なんだか、かっこいいと思います
以前紹介した「
タキザワ 真鍮無垢キャップ式弾丸ボールペン」。何気に
アマゾンのページを見てみると完売されたそうです。真鍮好きの方が結構いらっしゃったんですね。
「これらの発送可能な商品を検討してください」という提案を見てみると、「
2023年型」という文字が目に飛び込みます。さっそくクリックして「商品の説明」を見にいきます。独特な説明が健在でウレシクなります。
ひとしきり読みます。なるほど、というところが多く、勉強になります。
そして、是非とも2023年型と暮らしたくなりました。
アマゾンから購入してもよいのですが、タキザワさんは「
ペンのタキザワ楽天市場店」も開いています。
独特の説明文がなく、もう少し一般寄りな感じでの紹介です。面白いですね。
説明文リスペクトしたいところですが、タキザワさんから直接購入したいなぁ、と思い、こちらから購入しました。
「
日本製 2023年型 真鍮無垢ネジキャップ式弾丸ボールペン」
昭和時代にあった高級フルーツの緩衝材を彷彿させるパッキングも健在でした。日付をみたところ3/23に到着したようです。
土曜日だったこともあり、すぐにコンパウンドで磨いたようです。2023年ということなので十分綺麗なのですが、一緒に汚れていくうえでの儀式みたいなもんです。クリップがないので、ただウエスでフキフキするだけです。
1985年型と並べてみます。最初はみんなこんなかんじにピカピカなんです。まぁ、ゆっくり馴染んでもらいましょう。
8/17のお二方です。
普通にキャップをしたままポケットに突っ込んでいますので、上軸は変色が遅いです。
正直に言いますと、普段はボールペン芯を抜いています。ペンなのにペンとして使っていないです。今はひたすら変色させることに専念しています。
色々ご批判もあるかと思いますし、メーカーさんとしてもペンとして使って欲しいかと思いますが、こういう人間なのです。申し訳ありません。
ただ、日頃ペンを使わないような人間でも、お付き合いしたくなるようなものと受け取っていただければ幸いであります。
2023年型のキャップはネジ式になりました。この辺りの事情はアマゾンの商品説明をご覧ください。
当然軸側にもネジのスレッドがあります。スレッドに触れて「いやだなぁ」と思う方、「うほっ」と思われる方、感じ方は人によってそれぞれかと思います。うほっ。
ネジ式については、2点知っておいて頂きたいことがあります。
・無理に締め始めない
ネジが噛み合わなければ、少し逆に回すとスレッドが噛み合うポイントが見つかります
・無理に締め込まない
徐々にネジ山が潰れていき、開閉がギシギシするようになります
キャップは軽く締めるようにしましょう(本体は少しだけ強めに)
これだけです。スムーズなねじ切りなので、一手間を楽しんでみてください。
2023年型は汎用的なパーカータイプの芯が使えるようになりました。お好みのリフィルを使えばよろしいでしょう。
なお、1985年型は、そのものズバリの芯が無いそうですが「
Pencoのバレットボールペン」の
中身を流用できるので、好みの4C規格のリフィル(替え芯)を楽しむこともできますね。
乱暴に言えば、1985年型からクリップを除いたようなデザインです。でも特定の工程を行える職人さんが、もういらっしゃらないことから、色々なアプローチをされて、現在の製品仕様にされたようです。
キャップ頂上の丸め込みは、当時では高価なため見送られた(であろう)挽物(削り出し)に置き換わっていたりします。
原材料も高騰しているなか、バブル期当時の「職人さんのやっちまた」では済まされないコスト意識を求められているなか、この価格設定で販売することができるのは、ある種の驚きかもしれません。
潤沢に鋼材やNC機を使った製品を信じられない価格で出してくる中国企業の製品とはまた違ったものがあります。
損益の計算、工夫、どこもみんな必死にやっています。体や脳みそ、心に汗をかいて、ようやく針の穴のような道筋をこじ開けて「町工場から2023年版を出してやろう」という気概を考えると、我々日本人が進んできて、これからも進む姿が見えるというと、言い過ぎでしょうか。感慨深いものがあります。
人によっては、こういう状況をネガティブに捉えるかもしれませんが、森のなかまは、とってもポジティブに捉えています。まぁ、できればラクに生きたいものですが(笑)
ペンをペンとして使っていない外道の手先はかわいい子たちですよ(笑)
我田引水の紐が見えています。0.7mmのナイロン紐を「
テグス結び」にしたものです。
上軸、下軸のネジを少しゆるめ、テグス結びで出来たループを挟み、やんわり締め込みます。
クリップがなくても吊り下げが可能となります。雨風に晒すといった、偏った嗜好が強い真鍮好き同志の方。お好きにしてください。
伝え忘れるところでした。キャップを脱着する際、一度はペンを立ててみてください。
パーツの自重で空気が押し出され、ゆっくりと沈んでいきます。
手でキャップを動かすときも、空気による制動の感触を実感できるかと思います。
この辺りを高々と謳わないところは、とっても奥ゆかしいのであります。
長く一緒に暮らしていくのには、これくらいシンプルな方が、いいのかな?と思うくらいのシンプルさ。
お好きな方は、一緒に汚れていってください。
それでは!