【現代思想とジャーナリスト精神】

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軽減税率で大幅譲歩 菅長官と創価学会に「W選密約」説/地元民もあきれた 菅官房長官の下品なバラマキ

2015-12-15 20:06:04 | 転載と私見
【日刊ゲンダイ】

軽減税率で大幅譲歩 菅長官と創価学会に「W選密約」説
2015年12月15日

 スッタモンダした軽減税率の適用範囲は食品全般となって、公明党の言い分がそのまま通った。公明党の幹部は「ほぼ満額回答だ」とか何とか言っているらしいが、交渉の過程で明らかになったのは菅官房長官と創価学会幹部とのパイプだ。軽減税率の落としどころを決めたのは自民・谷垣氏、公明・井上氏の両幹事長ではなく、菅氏と学会幹部の“裏ルート”だったのである。さては、この密談で、来年のダブル選挙も決まったのか。

 今度の決着劇で象徴的だったのが今月上旬に行われた菅官房長官と学会幹部との会談だ。ここで学会幹部は「加工食品に軽減税率を適用しなければ、高齢者や働く女性はコンビニで何も買えない」と直談判。菅氏が了承したとされるが、この時、谷垣氏、井上氏は訪中していた。当事者不在中にコトが決まっていたのだが、2人の蜜月ぶりは以前からささやかれていた。この幹部は菅の後ろ盾を得て、今や学会内では押しも押されもせぬ存在となっているほどだ。

「実は先月、創価学会では仰天の人事があった。74歳という高齢で、今期限りで引退とみられていた原田稔会長が再任され、次期会長の有力候補だった正木正明理事長が参議会副議長に追いやられた。もうひとりの会長候補、谷川佳樹氏は主任副会長となり、原田会長に何かがあれば、代行をする立場のひとりとなった。この“谷川派”の重鎮、懐刀とされるのが菅さんの密会相手です。この学会人事の裏側にも菅さんの影がちらついています」(学会事情通)

■橋下氏も絡む「改憲トライアングル」

 どういうことかというと、辞任した正木理事長は平和の党の看板を守るタイプで、おそらく安倍首相嫌い。一方、谷川氏らは現実路線で、公明党が安保法制賛成に回ったのも谷川氏らの台頭と無縁ではない。そうしたら、正木理事長はスパーンと外され、菅氏は谷川派の幹部の顔を立てて目いっぱい“配慮”した。

 あまりにもわかりやすい構図で、となると、次は菅氏が学会・公明党に売った恩を返してもらう番になる。だからこそ、来年の衆参ダブル選挙がまたまた取りざたされているのである。

「学会・公明にしてみれば、力が分散してしまうダブル選挙はやりたくない。だから、いくら官邸が頼んでものむかどうかはわからない。でも、安倍官邸が学会、公明に気を使う理由の半分は選挙協力、とりわけ、来年の政局次第ではダブル選挙も視野に入れなければいけないからです。あとの半分は安保法制へのお礼。実は安保法制の審議がたけなわだった昨年6月に安倍官邸は軽減税率の話を約束しているんですよ。だから、官邸は自民党、財務省がこぞって反対する案を力でねじ伏せた。当然、学会・公明は悪い気はしていないはずで、こうなると、たとえ、憲法改正の是非を問うダブル選挙になっても、条件次第で学会・公明党は協力すると思いますよ」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 安倍・菅官邸には学会・公明に加えて橋下・維新というラインもある。橋下徹大阪市長は軽減税率に大反対していたのに、安倍首相の軽減税率適用拡大を「凄すぎる」と大絶賛、「今回の公明党への大幅譲歩と引き換えに安倍首相が目指す憲法改正に公明党も賛同の可能性が高まる」とツイートしていた。菅氏、学会、橋下氏がダブル選密約をしているのだとすれば、おぞましいの一語である。

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私見
 
  まさに政界の魑魅魍魎の世界だ。安倍氏・橋下氏・創価学会公明党については後に回す。森功氏は、菅氏について、同じ日刊ゲンダイで以下の評論を執筆している。





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森功
ノンフィクション作家
1961年、福岡県生まれ。出版社勤務などを経て、03年からノンフィクション作家として活動を開始。「ヤメ検 司法エリートが私欲に転ぶとき」「と銀行」「腐った翼 JAL消滅への60年」など著書多数。最新刊は「現代日本9の暗闇」(廣済堂新書)。

新「政官業」研究
<第22回>地元民もあきれた 菅官房長官の下品なバラマキ
2015年12月15日


根強い反対が続く辺野古移設問題(C)日刊ゲンダイ
前時代的な沖縄分断統治

 名護市にある辺野古・豊原・久志の通称「久辺3区」地域の区長たちが、首相官邸に招待されたのは10月26日のこと。そこで官房長官の菅義偉と会談した。

 名目は辺野古の新基地建設をめぐり、政府が地元と振興策を協議する懇談会だ。5月に辺野古交流プラザという地元公民館で開かれた会合に続く2度目の懇談会。官邸に集った区長たちは、その場で官房長官から、来年度1区あたり上限1300万円、3区合計で3900万円の補助金を交付すると伝えられたという。

 案の定、沖縄県も名護市も通さない「頭越しの新交付金」と地元の評判は散々だ。たとえば地元2大紙のひとつ、琉球新報の社説は「久辺3区交付金 政権の一手は逆効果生んだ」(11月30日付)と題してこう書く。

〈露骨な「アメとムチ」をまとった地方自治への介入そのものである。前時代的な分断統治を図る安倍政権の姿にそんな思いを抱く〉

 県知事の翁長雄志と名護市長の稲嶺進が、ともに普天間基地の辺野古移設に反対しているため、基地近隣に直接補助金を交付し、地元住民から移設工事の容認を取り付けようとしているわけだが、これでは反発を招くのも無理はない。反対派の地元紙でなくとも、あまりに露骨というか、下品な手段に受け取れる。

〈菅義偉官房長官は「3区長から要望書が提出されている」などと述べ、3区が移設を容認、賛同しているという印象を振りまくことに躍起になっている。だが、3区内には賛否さまざまな意見がある。久志区は受け取りの可否を決める区民総会がまとまらなかった〉(同日付社説から)

 基地移設の是非はさておき、有権者1000人足らずの集落に年間1300万円の補助金となれば、ありがたいに違いない。地域振興の事業資金として交付されるという。だが、その実、事業向けの補助金は毎年2000万円程度交付され、学校や公民館などが建っている。補助金そのものにダブついている感が否めない。

「そこを突かれた政府は反対運動のせいで騒音などが発生するから、その迷惑料も含まれている、などと屁理屈をこねていますが、単なるつかみ金のバラマキというほかありません」

 基地反対派の住民に聞くと、そう辛辣に話した。これではとても地元の理解は得られないだろうが、菅官房長官、さる12月8日には、普天間基地のある宜野湾市長を官邸に呼び、東京ディズニーランドの誘致話までする始末。沖縄には、アメとムチが飛び交っている。=敬称略

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私見
 菅官房長官。神奈川県自民党のドンである。横浜市の選挙区から選出されている。横浜市民が「落選運動」で衆院選で落とさない限り、地味で堅実なこの政治家は、国政のドンとして今後はどう化けるかわからない。神奈川県民として情けないことだ。