「日本人は桜のことを何も知らない」美しい日本の常識を再発見する会 ”ソメイヨシノはクローン”

・日本の桜の80％がソメイヨシノ
・１本のソメイヨシノの細胞を増産したクローンのため、同じころに咲き同じ時に散る。
・ソメイヨシノ寿命60年説（長くて100年）

・染井の植木職人が、従来のサクラとまったくちがう咲き方（葉より花が先に咲き乱れる、エドヒガンの特性）をするソメイヨシノに、東京にいながらにして、天下に知られたサクラの名所・吉野のサクラが見られると、大胆にも「吉野桜」と名付けて売り出した。その宣伝文句にはなんの根拠もない。しかし、吉野桜とはまったく異なる品種であることを発見し、混乱をさけるために、1900年正式に「ソメイヨシノ」と命名しなおした。

・ヤマザクラは１本１本が個性を持っていた。

・それまでのサクラは木材として伐採され、その後にソメイヨシノが植えられた。明治維新からおよそ40年の間に、東京のサクラをめぐる景観は、ソメイヨシノ一色といっていいほどに一変したのである。

・学校の始まりはばらばらであったが4月を始まりとすることが制定された。満開のサクラの下での入学式がすべての日本人の原風景になった。

・増やし方　新芽のついている枝を8cmほど切る。切り口が乾かないようにして、風通しのよいところで、一週間ほど寝かせてから台木に接ぐ。それがやがて成木になった。

・エドヒガンとオオシマザクラの交配によりソメイヨシノ誕生が1本誕生し、接ぎ木という方法で広がって行った。

・ソメイヨシノは実を結ばない。種から育てることができない。接いで増やす。

・万葉集　ウメを題材にした歌は118首、サクラは40首だった。万葉の時代は花と言えばウメだった。古今和歌集ではサクラの歌の数がウメの歌を上回った。

・交配が成立しないソメイヨシノの花は、虫たちにとっては魅力がないものらしい。花の蜜がおいしくないのだ。だから虫がよりつかない。無駄になることはあらかじめ起こらないようになっているということのようだ。花がおいしくないソメイヨシノ、虫はやっかいなことに葉や幹につく。

・種をまいて育てる実生以外でサクラを増やす方法
１）挿し木
　芽が伸び始める前の枝を、10cmほど切って、赤土に挿す。切口から根がでる。
２）とり木
　根本に近い枝を曲げて切れ目をつくり、土をかぶせておくと、切れ目から根がでる。
３）接ぎ木
　台木として、オオシマザクラが用いられることが多い。相性がいい。

・サクラは自力で、傷口をふさぐことができない。
　傷つけられると、そこから腐ってしまう。
　ウメは切口から新しい芽がでる。
　「サクラ切るばか、ウメ切らぬばか」

・一斉に花を咲かせる非日常の光景に、人々は我を忘れる。

・弘前公園の取り組み
　・肥料を与えたところ、花の数が増え、花の重なりに厚みができ、花の色も濃くなった。気の寿命も延びた。
　・剪定することによって、ひとつの枝に咲く花の数が確実に増えた。
　・植物学者の権威から罵倒されながらも、決行した管理者の勇気は賞賛に値する。

感想；
サクラは最も身近な花ですが、特殊な花だということを知りました。
１本の木と同じ遺伝子を持つクローンのために、一斉に咲き一斉に散るのでした。

先入観念を打破して新しい取り組み（剪定）をされたはきっと経験の裏付けがあったのではないでしょうか。
サクラを愛し、サクラをずっと見てきた経験があったからだと思います。