声楽講義古文辞
(古文辞学(こぶんじがく)派)(聖学(せいがく)・古義学(こぎがく)派)(古学)
[ポイント]
1.古学は聖学、古文辞学派、古義学派の3系統に分かれる。
[解説]
1.17世紀後半になると、朱子学を批判し、朱子以前の孔子・孟子の古典に直接立ち返ろうとする古学派がはじまった。
2.山鹿素行(1622~85)は朱子学を批判し、直接古典を学ぶ新しい学問としての聖学(聖教)を唱えた。これが朱子学に対する古学のはじまり。
3.伊藤仁斎(じんさい)(1627~1705)・東涯(とうがい)(1670~1736)父子は、『孟子』・『論語』を重視する古義学を唱えた。
4.荻生徂徠(1666~1728)は古義学に対抗し、古語(古文辞)の本来の意味をあきらかにする古文辞学を唱えた。
〈2016上智大・神外(英)総人(教・心)
Ⅲ 次の短文J・Kは、江戸時代の文化を担った人びとについて叙述したものである。よく読んで、あとの問いに答えなさい。
J.古学派の儒学者。会津の人。朱子学・神道・兵学に通じ、実用の学を提唱して朱子学を批判し、自らb実学と呼んだ。幕府により赤穂へ配流された。著書c『聖教要録』は、「聖人とは何か」から説き起こし、武士日用の道徳を主張して儒学古典の朱子学的解釈を批判している。もう一つの著書d『中朝事実』は、中国崇拝を廃して日本主義を主張し、「中華」にたいする日本の呼称も示した。
〔語群〕
1南 2陽明 3聖 4理
5『自然真営道』 6『国意考』
7『古事記伝』 8『玉くしげ』
K a大坂の町人の家に生まれる。『論語』『孟子』などの原典の研究を通じて直接聖人の道を正しく理解しようとし、b古義学をとなえ、京都c堀川に塾を創設した。政治と道徳を区別する学風を形成した。著書にはd『童子問』などがある。
〔語群〕
1江戸 2京都 3陽明 4心
5下賀茂 6丸太町
7『万葉考』 8『玉勝間』
問1 K・Jの各文章の下線部a~dのなかには、その人物の説明文に用いる語句としては不適切なものがある。K・Jそれぞれについて、誤っている語句をa~dの中から1つずつ選びなさい。また、それにかわる正しい語句を、それぞれの語群から1つずつ選びなさい。」
(答:Jb3、Ka2 ※Jは山鹿素行、Kは伊藤仁斎)〉
〈2013法大・法国際文化キャリアデザイン
古代の聖賢にたち帰ることを主張した[ 7 ]は、伊藤仁斎らとともに古学派と呼ばれる」
(答:山鹿素行)〉