付けの製品なのかと思われます。
コームは木製で厚めに塗装されているため変形は殆どありません。
試しに水洗いしましたが変形はありませんでした。あっ。ボディの水洗いはもちろん保証はしませんです(汗)。。
店頭で見た限りでは舌が当たる所が
Classicはアイボリーなのに対してBigSixは濃い茶色でしたが、おそらく同じ材質と仕上げかと思われます。
個人的には薄い塗装で持ち味を活かしたものが好みですが木製コームの変形は気にされる方も多いからと思われます。
さて、この二機種ですが。当たり前のように鳴ってくれますが、以前手に入れたNobleとは若干異なる印象でした。心持ちGapが高く感じました。
まぁ、日本製のハープも同じモデルでもセッティングはまちまちです。
ちょっと脱線しますね。
セッティングが自分に合っていれば「吹き易い」とか「当たりっ~!」になるのでしょうが、合わなければ「なんか違う」と思ってしまいます。
谷口楽器さんでは全機種試奏が出来るようになっています(Fabulousのクロマチックも!)。吹いた事がないハープを実際に音を出して確かめられるのは素晴らしい事だと思います。
#試奏後はお店の方がクリーニングしていました。気になる方は吹かずに手でもってみるだけでも製品の雰囲気は伝わるかと思います。
ただ、ベンド、オーバーブローが出来るようになった頃を思い返してみて下さい。随分楽器に負荷をかけるような吹き方をしていなかったでしょうか。
自分も経験がありますが相当セッティングが変わってしまいます。
また試奏される方にはリードを一晩で折ってしまうようなハードブロワーの方もいるかもしれません(別にハードブロワーが悪いと言っている訳ではないのでお間違いなく)。
なので試奏で「こーんなもんか」と思って頂きたくないのです。
最近お気に入りの琥珀色のライトで照らしてみました。
ブラジルでつい最近できたBendという会社もなくなってしまい、国内ではHeringの取り扱いがなくなっている現状でハープの選択肢を減らしてしまうのはハープ吹きにとって哀しい事だと思います。
もし試奏のチャンスに恵まれたらストレート音を聞くぐらいにして「むむ!?」と思ったら自分で自由に出来る一本を先ずは購入してから判断しても良いのではないでしょうか。
森のなかまはHohner, Heringとも違うSeydelのステンレスリードが気に入りました。もちろんコンベンショナルなMarineBandも大好きです。Fabulousで吹きたいと思う事もあれば、UltimoやVintageHarpだってあります。
それぞれ違う個性があるんだから、それらを試したり選択できるということはとても楽くて幸せな事だと思います。
この楽しみにはちょっとした投資が伴いますが人の評価で切り捨ててしまうには惜しいものでありますので是非御自身でご判断して下さい。
脱線終了。。
ということで自分に合うようセッティングを変えるのですが、そのためにはネジを外さないといけません。
Nobleの時はオスネジがPozi, メスネジがプラスだったのですが、なんだか仕様が変わったのかPozi側のハマリ具合が浅くなっています。。
2011.11.14 Seydelのホームページに依るとPozi#0だそうです。
かなり固く締めてありますのでネジ山を潰しそうだと判断したら、プライヤ等でネジの頭を緩めてからドライバを使うと良いでしょう。
このネジに関して「だけ」はNobleの頃に比べグレードダウンを感じました。多分現在のNobleもそうなのでしょう。ちょっと残念です。
リードプレートは酸化によるくすみを防ぐためか、調律中に素手で作業しても指紋が残り続けないための配慮でしょうかクリームのようなものが薄ーく塗られているようです。
素手でブラスを触ると指紋後がくっきり残る事から予めクリームをプレートに塗るのは良いアイデアです。
これは拭取れますし、中性洗剤で直ぐに落ちますので気になる方は洗ってしまえば綺麗になります。
「
Session Steel」はMeisterMSのようなカバーと陥没式の樹脂ボディにステンレスリードが装備されています。
森のなかまは暖色系の色が好きで、このオレンジを見た時も「好き!」と思ったのであります。
ボディーは良く出来ていてパーティングラインやヒケは殆ど見当たりません。
音に関係あるわけではありませんが日本製のものより良く出来ています。
尖った箇所がないのでグリップし易くしっかりとマフリングできて快適です。
森のなかまは陥没式よりもサンドイッチタイプの方が好みですがこのSession Steelは大変気に入ってしまいました。
あまりに気に入ってしまったので通常よりも2倍の時間をかけて調整をしたところ「あはは」なくらい自分好みのセッティングになりました。
なんと合皮ではなく本当に革のケースです!
Heringなんかは合皮なんですけど、力の入れる方向が違うというか(笑)でもハープと革という組み合わせは好きな方は多いのではないでしょうか。
結構裏側の起毛部分が抜けますので気になる方はブラシで払う、なんならいっそ
サドルソープ等で水洗いしてしまっても良いかもしれません。
カタチを整えて干したら「
デリケートクリーム」を薄く塗ればいい感じになります。
洗っている時に黒い染料がドーンと抜けてきましたので1847 Silverのボディを長時間いれておくと色移りするかもしれませんが、ツルルンとしたSession Steelのコームであれば問題ないでしょう。
触感もよくてお気に入りです。
Session Steelの一式です。なんか「いっぱい」感があって楽しいですよね。
ポップなイラストのシールが付いてくるのが面白いです。
Nobleも交えて手持ちのSeydel全部と誇らしげなラグジュアリボックスを撮ってみました。写真的にはなんの面白さもないのがナンですが(汗)。。
同じステンレスリードですが、それぞれ個性や主張があって楽しいハープ達です。
埠頭なんかで見られるナトリウム光に似たこの光を見ると夕焼けにも朝焼けにも見えます。
夕暮れの川原や、"Till dawn"でホットに夜を明かしてしまってもお気に入りのハーモニカがポケットや鞄に入っていると吹かなくても落ち着くのであります。
お気に入りの一本に出会えると良いですね。
それでは!
P.S. 2011.10.5
新婚旅行のドサクサに紛れてハワイで購入した「
12穴 Hohner Marine Band 364」
写真的にはお気に入りでしたがSeydelと関係ないからお蔵入りさせていました。
でも、やっぱり貼りたくなっちゃいました(笑)。