<中国・期限切れ鶏肉>食品・流通、広がる不安 輸出量不明
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20140723k0000m040115000c.html より一部抜粋
中国で発覚した期限切れ食品の問題は、国内にも影響が広がっている。日本マクドナルドは一部店舗でナゲットの販売を中止したほか、ファミリーマートも一部商品の販売中止に踏み切った。問題の食材がどの程度、日本に入ってきたかは判明しておらず、さらに不安が広がる可能性もある。<中略>
中国メディアによると、上海市の食品監督部門は期限切れの材料の使用を指示する同社の内部文書を押収。同社の品質管理担当者も工場長らの関与を認め、会社ぐるみの疑いが濃厚となっている。<中略>
上海福喜は、米食肉加工大手OSIグループの現地法人。
感想;
中国では過去に以下の事件がありました。
1)ヘパリン原薬に意図的に当時のヘパリンの試験に適合するタンパクを添加していた。そのため、それを使ったヘパリン製剤で死亡者がでた。死亡者が通常より高いとの副作用結果が出たがなかなか原因がわからなかった。対策としてFDA(米国の医薬品食品局)は中国にFDAの現地事務所を置き、米国と同じように突然FDAが査察できるようにした。かつヘパリンの受け入れ試験で異種のタンパクを検出できる電気泳動試験を追加した。日本でも疑いのある製品が回収になりました。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/03/dl/h0310-2a.pdf 厚生労働省のお知らせ
2)パナマでグリセリンと表示されたものが実はエチレングリコールだったために、子どもが多く死亡した。グリセリンは高価だったために、中国企業が意図的にエチレングリコールをグリセリンと表示して販売していた。
http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/22214676.html 詳細な記事
3)中国製冷凍餃子に農薬混入がありました。当初、中国政府は否定しましたが、従業員が後日逮捕されました。日本の大手食品企業が販売していました。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/risk/080205_gyoza/ 日経ビジネス記事
4)中国で牛乳や粉ミルクにメラニンを意図的に混入し、過去品が日本にも入っていました。
http://www.fsc.go.jp/emerg/melamine.html 厚生労働省
5)その他の事件
禁止農薬使用した/基準以上の農薬使用した野菜、やせるとの漢方にやせ薬(医薬品)混入で日本の薬事法違反などがあります。
日本でもマルハニチロの子会社アクリフーズに農薬を混入した事件が発生しましたが、中国は一人の問題ではなく、複数あるいは組織ぐるみの意図的な事件が多いように思います。
中国の裕福な層は中国食品への信頼が低下して日本食品を購入している人々が増えているそうです。
マックの品質管理/品質保証は今回問題のあった工場にも査察をしていたと思いますが、発見も防ぐことも出来なかったのでしょう。意図的に書類を偽造されるとなかなか発見は難しいです。かなりの時間をかけて調べると矛盾が必ず出て来てわかりますが、1~2日程度の査察では発見は難しいです。
難しいからと言って言い訳にはできません。中国からものを入れるということは、それだけリスクがあるということ、それを保証していると思うからこそ、日本の大手の会社を信頼して購入しているのですから、いかに信頼に応える品質保証を行うかが今後の課題だと思います。
一番よいことは、信頼置ける会社を選択することですが、今回の会社は大手で米国資本のようですし。二番目は、製造に立ち会うことですが、毎日は難しいでしょうし。三番目は、受け入れ試験で微生物を試験することですがコストがかなりかかります。コストがかかっても微生物試験を行いチェックする機能を設けることと突然訪問して確認することなのでしょう。
追加;
ファミリーマートのHPより
http://www.family.co.jp/company/news_releases/2014/140722_03.pdf より抜粋
お詫びとともに、商品の発売前に製造工場の点検 および商品の品質管理検査 を行っておりますが、
マクドナルドのHPより
お詫びとともに、当社は、<wbr></wbr>今後も安全で美味しい商品をお客様に安心して召し上がっていただ<wbr></wbr>くべく、最善を尽くしてまいります。
両社も、現在の品質保証が結果として不十分だったことになります。これまで最善を尽くして来て今回の問題が起きたことから、抜本的に見直さなければならないのでしょう。FDAが行った、1)突然訪問できるようにする。2)受け入れ試験を改善する。の方法がやはり良いようです。