NHKニュースより;
■ インフル新治療薬 条件付きで承認へ
(2014年2月4日:NHK)
インフルエンザウイルスの増殖を新しいメカニズムで抑える治療薬について、厚生労働省は近く承認する方針を決めました。
しかし、重い副作用を引き起こす危険性が高いことなどから、新型インフルエンザが発生し、今ある薬がすべて効かない場合に限って使うとしています。
このインフルエンザの治療薬は、東京に本社がある製薬会社「富山化学」が開発した「アビガン」と呼ばれるもので、3日に開かれた厚生労働省の部会で近く承認する方針が決まりました。
タミフルやリレンザなどのインフルエンザ治療薬は、細胞で複製されたウイルスを細胞内に閉じ込めて増殖を防ぎますが、この治療薬は細胞の中でウイルスが複製されること自体を防ぐということです。しかし、妊娠中の女性などが服用すると胎児に重い副作用を引き起こす危険性が高いことなどから、3日の部会では使用について条件が付けられました。
具体的には、安全性を確認するため引き続き臨床試験を行うことや、妊娠中の女性などに処方しないことを徹底するとし、そのうえで新型インフルエンザが発生し、今ある治療薬がすべて効かない場合に限って使うとしています。
厚生労働省は来月にもこの治療薬を正式に承認する方針で、適切な使用方法や条件についてさらに検討することにしています。
副作用に過敏な日本人ですから、死亡率が高い新型インフルエンザでなければ使用されないでしょうね。
さて、インフルエンザ関連の話題追加を。
先日扱った「尾木ママによる点滴治療もあるわよCM」問題を日刊ゲンダイが取りあげていました;
■ CMで大宣伝 インフル治療「点滴薬」はホントに効くのか
(2014年1月16日:日刊ゲンダイ)
「インフルエンザ治療には点滴薬もあります」
尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏が出演しているシオノギ製薬のCMに対し、医療関係者の間から疑問の声が上がっている。「間違いだらけ」というのだ。
このCMは、子供を抱える母親たちと尾木ママがカフェでお茶を飲みながらインフルエンザについて意見を交換。「早く病院に行くのが大事」「早く熱を下げてあげたい」「どんな薬があるの?」と言う母親たちに、尾木ママが「点滴薬もあるのよ」とオススメする内容だ。
このCMを見ると、インフルエンザの早期治療には点滴薬が効果的なように思えるが、現場の医師から「問題だらけだ」といった批判が相次いでいるのだ。
医薬品の評価監視研究機関「NPO法人医薬ビジランスセンター」理事長で、内科医の浜六郎氏は言う。
「点滴で使われるラピアクタは、飲み薬のタミフル、吸入のリレンザ、イナビルなどと同じ種類の薬剤です。抗ウイルス剤といわれますが、インフルエンザウイルスを死滅させてウイルスの数を減らしているわけではなく、用いた人の免疫を抑制して発熱などの症状を軽くみせているだけにすぎないのです。つまり、点滴しても早く完治するわけではありません」
抗インフルエンザ剤を投与しても、症状の持続期間が1日たらず短縮されるだけだといわれる。それなのに、点滴を早く打つべきだとのイメージを与えるCMが流されている。医師たちが反発するのも無理はない。
都内のある内科医もこう憤る。
「抗インフルエンザ剤を投与しても、重症化率や死亡率が低下するわけではありません。そもそも健康な人がインフルエンザに感染しても、もともとの免疫力で自然に治るケースがほとんどです。重症化しやすい65歳以上の高齢者や妊婦、慢性疾病がある人への効果も不明です。患者なら誰でも抗インフルエンザ剤を投与する必要はありません。それなのに、症状が軽かったり、重症化リスクの低い患者がCMを見て病院に殺到するようなことになれば、周囲への感染を拡大させてしまう危険が大きくなるのです」
しかも、抗インフルエンザ剤はかねて副作用の危険が指摘されている。幻覚あたりで済めばまだマシで、最悪の場合は脳の中枢の働きが抑制されて呼吸が止まり、突然死する危険もあるという。
「抗インフルエンザ剤を用いると、インフルエンザに対する抗体が5分の1しかつくられなくなるため、再感染しやすくなることを警告している報告があります。また、免疫を抑制するので、他のウイルス疾患にかかりやすくなり、後から肺炎になるケースもあります。点滴はもちろん、吸入でもイナビルは作用が続くので、副作用のリスクも大きくなるといえます」(浜氏=前出)
もともと健康な人にインフルエンザの薬は本当に必要なのか。
浜六郎さんという方は薬の副作用に注目して喧伝するちょっと偏った存在(まあこういう視点も必要です)ですが・・・さすがに週刊誌は不安を煽るのがうまいですね。
■ インフル新治療薬 条件付きで承認へ
(2014年2月4日:NHK)
インフルエンザウイルスの増殖を新しいメカニズムで抑える治療薬について、厚生労働省は近く承認する方針を決めました。
しかし、重い副作用を引き起こす危険性が高いことなどから、新型インフルエンザが発生し、今ある薬がすべて効かない場合に限って使うとしています。
このインフルエンザの治療薬は、東京に本社がある製薬会社「富山化学」が開発した「アビガン」と呼ばれるもので、3日に開かれた厚生労働省の部会で近く承認する方針が決まりました。
タミフルやリレンザなどのインフルエンザ治療薬は、細胞で複製されたウイルスを細胞内に閉じ込めて増殖を防ぎますが、この治療薬は細胞の中でウイルスが複製されること自体を防ぐということです。しかし、妊娠中の女性などが服用すると胎児に重い副作用を引き起こす危険性が高いことなどから、3日の部会では使用について条件が付けられました。
具体的には、安全性を確認するため引き続き臨床試験を行うことや、妊娠中の女性などに処方しないことを徹底するとし、そのうえで新型インフルエンザが発生し、今ある治療薬がすべて効かない場合に限って使うとしています。
厚生労働省は来月にもこの治療薬を正式に承認する方針で、適切な使用方法や条件についてさらに検討することにしています。
副作用に過敏な日本人ですから、死亡率が高い新型インフルエンザでなければ使用されないでしょうね。
さて、インフルエンザ関連の話題追加を。
先日扱った「尾木ママによる点滴治療もあるわよCM」問題を日刊ゲンダイが取りあげていました;
■ CMで大宣伝 インフル治療「点滴薬」はホントに効くのか
(2014年1月16日:日刊ゲンダイ)
「インフルエンザ治療には点滴薬もあります」
尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏が出演しているシオノギ製薬のCMに対し、医療関係者の間から疑問の声が上がっている。「間違いだらけ」というのだ。
このCMは、子供を抱える母親たちと尾木ママがカフェでお茶を飲みながらインフルエンザについて意見を交換。「早く病院に行くのが大事」「早く熱を下げてあげたい」「どんな薬があるの?」と言う母親たちに、尾木ママが「点滴薬もあるのよ」とオススメする内容だ。
このCMを見ると、インフルエンザの早期治療には点滴薬が効果的なように思えるが、現場の医師から「問題だらけだ」といった批判が相次いでいるのだ。
医薬品の評価監視研究機関「NPO法人医薬ビジランスセンター」理事長で、内科医の浜六郎氏は言う。
「点滴で使われるラピアクタは、飲み薬のタミフル、吸入のリレンザ、イナビルなどと同じ種類の薬剤です。抗ウイルス剤といわれますが、インフルエンザウイルスを死滅させてウイルスの数を減らしているわけではなく、用いた人の免疫を抑制して発熱などの症状を軽くみせているだけにすぎないのです。つまり、点滴しても早く完治するわけではありません」
抗インフルエンザ剤を投与しても、症状の持続期間が1日たらず短縮されるだけだといわれる。それなのに、点滴を早く打つべきだとのイメージを与えるCMが流されている。医師たちが反発するのも無理はない。
都内のある内科医もこう憤る。
「抗インフルエンザ剤を投与しても、重症化率や死亡率が低下するわけではありません。そもそも健康な人がインフルエンザに感染しても、もともとの免疫力で自然に治るケースがほとんどです。重症化しやすい65歳以上の高齢者や妊婦、慢性疾病がある人への効果も不明です。患者なら誰でも抗インフルエンザ剤を投与する必要はありません。それなのに、症状が軽かったり、重症化リスクの低い患者がCMを見て病院に殺到するようなことになれば、周囲への感染を拡大させてしまう危険が大きくなるのです」
しかも、抗インフルエンザ剤はかねて副作用の危険が指摘されている。幻覚あたりで済めばまだマシで、最悪の場合は脳の中枢の働きが抑制されて呼吸が止まり、突然死する危険もあるという。
「抗インフルエンザ剤を用いると、インフルエンザに対する抗体が5分の1しかつくられなくなるため、再感染しやすくなることを警告している報告があります。また、免疫を抑制するので、他のウイルス疾患にかかりやすくなり、後から肺炎になるケースもあります。点滴はもちろん、吸入でもイナビルは作用が続くので、副作用のリスクも大きくなるといえます」(浜氏=前出)
もともと健康な人にインフルエンザの薬は本当に必要なのか。
浜六郎さんという方は薬の副作用に注目して喧伝するちょっと偏った存在(まあこういう視点も必要です)ですが・・・さすがに週刊誌は不安を煽るのがうまいですね。