[ゴロ]先祖(せんぞ)は株と/大原遊郭(ゆうかく)で/破産した
(先祖株組合(せんぞかぶくみあい))(大原幽学(おおはらゆうがく))(1834年)
[ポイント]
1.大原幽学は、1834年から、先祖株組合を作るなどして農村復興の成果を上げた。
[解説]
1.大原幽学(1797~1858)は武士の出身。父は尾張藩の重臣ともいわれる。はじめ武芸を学んだが、放浪の旅に出て性学(儒学の一派,性理学)をおさめ、救世済民に生涯をささげようと決意。牢人生活ののち、1834年(天保5)、房総の長部村(ながべむら)(現千葉県旭市)に土着し今まで学んだものの実践に乗り出した。以来1858年(安政5)まで、長部村の復興に努める。当時の長部村はまったく荒廃し、亡村に等しかった。そこで本百姓の農業経営の安定を目指し名主などの同志を募り、この地に先祖株組合(世界最古の協同組合)という農民の共同組織を作った。出資金の共同運営や農地整理を行うなど、農業生産を合理化することの必要性を説き、次第に成果を上げた。この評判が人を呼び、近隣はもとより遠くは長野地方から3000人もの教えに共鳴して入門を希望するものが急増した。民衆の動きを怪しむ関東取締出役の嫌疑をうけ、香取郡長部村に建てた講堂のことなどが咎められ、成果が壊されていくのをみて自殺した。
〈2013同志社大学・文経済:「
【設問j】下線部jについて、江戸時代に活躍した農学者および農政者のうち、17世紀の人物を次のうちから1つ選び、その番号を記入せよ。
1.大蔵永常 2.宮崎安貞
3.二宮尊徳 4.大原幽学」
(答:2)〉
〈2004大学入試センター試験追試
問3 下線部b(田沼時代の)民衆の暮らしに関連して、江戸時代後期の民衆の暮らしについて述べた文として誤っているものを、次の1~4のうちから一つ選べ。
1 農村では、田畑を手放し、小作人となる農民が増加した。
2 都市を中心に貸本屋が現れ、文化の普及に寄与した。
3 工藤平肋は、雪国の生活や風俗を『北越雪譜』に描写した。
4 大原幽学は、農村の復興を指導した。」
(答:3×『北越雪譜』は鈴木牧之)〉