私、以前から思ってたんですよ。日本でも前装銃でベンチレスト射撃競技をやってみたら面白いんじゃないかってね。ベンチレスト射撃なら狭間筒みたいに普通に構えられないような長い銃だって使えますし、身体的に立射や膝射で撃つのがきつくなってきたという方でも対等に競技できるでしょう。
火縄銃の命中精度に関しては、色々な方が好き勝手なことをいっているというのが実情なんで、競技での公式な記録として残した方が後々のためにも役に立つのでは?という気もしています。
これは先日、NRAの銃器博物館でみたパーカッション・ライフルの画像です。何だか妙に銃身の太い奴が混ざっているなぁと思ったら……
……おっ、やっぱりベンチレスト射撃用の競技銃ですよ。日本ではほとんど知られていませんが、この当時にはすで専用の銃が沢山作られていたんですよ。
この本、 『THE MUZZLL-LOADING CAP LOCK RIFLE』 (Ned H. Robert著) は、かつて前装銃射撃のバイブルと呼ばれていた本の中の一冊です。内容は銃身の製法、ライフリングの種類や切り方から、弾頭やパッチ (もちろんクロスパッチもでてきますよ) にいたるまで多岐にわたっており、前装銃で極限の命中精度を追求するためにはどうすればよいのか、今でもヒントとなるようなことを沢山見つけることができます。
この本に出てくる前装銃を使用したベンチレスト射撃、1000ヤード射撃などのグルーピングを見ると、前装銃の精度というのは一般に考えられているより遥かに高いということが良く分かることでしょう。
この本、初版は1940年で、私が所有しているのは1991年に Wolfe Publishing によって復刻されたもの。その後、また絶版になっていましたが、2009年に Stackpole Books によって再度復刻されているので、現在でもまだ手に入るはずです。
実は私自身、前装銃射撃を始めたときにベンチレスト射撃による精度のチェックをしてみました。さらにその後、弾速測定器 (OEHLER=エーラーのモデル35P。素人用のオモチャみたいな奴じゃありませんよ) を手に入れたときには、火薬量やパッチの種類 (または有無) による弾速やグルーピングの変化なども一通りテストしてみました。
銃身精度が知りたくて、銃身だけを万力で固定し、リューポルドの36×のターゲットスコープを装着してテストしてみたこともあるんですよ。そのときの結果はまだ残してあるので、いずれ時期が来たら公表しようと思っています。でも、 “あれ” を見ちゃったら、皆さん唖然とするだろうなぁ……。