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【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

報道への安倍政権からの規制強化の中、自粛するテレビ局。事実をまともに論じることのできない「大」新聞社

2015-12-24 19:33:15 | 政治・文化・社会評論
報道への安倍政権からの規制強化の中、自粛するテレビ局。事実をまともに論じることのできない「大」新聞社の腰抜けスタンスを孫崎享氏は一刀両断する。     櫻井 智志


 NHKテレビ「クローズアップ現代」への弾圧、TBSテレビ「NEWS23」へのキャスター攻撃のさなかに、テレビ朝日「報道ステーション」キャスターの古館伊知郎さんが三月で降板という知らせが電撃的に伝わった。
 「報道ステーション」では先にコメンテーター古賀正明氏の降板が強制的になされている。今回の報道で、TBSに近い毎日新聞はまともな報道をしている。しかし、テレビ朝日と系列関係にある朝日新聞の報道に孫崎享氏は強く批判している。読売新聞と読売巨人の広報である日本テレビを私はほとんど見ていない。みやねや、のような官制報道など人気番組「笑点」のなかで政府批判を洒落のめす落語家の足元にも及ばない。巨人戦は見てても接戦で盛り上がっても平気で時間が来れば打ち切る局。新聞、テレビの大手マスコミの体制翼賛化はとどまるところを知らない。
 TBS、毎日新聞がまだまともな報道を行おうとしている。私は日刊ゲンダイや東京新聞・中日新聞以外の新聞はあまり読まなくなった。「NEWS23」や「報道特集」は現在では少ない良識的報道番組だ。それを持続するか否か、テレビ局会社の上層部の判断は、このくにの将来を左右する大切な決断となろう。
 報道各社の上層部と夜に料亭などで宴席をしょっちゅうもっては、アメをしゃぶらせる安倍総理。新聞社は企業から広告を出さなくすればつぶれる、と本音を吐いた自民党首脳。もはや日本の政治とマスコミとの爛れきった腐った実態は、知らない国民をますます大政翼賛会に追い込んでいる。
 振り返れば、1972年の沖縄返還協定の時に日米密約を暴いた毎日新聞社西山太吉記者を、政府とマスコミ各社は個人的問題にすりかえて貶めた。ここが決定的な歴史的分岐点となった。この時に、沖縄と日本の主権に関わる奴隷的地位にとどめおくこととして、マスコミと野党が政府を徹底的に批判して国民的運動として展開していれば、いまほどのひどいアメリカ軍と日本マスコミの実態は変わっていたであろう。(了-以下孫崎評論参照)






【孫崎享のつぶやき】
情けない朝日、読売。古舘氏降板の報道に、「本人の申し出」の面だけ。政府・自民党の圧力の憶測をどう見ているのか、何故そのことに言及できないか。
2015-12-24 13:557


A:事実関係

1:朝日新聞(WEB版)「「報道ステーション」古舘キャスター降板へ 来年3月」

「テレビ朝日系のニュース番組「報道ステーション」(月~金曜、午後9時54分~)の古舘伊知郎キャスター(61)が、契約終了に伴い来年3月で降板することになった。テレビ朝日が24日、発表した。番組は継続するが、後任は決まっていないという。

 番組は、久米宏さんがキャスターだった「ニュースステーション」の後継として2004年4月に始まり、古舘さんは当初から12年にわたってメインキャスターを務めた。同局によると、本人から「新しいジャンルにも挑戦したい」などと申し入れがあったという。23日までの放送回数は2960回、平均視聴率は13・2%だった。」

2:読売新聞(WEB版)古舘氏「報ステ」3月に降板…新ジャンルに挑戦テレビ朝日は2「4日、平日夜の「報道ステーション」でメインキャスターを務める古舘伊知郎さん(61)が、来年3月31日で番組を降板すると発表した。同局広報部によると、「新しいジャンルにも挑戦したい」と古舘さんから申し出があったという。 古舘さんは同局アナウンサー出身で、フリーに転身後、2004年4月の番組開始当初から出演していた。来年4月以降も番組は継続し、後任の出演者は「調整中」としている」

3:毎日新聞(WEB版)

「古舘さん降板 .「なぜ」広がる驚き 局の姿勢に疑問も」

「名キャスターとされた久米宏さんの後を受けて11年8カ月余り。テレビ朝日の夜の看板報道番組「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスターの来年春での退任が24日、明らかになった。放送に詳しい人たちは、年内最後の放送翌日に飛び込んだ突然の降板話に首をひねった。」

B:評価

・一人のキャスターが、「新しいジャンルにも挑戦したい」という事だけだったら、ニュースにはならない。

・報道関係者であれば、報道の仕方に今日、テレビ、新聞に様々な圧力がかかっていることは承知であろう。だから、今度の降板もその一環であり、だから報道する意義があるのであろう。

・毎日新聞は少なくとも見出しで、「なぜ」広がる驚き 局の姿勢に疑問も」と問題であることを提示した。どれ位突っ込んでいるかはWEB版では見えない。

・それを朝日、読売はあたかも、、本人の「新しいジャンルにも挑戦したい」という問題だけであるかの如く、報じている。降板させたれたら、本人はこれまでの仕事がないわけだから、「新しいジャンルにも挑戦したい」というのは当然だろう。しかし、何故、その道の選択になったかを見るべきだ。

・読売新聞の、「同局広報部によると、「新しいジャンルにも挑戦したい」と古舘さんから申し出があったという」という程度で紙面を作るなら、新聞と名乗るのを止めて、「政府・企業広報紙」と名乗って、公式発表だけ掲載したらどうか。

・安倍首相周辺および自民党が、自分達の望まない報道をしたら報道関係に圧力をかけることは、報道関係は当然承知しているし、一般の人々にもそれとなく伝わってきている。
・少なくとも今回の古舘氏交番の話は突然起こったわけではない。長く降板への圧力が官邸などからかかってきたと報道されてきた。ここが降板劇の核心であろう。この核心に全くふれずに、そして原因が「本人から新しいジャンルにも挑戦したい」などと申し入れがあったという」形で説明して事足りたとするなら、もう報道機関と言う資格はないのでないか。。

・各新聞・テレビは自社に対して圧力がかかって自分達が屈したことは恥ずかしくて報道できないのは解る。だったらせめて他者関係の圧力ぐらいは真剣に取材して、圧力の現状を報ずる位の姿勢はとれないのか。。

孫崎享氏、参院選挙区野党統一への応援歌

2015-12-24 18:43:50 | 転載と私見
【孫崎享のつぶやき】
野党が参院選初の統一候補 まず熊本、憲法無視し、改憲意図の安倍氏思惑を阻止するにはリベラルの統一候補が何としても必要だ、山形是非舟山候補で統一を
2015-12-24 07:352



A事実関係 23日(WEB)日経新聞

民主、共産、維新、社民各党は23日、来夏参院選の熊本選挙区(改選定数1)に、新人で弁護士の阿部広美氏(49)を無所属で擁立すると発表した。事実上の野党統一候補として、与党と一騎打ちの構図をつくる。無所属での出馬で政党色を薄め、安全保障関連法への反対を旗印に政権への批判票を幅広く取り込みたい考えだ。

 阿部氏は会見で「今の政治では弱者が切り捨てられる。安保関連法は国民の命まで切り捨てようとしている」と立候補の理由を語った。熊本での野党統一候補は、共産党が新人候補の擁立を取り下げることで実現する。政党だけでなく、市民団体も巻き込んだ緩やかな協力関係を結ぶことで与党候補に対峙する。

 23日は石川選挙区(改選定数1)でも、新人で弁護士の柴田未来氏(45)が会見し、無所属での出馬を表明した。

 参院選はこれまで改選定数1の1人区での勝敗が全体の流れを決定づけてきた。来年夏の参院選では1人区が1つ増えて32選挙区となる。野党統一候補をめぐっては、熊本や石川のほか、山形、新潟、合区となる鳥取・島根など各選挙区で一本化を模索している。


B:評価

・現在の安倍政権は安保法制で明確な憲法違反を行い、更には参議院選挙で勝利し、憲法改定を意図している。

・こうした中リベラル・グループが、小選挙区で統一候補を出す必要がある。安全保障関連法に反対して国会前で抗議してきた学生団体「SEALDs(シールズ)」などの5団体が20日、来年の参院選に向けて野党統一候補を支援する「市民連合」を設立し、東京都内で記者会見した。来年4月の衆院北海道5区補選でも野党候補を応援するという。

設立されたのは、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」。「SEALDs」「学者の会」「ママの会」など5団体の有志が中心。ほかの団体にも参加を呼びかける。


全国32の1人区で候補者を絞り込むよう野党に働きかける。安保法の廃止や集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回といった基本方針に賛同する候補者を推薦し、選挙応援などをする。独自候補は擁立しない。

・現在次の選挙区で模索が検討されている。

 北海道5区―補選

 山形

(山形選挙区(改選数1)には、元参院議員舟山康江氏(49)が無所属での立候補を表明し、民主、社民両党が推薦する見込み。民主党県連会長の近藤洋介衆院議員(比例東北)はこれまで、共産党との連携について「政党間の話で共産党と話し合うとなれば(県連は)窓口になろうか」と話し、党本部主導の調整を前提にする意向を示していた。

 岡田氏は「山形選挙区は間違いなく重点区になる」とも話した。

 共産党は村山地区准地区委員石山浩行氏(34)の擁立を発表したが、県委員会は取り下げを視野に野党共闘に積極的な姿勢を示す。―河北新報
 

私自身舟山候補と面識があり是非実現してほしい。




 新潟

 石川

 鳥取・島根

 熊本

・今後民主党が、連立に柔軟になり、野党間の協力を円滑に進めることを期待したい。

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私見
 よくぞ共産党はここまで忍耐強く共闘にとり組んできたと思う。ここまで国民連合政府を構想した共闘が実現にむけて進行ているのは、略称「市民連合」に連なる五団体の意欲があったからだろう。党内に大きな幅がある民主党を束ねている岡田代表も、安保国会以来よく統率力とリーダーシップを発揮している。自公おおさか維新の与党系政党の様々な圧力、中傷、策略などが渦巻いていく。衆参同時選挙を自民党はちらつかせているが、国民の反応はどうか。平和勢力に期待したい。自らもその営みに資するできる範囲の行動を実行したい。