半谷範一の「オレは大したことない奴」日記

B級自動車ライターのカオスな日常

火縄銃の手入れ方法は?

2009-04-08 21:31:16 | 前装銃射撃、古式銃
また射撃の練習に行きました。今日撃ったのは火縄短筒。8月の環太平洋選手権を目指して、しばらく前装銃に専念します。




今日は前半25発がこのくらい。




後半25発がこのくらい。もちろんいつもと同じ25mの片手撃ち (黒点の直径20Cm) です。
何だか “三歩進んで、二歩下がる~♪” っていう感じですね。しかし、技術というのは上下しながら少しづつ向上してゆくもの。もうその日の点数を見て一喜一憂することはなくなりました。



ちなみに本日のデータは下記の通り。

Bullet  .408” RB
Powder  FFFg 12.5Grs.
Patch  OX-YOKE DRY-UNLUBED .40-49CAL 0,018TH
Lube  マジックリン



このままではいつもと同じで面白くないでしょうから、今日はオマケで私の前装銃の手入れ方法を紹介することにしましょう。

① まず最初に、バレルとストックを分離し、ブリーチ・プラグ (尾栓) を外します。銃によっては焼き付いたり、滓がネジ山に詰まったりして固着していることもありますが、この銃の場合、一日50発撃っても簡単に外れます。






② 私はバレルをお湯で洗います。黒色火薬の残宰は水溶性なので、必ず水、お湯、中性洗剤または黒色火薬専用のソルベントで洗ってください。無煙火薬用のソルベントは使ってはいけません。






③ その後で熱湯をかけます。熱湯の熱でバレルが加熱され、水分が蒸発してくれるからです。バレルに触るときには、火傷に注意しましょう。




④ 薄めた中性洗剤や、黒色火薬専用のソルベント等を浸したパッチをバレルに通して清掃します。私は銃によって、アメリカ製の黒色火薬専用ソルベント (T/C No13) と普通のマジックリンを使い分けています。





⑤ コットンのパッチでバレル内の水分を拭き取ります。



⑥ 最後にネルのパッチに防錆オイルを染み込ませて、バレルに通します。



⑦ バレルの外側にも薄く防錆オイルを塗ります。私はWD40かBCのシース (BIRCHWOOD CASEY Sheath) を使っています。効能で錆落としの効果を大きく謳っているタイプの商品の使用はお薦めしません。CRC系の商品を使用するときは、5-56ではなく3-36を使用して下さい。



後は再度組み立てるだけ。私の銃では必要ありませんが、射撃後にブリーチプラグが外れにくい銃の場合には、固着防止用テープを巻いて (ただし、先端の二山分には巻かない) から組み立てるようにしましょう。固着防止用テープは前装銃専用品も販売されていますが、水道工事用のシールテープで十分です。それでも固着するときには、専用の固着防止用グリースを併用しましょう。 

私自身、 “前装銃はお湯で洗う” という事実を知ったときにはかなり驚きました。しかし、後の処理さえちゃんとしていれば、別にそれが理由で錆びたりすることはありません。この画像の短筒は既に7年、4000発以上使用していますが、銃身の内部は良い状態を保っています。命中精度に関しては、いずれちゃんとテストして紹介いたしますのでお楽しみに。
コメント
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