森のなかまと楽しい10Holes

手のひらにすっぽり隠れてしまう小さい楽器10Holesについてボチボチと

UST ハープカスタマイズの革命的な道具

2011-05-07 22:58:52 | ハーモニカに関連した話題

お手製の「Pseudo(まがいもん)UST」。。。とんでもない道具が発明されました。

GWもそろそろ終わりです。

この連休中ハープカスタマイズを行う上で革命的なツールを体験しましたので紹介したいと思います。

■おさらい

ハープをカスタマイズするうえで重要な技術が二つあります。

 ●リードを希望する形に整形する技術
  あげみ(Gap)にまつわる話
  Reed Profile
  Gap, Reed Profile調整

 ●エンボス(又はサイジングと言います)の技術。
  Emboss エンボス そして近藤楽器
  Emboss 2nd と Squealing 対策について

リード形状(あげみ含む)の調整は、ほぼ必須と言っても過言ではありません(あくまでもカスタマイズする人にとっての話です)。

しかし、これにエンボスが加わる事で 10Holes は箱から出したままで使う(Out of the box)のでは体験出来ないようなレスポンスが得られるようになります。

しかし、エンボスを行うにはそれなりにやっかいな問題がつきまといます。

■エンボスを行う上での問題


スロットのヘリのみを潰したいのですが、どうしてもリードを押し下げてしまいます。


これだけリードを変形させても根元付近には確りとエンボスで来ません。

陥没したリードを後から戻してあげればよいのですが、金属疲労を考えるとリカバリしないに越した事はありません。

また、リカバリしてもリードがスロットよりも下に入り込みやすくなります。
小さな音量で吹く分にはOver Bendはし易いのですが強く吹くと息が詰まり易くなりがちです。
これは一気に戻すのではなく、プリンキングとリカバリを何度も行い、更に日を置いて同じ事を行う事で解決できます。

森のなかまはリード先端よりも根元付近にエンボスを施すことが重要と考えています。

経験的に根元付近から息漏れする量が多いと Bend, Over Bend時に耳障りなSquealingが発生し易くなります。
また、リード先端付近ばかりをタイトにするとリードがスロットにぶつかってしまい発音し難くなります。

これらの問題を解決するためにも根元を重点的にエンボスしたいので、以前は苦肉の策としてスパナを使って別途で根元付近をエンボスしていました。


Emboss 2nd と Squealing 対策についてより

結構めんどくさい上に、別途エンボスするためエッジに段差が出来てしまうため何らかの改善が必要と思い日々悶々と考えていたのでありました。
USTに近いイメージは確かにありましたが、それを具現化する努力は特にしていませんでした。

■Dick Sjoebergさんの UST

さて隔月で発行される Mel Bay's Harmonica Session ですが今回 Kinya Pollard さんの記事に Dick Sjoeberg さんによる"UST(Ultimate Sizing Tool)"という究極に素晴らしいツールが紹介されていました。

 Harmonica Workbench: Size Matters by Kinya Pollard

最初はKinyaさんのページで写真を見た時は正直。。

「あぁ、こんなのもあるんだ」

としか思いませんでした。
体調もよろしくなく仕事が忙しかった事もありますが、人間鈍感になると好きな領域でもこうも鈍くなるのですね。

GWに入り改めて記事を読み直してみるとUSTの凄さが脳内でありありと分かってきます。

ひょっとしてこれは本当に最終兵器なのでは。。

ということで直ぐにでもUSTを使ってみたくなったのですが、KinyaさんのページにはDickさん御本人のコメントで「注文はメールで問い合わせて下さい」とあるので時間がかかりそうです。。。

ということで、似たようなものでも良いから作って試してみたくなったのです。

■PUST(Pseudo:まがいもん)を作る

要件としては真鍮製のリードプレートのスロットを押して凹ませることです。
更にスロットと接触するところを綺麗に磨いておけば、エンボスした箇所も綺麗になることでしょう。

本当はステンレス等で作れれば良いのでしょうが、森のなかまは、ステンレスのように硬い金属を加工する道具を殆どもっていません。

ということで、なるたけ切削作業を減らす為に代用品を加工しようと考えました。

お気に入りのKTCのスパナをベースに始めようかと思ったのですがメッキで綺麗なツールを加工するのには忍びなかったので、あれこれ考えた結果「後腐れのない100均のレンチ」を使う事にしました。


4-5本入って100円という恐ろしいパフォーマンスの100均レンチ。。上が加工前のもの。下が加工したものです。

後端部の早回し用の座がねは邪魔なので取りましたが、これを取るのが一番大変だったかも(笑)。。。
基本的にリベット止めされているようなモノなのでコジってボロボロにして取りました。力技です。


上の部分がPUSTになるところです。
側面にアールを付けて、先端が64-66度くらいになるようにエッジをつけています。


原材料として「焼き入れ加工した鉄」みたいな事が書いてありましたので、ダイヤモンドやすりで荒削りし、気長にペーパーで仕上げようと考えていました。
実際1時間くらい万力無しでガリガリやっていました(笑)。

しかし疲れて来たので保護眼鏡をつけてリュータで削ってしまいます。もの凄く楽です。

しかし、リュータは気をつけないと回転面から部材が滑ってしまいエッジ付近が甘くなってしまうので、最終的には手で仕上げます。

仕上げのペーパーは#800から初めて#2000番と「リードプレートのエッジを磨き」と同じ要領で作業を進め、最後はコンパウンドで磨きました。

見てくれはあまり良くはありませんが、自分で作ったツールや治具というのはなんとなく愛着が湧きそうですよね。。

■PUSTを使う

さっそく使ってみましょう。

あたかも、写真を撮りながら作業をしているようですが、作業中はそんな余裕はありません(笑)。気が散るとろくなことはありませんよね。

写真のリードプレートは「これなんかエンボスに使えない?」と思った道具を片っ端から試すための専用リードプレートですので扱いがかなりぞんざいな状態になっていますがご了承下さい。

実際には Hering の Free Blues をフル加工して気付いた事などをまとめて書いてみました。

基本的な使い方は以下になります。

 ・PUSTの先端をリードとスロットの間に置きます。リードの根元(リードが固定されている方)から始めましょう。
 ・PUSTの平らな面をリードの側面にあててガイドとして使います。
 ・最初は力加減が分からないと思いますので、軽くリードに沿わせながらPUSTをリードの先端方向にスライドさせていきます。
 ・先端付近はそれほどエンボスする必要がないので、段々と力を抜いていきましょう。
 ・気を付けないとPUSTが滑り、リードに乗っかり下に押し下げてしまいます。。。

ツールが滑ってしまうのはスパナの時でも経験済みだったので今回は、薄いプラスチック製フィルムの帯をスロットとリードの間に挟むようにしました。
ツールが滑ってもリードが下に沈まないのでリードを下に押し下げてしまう事故が少なくなります。

ただ、リード先端付近だけに帯を挟んでいるとリード中間でたわんでしまい、やはり滑ってしまいます。
可能であればツールとリードを押し上げる帯は一緒にスライド出来れば良いのですが。。。

と思ったら意外にも簡単な方法で解決しました。
その方法を紹介します。


リード根元付近まで帯を差し込んでおきます。
帯はツールよりも少し離れた所で軽く押さえるのがコツです。


ツールをリード先端方向にスライドさせていきます。


この時ツールが帯を押していくので、ツール先端付近には滑ってしまうようなたわみや隙間が無いのです。


先端付近まできました。
ここでツールをプレートから放します。。


あら不思議!
帯はプラスチックの弾性により「パシャッ」とほぼ元の位置に戻ってくれるのです!

ツール先端より少し離れた位置で帯を支えるのは適当に帯が変形してくれる遊びを持たせるためだったのです(エヘン)。

計算づくのように書いていますが、偶然気付いたのであります(すみません)。
気付いた時はチョッと(かなり)嬉しかったです(笑)。


Kinyaさんもおっしゃっていましたが、時々リードがスロットより短い時もあるので、このような使い方もできるのです。
少し細い帯えば長短どのリードにも適応できますね。

 

スロットの縁が綺麗な線を描いてエンボスされています。
写真では分かり難いかもしれませんが、とても面倒だった根元付近も均一に綺麗にエンボスできています。

正に「エンボスのプロ」のような仕上がりです!

しかも、音叉を使った時のようにリードのリカバリも不要ですので、一度リードの形を決めた後でも手軽に、簡単にエンボスができてしまうのです!

もぉー、これは凄いです。凄過ぎです(本気)!

森のなかまの「なんちゃってマガイもの」ツールでさえこれだけできるので本物のUSTはもっと素晴らしいのかと思います。

■リードを整形する
ついでなのでリードも整形します。

最近はバラした状態でリードを整形する時には道具は殆ど使いません。


爪とヘラ(リードをビーンと弾く)で済ませてしまいます。
予め付いているアーチを取るのが主になるので、裏側からヘラを入れてやさしく力を加えます。


時々リード中央が膨らんでいたりものがあるので曲がっている所を平らにしていきます。


時にはマニキュア用のウッドピックを使う程度でしょうか。
一カ所を強く押す事はせず、優しく全体を考慮しながら作業を進めましょう。

あとは仮組しながら仕上げの調整を行っていきます。

Free Bluesのような安価な10Holesでも、根元を確りとエンボスする事で Over Drawも楽々出せ、息詰りも無い調整ができました。

もちろん Over Bend 等使わないスタイルであれば、より大きな「あげみ」を確保しても息漏れの少ないレスポンスの良いセッティングを整える事が可能です。

■おわりに

久しぶりにハープカスタマイズの投稿でしたが如何でしたでしょうか。

USTの出現はハープカスタマイザーにとってこれまでに無いくらいの朗報です。
まさに、革命、イノベーションと言っても良いと思います。

作業の難易度を下げるばかりか、仕上がりも美しいのです。
美しい仕上がりは明確に体感できませんが、物事を良い方向へと導いてくれているはずです。

また、エンボスを必要な時に簡単、手軽に、しかも短時間で出来てしまう事も見逃せません。

もう「UST無しでハープカスタマイズはしたくない」と言いたくなる程です。

このような素晴らしいツールを発明、紹介して頂いた Dick Sjoebergさん、Kinya Pollardさんの両氏にこの場を借りてお礼を申し上げます。

ありがとうございます。

それでは、みなさんもUSTを入手して思う存分エンボスの効果をお楽しみ下さい。

それでは!

P.S.

ステンレス製のノギスの先端をUSTのように加工すると様々なリード幅であってもスロットの両側を一度にエンボスを施せるのではないかと考えていますが、案外思った程よろしくないのではないのかと妄想しています(笑)。。

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19 コメント

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Over Blow, Over Draw (森のなかま)
2020-02-25 21:50:20
C harpの#5 Blow(吹く)で F#を出すのをOver Blowといいます。Over Drawというものもあります。Draw Bend, Blow Bendとは異なる奏法です。

これらをキーワードに検索すると英語のサイトをみつけられますのでGoogle翻訳などを使って読んでみてください。

out of the boxはこの記事にも書いていますが。。。箱から出しただけの状態。何も調整をしていないというだけです。

森のなかまは今は吹ける環境がないのでほとんど吹いていません。なのでコツを教えるような立場にありませんし、そこはご自分で調べたりトライをして頂きたいと思います。

強いて言えば。。F#を出すのであれば、それがOverBlow, DrawBendであれ、はたまたF#のハープで#4を吹くときでも「F#を出す。正確なピッチのF#を出す」ことをイメージすることが大切だと思います。
返信する
Unknown (Itou)
2020-02-25 00:17:09
早速のお返事有難うございます
うーむ やってもらえませんか 残念です
5番穴を吹いてF#を出したいのですが  ブロウベンドですか?
なかなかコツが掴めません
イメージが全くわかないのです
何かいいコツとか サイトってご存知ですが
9、10のブロウベンドは出来るのですが  5番吹いてF#てなんか想像もつかないです
ホーナーは海外ではエンボス加工してるところあるようですね
すみません Out of the box ってなんでしょうか
質問ばかりですみませんです
返信する
すみません (森のなかま)
2020-02-22 22:52:12
こんばんは。itouさん。

すみません。加工請負はしていません。

最近買っていないのでわかりませんが10年くらい前に購入したHohner CrossOverとかはエンボスの必要がないくらいに感じました。こういった機種で自分好みのリードのアーチングを探す事も検討してみてください♪

Out of the boxでウーン?となるようでしたらアーチングと調律は覚えて損はないですよ♪
返信する
Unknown (Itou)
2020-02-22 15:01:10
突然失礼します
お願いするとエンボス加工していただけるのしょうか
ご返事お待ちします
返信する
ご安全に (森のなかま)
2011-05-24 22:57:51
それは良かったです。

一口に共鳴といっても体格等の違いから一概に「こうです」といえないので自分の音を聴きながら色々試すのが一番かと思います。

もし試された事がないようでしたらコップやマグ(ライトじゃないっす)を使ったワウをされてみると感慨深いものがあるかもしれません。

でも、もうFの6番をTBで安定してだせるとはかなりのもんですね。そこまでくればTB Blow Bendも、もうすぐかと思います。

その頃にはまた吹き方が変わって来ているかと思いますので、その時点でセッティングを考えてみてもよいかもしれませんね。ベースの和音が均等に反応するように等々。

横浜にくるまでは毎日が自転車通勤だったのですが、最近は殆どが徒歩です。

毎日190段の階段を上り降りするので来た当初は体重が4キロも減りました。

最近は色々とあるかと思いますのでチャリ中は程々に~。
返信する
ポンポコポン ポン (DARUMA)
2011-05-24 18:25:03
6番ベンドの件、
昨晩、仕事の帰り道、いつも通り、チャリンコに乗りながらハーモニカを吹いていたのですが、
突然、出来る様になりました。

口の中の空間を大きく取り、喉を拡げたストレート音が最も共鳴するポジションを探します。アゴや舌の位置をあれこれ動かすと響き方が変わります

上記の内容を意識しながら、あれやこれや試してみたのですが、喉のイメージを捨てて、上手く行かず、
試しに喉と鼻の穴を広げるイメージでやってみたのですが・・・、

びっくり、何のストレスも無く、安定し始めました。
私の場合、喉よりも、鼻だったようです。正確には鼻の穴、2つを縦に広げる様なイメージです。

あまりに、すんなり出来たので拍子抜けしました・・・。
調子に乗って、高音部のブロウベンドTB奏法でやってみたのですが、今迄全く出来なかったのが嘘の様に、音が変化しました。なんとも、不思議な感じでしたが、取り敢えず、感覚を忘れない様に、当分反復練習をやってみます。

それから、USTを用いてのエンボス加工の音色の変化の件ですが、仲間さんの考察を元に、GAPを下げてみたのですが、
こちらも、ぴっくりいい感じに音色が変わりました。

2点、貴重な助言を頂き、ありがとうございます。

ちなみに、昨晩はアルプス一万尺の心地よさに1人酔いしれながら、家路につきました。
返信する
ぽんぽこぽん (森のなかま)
2011-05-23 19:24:16
持論とか言いながら読み返してみると受け売りでした。
生意気な事をかいてどうもすみませんでした。

吹き方に関して(他も含めてですが)は戯言程度にとどめて頂けると助かります(笑)。

自分の場合、吸いベンドは5-6の立ち上がりと維持が難しく、特に高いキーで難しく感じましたので、Darumaさんと同じかなと思った次第です。

何処かの記事で見たのですが、低いキーで音を変化させるときは動きが大きく、高いキーは小さく緻密にコントロールする事が要求されるというのです。

なのでパッカーだと自然と舌を使ってコントロールしてしまいがちです。
だからパッカーは音が良くないという人達もいらっしゃいます。
でも、TBできちんと音を出せる技術を習得すれば、追加で微妙なコントロールをできるのはパッカーならではと考えています。

TBに限らず穴の移動と吹き吸い逆転、ベンドあり、なしが入れ替わるととたんに難しくなります。

パターン化して局所的に練習するのも効果的ですが、最終的には曲の中で行うのが良いかなと思うようになりました。

曲のなかだといきなり一音だけ立ち上がりが大きいと「変」と感じますし「こういう音で吹きたい」というイメージがあるからです。
イメージがあるとなしでは、モチベーションの違いは大きいのであります。

TB、パッカーの技術はお互い競いあっても狸のお腹が破れてしまわないのが良いところです。心躍る「たぬきばやし」はいつまでも続けられるんですよね(笑)。
#時間が両方に分散されるのでどちらかに完全スイッチするのも手だと思いますが、得られる事はかなりあるかと思います。クロマチックと10Holesを両方やってみる等。。
 
そうそう、たぬきばやしですが、これOBなしで色々なポジションで吹けるのでベースの練習に良いですね。
いつもはベースを入れる練習ではスザンナ、アルプス一万尺(突き詰めだすと難しいです)なのですが新しいバリエーションが増えました(笑)。

森のなかまも独学で模索中なのでこんないい加減な事しか書けなくて本当に申し訳ありません。

長々とした話にお付き合い頂きありがとうございました。

またよろしくお願いします。
返信する
救世主 (daruma)
2011-05-23 13:01:21
どうも、darumaです。

しょうもない、ツイートにまで、
コメントを頂き、
有り難うございます。

恐縮です。

エンボスの件ですが、
私の気のせいかも・・・?

と思いながら、呟いたんですが、
まあ、気のせいであっても、感覚的に感じたまま、
完全な独り言の一つでした。
拾って頂いて、分析迄して頂き、ありがとうございます。

仲間さんのアドバイスを元に、
早速、GAPをいじってみます。

TBのベンドの件ですが、
仰る通り、技術的な未熟さが最大の原因であると思われます。

私はここ十年来、パッカーでの奏法でやって来たんですが、
去年くらいから、YUKIさんのブログを読み進める内、
心機一転、TB奏法にて、基本から、再スタートを試みております。

とりあえす、地道にLOW keyでスケール練習、パッカーとTB奏法のチェンジ等、独学でやっている状況です。

現段階では、TB奏法での、ベンドはほぼ安定して来ましたが
KEY Fでの六番がいまいち安定せず、悩んでおります。

あのツイートより、コツコツと重点的に6番のベンドばかり
練習したかいがあって、単音でのベンドは安定しつつありますが、早いパッセージに組み込むと途端に不安定になってしまいます。

どうも、フレーズになると、気道の確保などの意識が散漫になり、舌先のベンドに戻ってしまうようです。

いかんせん、独学なので、試行錯誤ばかりですが、
TB奏法での、ブローベンド
オーバーブロウベンド、オーバードローベンド、
もろもろ、目の前に課題が山の様に積み上がっております。

カスタムとは別に、本来の練習をコツコツと続けますので、
また、助言などいただけましたら、幸いです。

ちなみに、最近ばショジョ寺の狸囃子(つ、つっ、月夜だ!みんな出て来い来い来い!)をこと有るごとにふいております。





あと、タングブロック(TB)で6番が安定しないのは、パッカーでベンドしてみて安定するようであればセッティングの問題ではないかと思います(TBを練習中との事でしたのでこれまではパッカー主体かと勝手に判断しました。ちがっていたらすみません)。

TBは舌先がコームについているため、舌先の使用にウエイトを置いたベンドでは安定しにくいのです。

また、高いキーは低いキーに比べ、より小さな動きでコントロールする事が要求されます。

このため、舌先にウェイトを置いたベンドではなく、Vocal Tract(声道)を共鳴させ、息の流れでコントロールする事が求められます。

教則本でおすすめなのは田中光栄さんの「初歩の初歩」ですが。。。森のなかまが最近思うところとしては。。

口の中の空間を大きく取り、喉を拡げたストレート音が最も共鳴するポジションを探します。アゴや舌の位置をあれこれ動かすと響き方が変わります。

この練習は低いキーを使うと効果的かと思われます。

もっとも響くと思われる状態で舌先を使わずにベンドが出来るようになるとTBでもパッカー同様、それ以上にリッチな音を出す事ができるかと思います(パッカーも良くなります)。

森のなかまはこのポジションを探すのに相当時間がかかりました。2-3年はあきらめずにやっています(笑)。もちろん現在も模索中です。
返信する
darumaさんへ (森のなかま)
2011-05-21 02:43:57
見ているかわかりませんが、Twitterやっていませんのでこちらに書いておきますね。

エンボスすると音が痩せるような気がされるとの事でしたが、私も同じような事を感じました。

2本しかやっていないので確証はないのですが、あげみを僅かに下げるとリッチに鳴り出すようです。

USTでしっかりとエンボスをつけるとスロット角が下に下がります。水平面でみると息漏れする隙間は少なくなるのですが、リードのエッジ直下に隙間ができるため、相対的にあげみが大きくなったのではないかと思われます。

これまでのエンボスはリードの根元付近を押し下げるため自動的に上げ身がさがっていたので、そのままでは適正では無いにしろサイドからのエア流入がなかったのではないかと思います。

本当にごく僅かですのでスロット面よりリードが陥没する事がない程度に試してみて頂けると幸いです。

「えーっ、じゃぁ、今までのやり方でよいじゃん」と思われるかもしれませんが。。。

・根元付近を確り処理できる。
・偶然のあげみではなく、希望するあげみをつけられる

これだけでもUSTを使う十分なメリットではないかと思います。

あと、タングブロック(TB)で6番が安定しないのは、パッカーでベンドしてみて安定するようであればセッティングの問題ではないかと思います(TBを練習中との事でしたのでこれまではパッカー主体かと勝手に判断しました。ちがっていたらすみません)。

TBは舌先がコームについているため、舌先の使用にウエイトを置いたベンドでは安定しにくいのです。

また、高いキーは低いキーに比べ、より小さな動きでコントロールする事が要求されます。

このため、舌先にウェイトを置いたベンドではなく、Vocal Tract(声道)を共鳴させ、息の流れでコントロールする事が求められます。

教則本でおすすめなのは田中光栄さんの「初歩の初歩」ですが。。。森のなかまが最近思うところとしては。。

口の中の空間を大きく取り、喉を拡げたストレート音が最も共鳴するポジションを探します。アゴや舌の位置をあれこれ動かすと響き方が変わります。

この練習は低いキーを使うと効果的かと思われます。

もっとも響くと思われる状態で舌先を使わずにベンドが出来るようになるとTBでもパッカー同様、それ以上にリッチな音を出す事ができるかと思います(パッカーも良くなります)。

森のなかまはこのポジションを探すのに相当時間がかかりました。2-3年はあきらめずにやっています(笑)。もちろん現在も模索中です。

Joe FillskoさんのI.C.Special(iTunes Store)の"Busy man"のソロは生音でもビリビリと割れるような音がします。

Grawlと呼ばれる奏法だと思うのです、吸いながら喉のおくをならすのですが、共鳴するポイントでないと思うようにかかってくれません。スロートビブラートのかかり具合もかなり変わります。

直ぐにできるものではありませんが、始めない事にはできません。

ゆっくりと音を聴きながら2、3ヶ月やっていると段々と変わってきます。

もし吹き方を換えてみて調整したハープで息詰りするようでしたら、あげみをあげるか、調整していない市販状態のままで練習してみる事もお奨めします。

ながながと持論ばかりで申し訳ありません。
返信する
こちらこそ♪ (森のなかま)
2011-05-12 23:51:36
ネットという強い味方がありますので好きな事はつい調べてしまいます。

興味のあるキーワードで画像検索などしていると想像もしなかったような方面で有益な情報を見つける事もできますよ。

世の中色々な事を試されている方が多く、つい楽しくて読んでしまいます。

もし何かのお役に立てれば幸いです。

演奏して楽しく、愛でてもなお楽しい小さい楽器つながりということで、よろしければ、また遊びにいらして下さい。
返信する
なるほど、リコーダー♪(´ε` )ですか! (Daruma)
2011-05-12 18:54:41
たびたびのコメント、申し訳ありません。

カスタムハーモニカ然り、ツール、海外のサイト情報、油の事までも…。

この小さな楽器から広がる、大きな世界には、今更ながら、驚きます。

さっそく、リコーダー関係の情報、検索してみます。
返信する
ニヤリ、タラリ(油笑) (森のなかま)
2011-05-12 00:17:58
画像みさせて頂きました。USTとレンチすばらし出来ですね。誂えのようで私のが恥ずかしくなって来てしまいます。。

ライトボックスも魅せて頂きました。キラキラ~ん♪
Kinyaさんもライトボックスの使用を奨めていましたよね。

私は昼間に作業をすることが多いのでエンボスの具合はプリンキング時の音や、仮組してチェックしてしまいます。

時々、自然光や蛍光灯で透かしてみるのですが、ちょい先に紹介しようと思っている灯具に当ててみた所なかなか良さそうでした。

夜の作業が多いDarumaさんにはライトボックスは必須のアイテムですよね。私も今度使っていみたいと思います。

油ですが。。既に沼に浸かられているかと思いますが。。

昔「リコーダー リンシードオイル」等で楽器への使用例を探しました。
更に画材関連で探してみるとサンバースト等のキーワードが得られ奥深さを感じます(笑)。。

ハープでも愛用者が多いようで硬化による表面保護、浸透させてひび割れ防止等目的や好みで使い分けられているようですね。

ただ水を差すわけではないのですが。。
コーム内部や、リードプレートと接触する箇所については外装(コームのコバ)に適応した時とは使用環境が異なるため長期間の使用では変質する可能性もありますので注意が必要かもしれません。

などと言いながら昔は、硬化目的でガラスケイ素系のブリス等を内部に使っていた事もありますが、身体への影響は不明です。。結構ヤングマンな事をしていました(笑)。。

なので、最近はSuzukiのPure Harpのメンテナンスでたまーにアーモンドオイル(硬化しない)をウエスにとって薄ーく擦り込む程度にしか使用しなくなってしまいました。
サラダボールのメンテナンスと同じレベルです。

あっ、アーモンドオイルはオリーブ油よりもあっさりしていてサラダやパスタに使っても美味しいですよ(笑)。

でも。。やっぱり磨いた時の美しさはオイルフィニッシュが。。。

と、いつもどうどう巡りしてしまいます。

また宜しくおねがいします。
返信する
Twitter名はkarasumikov (daruma )
2011-05-11 01:29:27
どうも、こんばんはです。
やはり、『十穴工房』さんご存知でしたか

しかも、乾性油にも、お詳しいようですね

実は、私も少し前から、油の事を調べまくっており、荏胡麻、菜種、桐、胡桃…。
知り合いのギタリストからサラミの油が最高との情報を得て、近々、塗装のテストを予定しております。

実は、自作のカスタム工具、コームの画像等、わずかですか、Twitter上では、すでにいくつかあげております。

エンボスツール、monjya、
自作リードレンチ、LEDライトBOX等、
ツイートなので、雑多で走り書きの様な内容ですが、もし、画像をご覧になられたら思わず、ニヤリとして頂けるのではないでしょうか?



返信する
ありがとうございます (森のなかま)
2011-05-11 00:18:48
『十穴工房』さんは以前拝見した事がありあます。素敵なハープが沢山あって、多くの方が使われているようですね。
コームだけではなくリードもセッティングセッティングして頂けるそうなので、自分で遠回りするくらいなら利用するのも手ですよね。

http://blog.goo.ne.jp/10koubou

USTを使ってもストイックな作業に違いないのですが(笑)、やはり出来上がりが段違いに良いですね(見た目だけではなく)。

私も40本以上は旧式でやってしまっていますが、おいおい吹きながら修正していきたいと思います。
だってUSTだったら後付けで出来ますので。。

コーム作成ですが、ノコとノミでいかれましたか。
本数が少なければそれでいけてしまうのですね。

肉抜きの無いソリッドなボディが基本的に好きですが、コンポジットでウェイトをいれたり、インシュレータのように液体や砂を詰めたらどうなのだろうと妄想が駆け巡ります。。

darumaさんはジグソーもお持ちですから思いのままですね。素晴らしい!

木製オイルフィニッシュはそれだけで味わいがありますよね。
くるみ、えごま、などなど。
一時期ブラウザのお気に入りに「油」というフォルダを作っていました(笑)。

小さい楽器ですが、注いだ愛情に応じて反応(良くも悪くも)を魅せてくれるので興味がつきません。

丁寧な長文で貴重なお話聞かせて頂きありがとうございました。

もし宜しければ、WEBに公開された時に教えて頂ければ幸いです。

それでは!
返信する
報告 (daruma(karasumikov))
2011-05-10 10:53:58
自作エンボスツール
monjya、完成しました。

すかさず、手持ちのMARINE BANDの1~4番を
エンボス加工してみました。

まだ、慣れてないないとは言え、
非常に使いやすいです。

仰る通り、革命的なツールですね。

スロットのテーパーのつき方が非常に
美しいので満足感で一杯です。

こちらのサイトの情報を元に
音叉、レンチ等を用いて
エンボス加工をやっておりましたが、
音叉、レンチともに加工中の手元が見えづらく
力加減がほぼ勘に頼るような作業になり、
正直、不確かな作業に不満がありました。

リカバリーに手間取ったり、
かなり、ストイックな作業に辟易する事も多く・・・。
日々、悶々と過ごしておりました。


MONJYAにてエンボス加工後、
早速、試しに吹いてみましたが、
従来の方法に比べて、エンボス加工後の
リードプレート、リード、コーム、ボディの一体感が
増すような気がします。

リードプレード、リードのみの鳴りではなく、
鳴らす穴以外、ハーモニカ全体でなるような感覚。

一つの穴のレスポンスの向上に一喜一憂していた頃とは
まったく、別次元での楽器としての感度の向上に
驚くばかりです。

手持ちのハーモニカ、全てエンボス加工やり直さなくては!


話変わりますが、
自作コームはまだ、始めたばかりで手探りの状態では
ありますが、失敗作を含めて、
3つ程製作しました、
すべて、MARINE BANDのクラシックモデルのコームです。
木材は楓、桧を使用しております。

溝の加工は、切り出した木材に当たりをつけて、
模型用のノコギリでチクチクと筋目をいれ、根元は
巾のひろいマイナスドライバーを砥石で研いで、
3ミリ巾のノミの用な物を使用して、
切り落とし、最終、ヤスリ等で成型する。
と言った流れです。

仕上げに、乾性油を塗り、穴明け、組み込みで完成です。
まだ、まだ、試行錯誤の途中ですが、
市販のコームでの音色とは別の少しハスキーな音色に
我ながら、満足しております。

先日、電動ジクソーでの切り出し加工もやって見ましたが、
作業のスピードが早くて、あっという間に5つ程、出来上がりました。随時、仕上げる予定です。

試作の1号機ですが、オイルフィニッシュで塗装を仕上げて
あるので、コーム自体が呼吸するせいか音色が少しづつ変化して、大変興味深いです。

既に、ご存知かもしれませんが、大阪の『十穴工房』という
カスタムハーモニカの工房のサイトを参考にして作業をしております。画像メインですが、興味深い情報が沢山あります。

雑な文章で申し訳有りませんが、
報告致しました。

誠に勝手では有りますが、カスタムハーモニカ技術の
バイブルとして、このサイトを応援しておりますので、
今後とも、宜しくお願い致します。

機会があれば、自作工具、ハーモニカ画像等、
WEB上にUP致しますので、ご覧下さい。




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それはうらやましい! (森のなかま)
2011-05-10 00:07:21
DARUMAさん、お久しぶりです。

凄い時間に製作に取りかかりましたね(笑)。。

サンダーやグラインダーがあればリュータなんかみたいに滑らないし文字通りザクザク進みそうです。

わたしも、フライパン返しを5分ぐらい手に握ったまま立ちつくしながら「いでよ、もんじゃのコテ」などと呟いてはみたものの、なかったのでレンチにしました。
あの台形の角度が「そそる」んですよね(笑)。

USTはホントに素晴らしいです。

エンボスする誰もが「こんなものがあれば」とモヤモヤ想像していたのを実際の形にしてくれたDick Sjoebergさんに感謝、感謝であります。
きっと、仕上がりの良さと施行の簡単さに驚き呆れるかと思いますよ♪

もうエンボスは特殊な秘術ではありませーん。

コームの自作もなさっているのですか。スバラシイ~
カットは何でなさっているのですか?

電動ジグソーがあればいけるかなと思いつつも工具の置き場と音から諦めてしまっています。素材を選べる楽しみ(悩み?)なんてウラヤマシイであります。

こんなサイトですがまた遊びに来て下さい。
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どうも!ご無沙汰しております。 (DARUMA(karasumikov))
2011-05-09 02:08:10
いつも、勝手にお世話になっております。
またまた、有益な情報U+203C
ありがとうございます。

早速、自作工具の製作にかかります。
実は、偶然ですが、今回、紹介されている、USTと似たようなアイデアが、ふと頭に浮かび先週末、100均でもんじゃ焼きのコテを購入し製作中でした…。
夜中ですが、サンダーで作業がしたい…。
64°U+203C

話変わりますが、近頃、コームまで自作しております。
桧、楓、桜、木材の種類よって、音色が変化し、リードのカスタム作業とは別の奥深い世界に足を…。



やってみると、すんなりと仕上がり
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お久しぶり~ (森のなかま)
2011-05-08 00:46:03
便利も便利。というより革命です(マジ)!!

思うように出来なかった根元も思いのままにエンボスをつけられるし、一度沈めてしまった根元はプリンキングしても数日安定しなかったのがアッサリと簡単にできちゃうんです。しかもキレイ。。
もう、これなしではエンボスする気はしないです。

もしUSTを自作されるようでしたら、リードとスロットに当たるところだけは鏡面になるまで磨くことを強くお奨めします。

ベースのツールはたまたまレンチが頭に浮かんだだけなので、素材と加工ができれば奇抜なものでも良いかもしれません。

そうそう、リードレンチが一緒だと便利そうですよね。

残念ながら100均のにはどのメーカーも一致しなかったんです。
どのみち、Hohner,Hering,Tomboと各社違うので別ツールでいいやと。。

ただ4mmのレンチもあったのでHeringのM2ナットが押さえられるのですが、少しでもアゴの厚さを稼ぎたかったので4mmのは使いませんでした(負け惜しみです。今なら4mmを加工しますよ)。

ヨーグルトの蓋ですか。考えましたね(笑)。

0.05mmのシックネスゲージは大抵のゲージセットに入っていると思います。
ホームセンタで500円くらいでしょうか。

厚いゲージはあまり使わないので、それをベースにリードレンチやReed Lifterを作成すると良いかもしれませんよ。

道具を作って週末が終わってしまいそうですが後々を大活躍すると思いますので、楽しんで下さーい。
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Unknown (セミブラック)
2011-05-07 23:21:21
こんばんは。お久しぶりです。

Kinyaさんのページをみて面白そうなツールだなぁ~と思っていましたが、
かなりの便利ツールのようですね!

ちょっと100均へ行って作ってみたくなりましたww
スパナの部分でリードの傾きを直せたりするとさらに便利そうです~w

あと、0.05mmの隙間ゲージが欲しいです・・・
(最近はヨーグルトのアルミのふたが大活躍してますが~)
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