徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

味覚センサー(味認識装置)による味の分析

2013年12月18日 06時43分59秒 | 小児科診療
 味覚センサー(味認識装置)という分析器があります。
 人間の舌の機能を器械に置き換えコンピュータで解析し、味を数値化・デジタル化できる優れもの。
 日本人(九州大学の都甲潔先生が中心)により開発されました。

※ 「プリンと醤油でウニの味がする?!味覚センサーで味の世界に科学のメスを入れる
※ 「味をデジタル化する「味覚センサ」の開発に成功
※ 「人の舌を超えた味覚センサー

 この器械を使って、様々な食品が分析され、品質管理にとどまらず「味わい」や「おいしさ」が評価されるようになっています;

日経トレンディ:味香り戦略研究所・カンシンタロウの「『食』トレンドをカガクする」より

■ 牛丼屋のカレー テイストマップ



■ 缶コーヒー ブラック



■ ビール
□ ビールテイスト飲料


□ クラフトビール(地ビール)


■ コンビニおでん





■ めんつゆ



■ 冷やし中華



「雑味」の少ない米ランキング(味覚タイムズ)
 お米にとっては「雑味」となる酸味や苦味がもっとも少ないのは長崎県産の「にこまる」でした。
 ちなみにベストテンは・・・
① 長崎(県南)にこまる
② 山形(全県)つや姫
③ 北海道(全道)ゆめぴりか
④ 山形(全県)ひとめぼれ
⑤ 宮城(県北)ひとめぼれ
⑥ 福島(中通り)ひとめぼれ
⑦ 長野(北信)コシヒカリ
⑧ 新潟(魚沼)コシヒカリ
⑨ 岩手(県南)ひとめぼれ
⑩ 山形(全県)コシヒカリ

以上のようなわかりやすいデータだけでなく、学術論文レベルの報告もたくさんあります;
■ 「味覚センサーを用いた味噌の発酵状態の評価
■ 「味覚センサーを用いたみそ,しょうゆの評価」(戸井田仁一、日本醸造協会誌:107巻7号p. 485-490)
■ 「味覚センサ技術による食品の「おいしさ」管理技術の開発

さて、私の興味は「薬の苦味の評価」と「苦味マスキング効果の評価」です。
日常診療で漢方薬を処方していますが、漢方薬の苦い味がハードルになってなかなか子どもは飲んでくれません。
スタッフで味見/試飲をして表を作りアドバイスしていますが、実はその過程で各スタッフの評価に結構ばらつきがあることが気になっていました。
味センサーの評価を基準とし、いろいろな食材と混ぜてその苦味がどうなるのか、数字で見ることができたらいいな、とつくづく思います。
誰かやってくれないかなあ・・・。
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