第3問
さまざまな時代に造られた建築や建造物のなかには、現在、世界の観光資源として非常に重要なものがある。しかもそれらは、それらを擁する国家や都市の歴史の雄弁な証言者となっている。この点をふまえて、以下の質問に答えなさい。解答は、解答欄(ハ)を用い、設問ごとに行を改め、冒頭に(1)~(10)の番号を付して記しなさい。
問(1) アテネの軍事上の拠点であったアクロポリスには、紀元前5世紀、ペリクレスの命でポリスの守護神であるアテナ女神を記るパルテノン神殿が建てられた。この神殿の建築様式は何か、様式名を記しなさい。
問(2) 8世紀ごろの東南アジアにおいて仏教が盛んだったことを示す遺跡として、ボロブドゥール寺院があげられる。ボロブドゥール寺院がある場所はどこか、今日の島名を記しなさい。
問(3) 前近代のヨーロッパでは時代ごとにある特定の建築様式がほぼ全域にわたって広まった。人里離れた修道院によく見られる、小さな窓、重厚な壁、高度の象徴性を特徴とする建築を何様式と呼ぶか、様式名を記しなさい。
問(4) アンデス山中に威容を誇るマチュピチュはインカ帝国を代表する遺跡だが、この帝国は16世紀にスペイン人征服者ピサロによって滅ぼされた。征服が行われたとき、スペインを統治していた国王の名前を記しなさい。
問(5) 明と清の宮殿だった紫禁城は、今日では故宮博物院として参観客に開放されている。明ははじめ金陵(南京)を都としていたが、1421年に北京に遷都した。このときの皇帝は誰か、名前を記しなさい。
問(6) グラナダにあるアルハンブラ宮殿はイベリア半島最後のイスラーム王朝の時代に建設された。1492年、スペイン王国によって攻略されたこの王朝名を記しなさい。
問(7) ヴェルサイユ宮殿は絶対王政期の国王の権威を象徴する豪華絢爛な宮殿である。18世紀にプロイセンのフリードリヒ大王がヴェルサイユ宮殿を模倣してポツダムに造らせた宮殿の名称を記しなさい。
問(8) アフリカ南部にあるジンバブエ共和国の国名はそこに残る石造建築物に由来しているが、以前には、イギリス人の名前にちなんだ国名だった。19世紀末にケープ植民地首相を務めたそのイギリス人の名前を記しなさい。
問(9) 広島の原爆ドームは核兵器の惨禍という記憶を留めるための重要な史跡である。広島への原爆投下の前月、米・英・ソの三国会談に参加し、その後に原爆投下を指示したアメリカ合衆国大統領の名前を記しなさい。
問(10) 1973年チリでピノチェト将軍によるクーデタがおき、かつて造幣所だったため「モネダ(貨幣)宮」と呼ばれていた大統領府が攻撃されて、社会主義政権を率いていた大統領が死亡した。この大統領の名前を記しなさい。
第3問
1 ドーリア式 2 ジャワ(島) 3 ロマネスク(様式) 4 カルロス1世 5 永楽帝 6 ナスル朝 7 サンスーシ(宮殿) 8 セシル=ローズ 9 トルーマン 10 アジェンデ