あしなが蜂の一種であるポリステス・ドミヌルスには、他の社会性の蜂とおなじように、女王蜂と雌雄の働き蜂がいる。雄の働き蜂は女王蜂に精子を提供してこどもを産ませ、雌の働き蜂が生まれた幼虫を育てる。
精子を提供してしまった雄は、この蜂社会にとっては用のないものとなる。そのような雄が巣に戻ると、雌の働き蜂は巣の穴のなかに雄を頭から先に詰め込んで、餌を食べられなくしてしまう。このようにして、無用な雄がむだに餌を食べるのを防いでいるのだという。
雄が巣に戻ってくると、ただちに雌の働き蜂は雄の触角に自分の触角を接触させる。次に雄を組み敷いて、かみついたり、刺したりして威嚇する。そうしておいてから、雄の頭を先にして巣の穴のなかに詰め込むのである。
頭と胸を穴のなかに詰め込まれた雄は、くりかえし、雌にかみつかれ、腹を押し込まれる。このようにして、哀れな雄は餓死していく。
雌の働き蜂は、雄を殺して幼虫に餌をたくさん与えることによって、自分のもつ遺伝子に近い遺伝子群をもつ蜂を増やすことができる。その結果、「雄詰め」の習性をもつ雌の方が有利に繁殖するのではないかと考えられている。説明はどうであれ、事実はそこに厳然として存在する。生命の世界の掟はきびしい。
一分間に心臓が何回打つかということを、いろいろなサイズの動物で調べてみる。ゾウからマウス(ハツカネスミ)までいろいろな大きさの動物の体重を計り、心拍数を測る。その結果、心拍数は体重の四分の一乗に比例するということばわかった。
これは、体重が増えると心臓がゆっくりと打つようになるということを示している。四分の一乗に比例するというのであるから、体重が16倍になると心臓のうつ早さが半分になるということである。
おもしろいことに、この法則は心拍数だけでなく、その動物のもついろいろな時間にもあてはまる。たとえば、その動物の寿命、妊娠期間、性的に成熟するまでの時間、大人のサイズになるまでの時間など、いろいろな時間が体重の四分の一乗に比例している。その理由はまだよくわからないが、とにかく動物は心拍数で自分の時間を測っているいるように見える。その動物のもつ寿命を心拍数で割ってみると、哺乳類では、どの動物でも一生のあいだに心臓が20億回打つということになる。心臓が20億回打つとその生物の一生は終わりなのである。
私たちが子供だったころを考えてみると、おとなになってからよりもずっと一日の時間が長かったように思う。遊んでも遊んでも日は暮れなかったし、お昼寝をして起きても日は高かった。お祭りもお正月もなかなかこなかったし、楽しみな日のくるのをまつのはたいへんなことであった。マウスは五年間生きて、私たちが100年生きたのとおなじような感じをもつのであろうか。
感想;
カマキリも交尾された後はメスに食べられるとか。
残酷というより、それがその種にとって、子孫を残す最善なのでしょう。
今を、ここを、大切にして生きることなのでしょう。
過去をあれこれ悔やむことより、将来をあれこれ心配するより、今できる大切なことをすることなのだと思います。
過去は今のためにあり、将来は今の結果ですから。
精子を提供してしまった雄は、この蜂社会にとっては用のないものとなる。そのような雄が巣に戻ると、雌の働き蜂は巣の穴のなかに雄を頭から先に詰め込んで、餌を食べられなくしてしまう。このようにして、無用な雄がむだに餌を食べるのを防いでいるのだという。
雄が巣に戻ってくると、ただちに雌の働き蜂は雄の触角に自分の触角を接触させる。次に雄を組み敷いて、かみついたり、刺したりして威嚇する。そうしておいてから、雄の頭を先にして巣の穴のなかに詰め込むのである。
頭と胸を穴のなかに詰め込まれた雄は、くりかえし、雌にかみつかれ、腹を押し込まれる。このようにして、哀れな雄は餓死していく。
雌の働き蜂は、雄を殺して幼虫に餌をたくさん与えることによって、自分のもつ遺伝子に近い遺伝子群をもつ蜂を増やすことができる。その結果、「雄詰め」の習性をもつ雌の方が有利に繁殖するのではないかと考えられている。説明はどうであれ、事実はそこに厳然として存在する。生命の世界の掟はきびしい。
一分間に心臓が何回打つかということを、いろいろなサイズの動物で調べてみる。ゾウからマウス(ハツカネスミ)までいろいろな大きさの動物の体重を計り、心拍数を測る。その結果、心拍数は体重の四分の一乗に比例するということばわかった。
これは、体重が増えると心臓がゆっくりと打つようになるということを示している。四分の一乗に比例するというのであるから、体重が16倍になると心臓のうつ早さが半分になるということである。
おもしろいことに、この法則は心拍数だけでなく、その動物のもついろいろな時間にもあてはまる。たとえば、その動物の寿命、妊娠期間、性的に成熟するまでの時間、大人のサイズになるまでの時間など、いろいろな時間が体重の四分の一乗に比例している。その理由はまだよくわからないが、とにかく動物は心拍数で自分の時間を測っているいるように見える。その動物のもつ寿命を心拍数で割ってみると、哺乳類では、どの動物でも一生のあいだに心臓が20億回打つということになる。心臓が20億回打つとその生物の一生は終わりなのである。
私たちが子供だったころを考えてみると、おとなになってからよりもずっと一日の時間が長かったように思う。遊んでも遊んでも日は暮れなかったし、お昼寝をして起きても日は高かった。お祭りもお正月もなかなかこなかったし、楽しみな日のくるのをまつのはたいへんなことであった。マウスは五年間生きて、私たちが100年生きたのとおなじような感じをもつのであろうか。
感想;
カマキリも交尾された後はメスに食べられるとか。
残酷というより、それがその種にとって、子孫を残す最善なのでしょう。
今を、ここを、大切にして生きることなのでしょう。
過去をあれこれ悔やむことより、将来をあれこれ心配するより、今できる大切なことをすることなのだと思います。
過去は今のためにあり、将来は今の結果ですから。