この4月
一人の若者が
高校を卒業してめでたく社会人となった。
東京の会社に正社員として雇用されたのだ。
彼が高校2年生の時に知り合い
父親のいない彼に
影ながら支えになれればと思いながら接してきた。
東京へと旅立つ前に
何度か食事を共にした。
そのとき
社会人の先輩として
言って聞かせたことがある。
仕事や職場での人間関係の厳しさはもちろんだが
何といっても
「正社員」の重みを口を酸っぱくして言った。
今の学生たちに
社会人になったら何になりたいと聞くと
「公務員」か「正社員」 という答えが多いそうだ。
それほど
今の世の中
「正社員」という地位(?)は重く意味深いものなのだ。
彼が
入社試験に受かり
「正社員」という文字が入った雇用契約書にサインするとき
「スゴイじゃない」、と言い、
心から「おめでとう」といった。
そして
「辞めるなよ」
といった。
「せめて
3年は我慢して今の会社で働けよ」
「一旦辞めたら
二度と正社員にはなれないぞ」とも。
「正社員」という肩書(?)が
どれほど価値の高いものか。
君がもらった「正社員」という肩書を
どれほどの人が手に入れたいと思っているのか、と。
かれは
はい、はい、と素直に頷いていた。
その素直さが
ボクに一抹の不安を与えた。
この子は分かっていない。
高校時代
アルバイトの経験もなかった。
ボクが彼に何度もアルバイトをするように勧めたにも係わらず。
いつも母親のもとにお小遣いをせびりに来ていた。
仕事のなんたるかはもちろん、
お給料(アルバイト料)の意味さえ知らないようだった。
いいか、
この会社で生涯辞めずに働けとは言わない。
むしろ将来
独立して自分で事業を始めろ。
今はそのためのステップだと思え。
会社は良いもんだぞ。
学校と違って
お給料をもらいながら勉強させてもらえるんだから。
先輩から
学べ、
真似ろ、
盗め。
そしてその間に
自分が何をやりたいのかを見つけろ。
貯金しろよ。
少しでいいから
苦労かけたお母さんに仕送りしろよ。
一年に100万貯めろ。
三年で300万だ。
それを元手に事業を起こせ。
失敗したって構うもんか。
またやり直せばいい。
君は若いんだ。
何でもできるんだ。
いいか、
万が一辞める時は
次にするべきものを決めてから辞めるんだぞ。
いいか、
決してプッツンするんじゃないぞ。
自暴自棄になんかなるんじゃないぞ。
どんなに辛くたって
歯を食いしばって頑張るんだぞ。
キレたらいかんぞ。
すぐ辞めたら
2度と「正社員」はないと思え。
昨日、
彼の会社から電話がかかってきた。
彼が
上司に暴言を吐いて飛び出した、と。
居所が分からない、と。
出勤停止にしてる、と。
彼から母親のもとに電話が入った。
会社辞めた、と。
熊本に帰る、と。
入社して2か月足らず。
心配していた通りのシナリを
彼は実に素直に歩んだ。
だから
その素直さが怖かったんだ。
その後、連絡は途絶えたままだ。
とにかく一刻も早く
彼を探し出して会わねば。
まず彼の気持ちを聞きたい。
社会のトント入口でつまずいてしまった。
だが、まだ軌道修正は十分可能だ。
若者は得てして同じ道を歩む。
ボクも決して例外ではなかった。
親に迷惑をかけた。
親に心配ばかりをかけてきた。
人生は長い。
そして
矢のように時は過ぎていく。
早く
俺の前に姿を見せろ。
君に聞きたいことがある。
君の力になりたいから。
一人の若者が
高校を卒業してめでたく社会人となった。
東京の会社に正社員として雇用されたのだ。
彼が高校2年生の時に知り合い
父親のいない彼に
影ながら支えになれればと思いながら接してきた。
東京へと旅立つ前に
何度か食事を共にした。
そのとき
社会人の先輩として
言って聞かせたことがある。
仕事や職場での人間関係の厳しさはもちろんだが
何といっても
「正社員」の重みを口を酸っぱくして言った。
今の学生たちに
社会人になったら何になりたいと聞くと
「公務員」か「正社員」 という答えが多いそうだ。
それほど
今の世の中
「正社員」という地位(?)は重く意味深いものなのだ。
彼が
入社試験に受かり
「正社員」という文字が入った雇用契約書にサインするとき
「スゴイじゃない」、と言い、
心から「おめでとう」といった。
そして
「辞めるなよ」
といった。
「せめて
3年は我慢して今の会社で働けよ」
「一旦辞めたら
二度と正社員にはなれないぞ」とも。
「正社員」という肩書(?)が
どれほど価値の高いものか。
君がもらった「正社員」という肩書を
どれほどの人が手に入れたいと思っているのか、と。
かれは
はい、はい、と素直に頷いていた。
その素直さが
ボクに一抹の不安を与えた。
この子は分かっていない。
高校時代
アルバイトの経験もなかった。
ボクが彼に何度もアルバイトをするように勧めたにも係わらず。
いつも母親のもとにお小遣いをせびりに来ていた。
仕事のなんたるかはもちろん、
お給料(アルバイト料)の意味さえ知らないようだった。
いいか、
この会社で生涯辞めずに働けとは言わない。
むしろ将来
独立して自分で事業を始めろ。
今はそのためのステップだと思え。
会社は良いもんだぞ。
学校と違って
お給料をもらいながら勉強させてもらえるんだから。
先輩から
学べ、
真似ろ、
盗め。
そしてその間に
自分が何をやりたいのかを見つけろ。
貯金しろよ。
少しでいいから
苦労かけたお母さんに仕送りしろよ。
一年に100万貯めろ。
三年で300万だ。
それを元手に事業を起こせ。
失敗したって構うもんか。
またやり直せばいい。
君は若いんだ。
何でもできるんだ。
いいか、
万が一辞める時は
次にするべきものを決めてから辞めるんだぞ。
いいか、
決してプッツンするんじゃないぞ。
自暴自棄になんかなるんじゃないぞ。
どんなに辛くたって
歯を食いしばって頑張るんだぞ。
キレたらいかんぞ。
すぐ辞めたら
2度と「正社員」はないと思え。
昨日、
彼の会社から電話がかかってきた。
彼が
上司に暴言を吐いて飛び出した、と。
居所が分からない、と。
出勤停止にしてる、と。
彼から母親のもとに電話が入った。
会社辞めた、と。
熊本に帰る、と。
入社して2か月足らず。
心配していた通りのシナリを
彼は実に素直に歩んだ。
だから
その素直さが怖かったんだ。
その後、連絡は途絶えたままだ。
とにかく一刻も早く
彼を探し出して会わねば。
まず彼の気持ちを聞きたい。
社会のトント入口でつまずいてしまった。
だが、まだ軌道修正は十分可能だ。
若者は得てして同じ道を歩む。
ボクも決して例外ではなかった。
親に迷惑をかけた。
親に心配ばかりをかけてきた。
人生は長い。
そして
矢のように時は過ぎていく。
早く
俺の前に姿を見せろ。
君に聞きたいことがある。
君の力になりたいから。