徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

市販かぜ薬の副作用で15人死亡

2015年04月08日 21時17分58秒 | 小児科診療
 市販かぜ薬の副作用が報道されました。

■ 市販薬で重い副作用も 注意を
(NHK:2015年4月8日)
 市販薬のインターネット販売が解禁され、薬が簡単に購入できるようになるなか、かぜ薬や痛み止めなどの市販薬でも、まれに重い副作用が起きるケースがあるとして、消費者庁は、異常を感じたら、すぐに医師に相談することなど注意を呼びかけました。
 劇薬などを除くすべての市販薬は、去年6月、インターネットでの販売が解禁されましたが、消費者庁によりますと、こうした市販薬で副作用が起きたケースは、去年3月までの5年間に1225件報告されていて、このうち15人が死亡し、後遺症が残ったケースも15件あったということです。
 副作用の報告のうち症状が重いのは、スティーブンス・ジョンソン症候群と呼ばれる高熱が出て皮膚が赤くなり視力が低下するものや、だるさや吐き気が続いて肝障害に至るケースなどです。
 いずれもかぜ薬や解熱剤、痛み止めなど、市販されている医薬品を飲むことで起きているということで、対処や治療が早いほど重症化を防ぐことができるということです。
 このため消費者庁は、医薬品を利用して異常を感じたらすぐに服用をやめて医師に相談することや、医薬品を購入するときはアレルギーや持病などについて薬剤師とよく相談するよう注意を呼びかけました。
 また、医薬品を販売する事業者の業界団体に対しては、こうした副作用について消費者に啓発を行うよう要請しました。
 記者会見した消費者庁の板東久美子長官は「市販薬でも重い副作用が出るおそれのあることを知らない人が多いので、十分に注意してほしい」と話しました。


 当然ですが、「薬」と名のつくものにはすべて「副作用」がつきものです。
 抗生物質などの副作用を気にする患者さんは時々いらっしゃいますが、かぜ薬の副作用を心配する方はまれです。
 あまりに副作用を心配する方には「かぜ薬の添付文書を読むと、その副作用の項目にも同じようなことが書いてありますよ」とコメントすると、患者さんは複雑な表情をされますね。

 予防接種のワクチンであれば、何百万回接種のうち1人でも死亡例が出ると販売中止となりますが、市販かぜ薬は販売が続いていることに違和感を感じる私です。
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