・HSP(Highly Sensitive Person)
この用語を初めて使ったのは、ユング派の心理療法家であるエレイン・N・アーロン。
・過敏な傾向があると感じている人はそうでない人に比べて、糖尿病の罹患率が1.54倍、脂質異常症が1.62倍、向精神薬を服用したことがある人の割合が1.78倍、うつ病と診断されている人の割合が2.24倍にも上がったのです。また、強いストレスを感じていると判定される割合は1.89倍、不眠に悩まされている人は2.05倍、不安に苦しんでいると答えた人は1.93倍でした。
・過敏な人は、ネガティブな人よりも生きづらい。
・感覚プロファイル
神経学的な閾値
高い
低い 低登録 感覚探求 高い 行動反応・自己調節
感覚過敏 感覚回避
低い
・低登録;反応が起きにくい、無頓着、冗談が分からない、朝起きが苦手
・感覚探求;気分の波がある、刺激を求める傾向
・感覚過敏;注意散漫、多動、落ち着きがない
・感覚回避;その場を離れる、決まった行動を好む
これがわかると、その人の感覚処理における傾向や直面しやすい困難を予想することができ、どう対処してよいかがわかる。
・心理社会的過敏性
人に対しておどおどしたり、顔色を過度に窺ったり、傷つきやすかったり、猜疑心が強まったりする心理社会的な過敏性です。
・感覚過敏な人は、刺激がありすぎる環境を避けようとするのが普通です。人づき合いを控えて、一人で静かに暮らしたり、人ごみを避け、自分の部屋でのんびり過ごすのを好みます。
・物事を両極端にとらえやすい。過敏な傾向が強い人では、二分法的認知の傾向を持つ人が、そうでない人の4倍程度いることがわかります。
・心の理論とは、相手の立場になって、相手の気持ちを推測する能力のこと。
・著者の臨床的な経験から言うと、不安の根源は、幼い子どもが母親から離れるときに感じる分離不安に由来していると思います。愛着不安とも言い換えることができます。
・愛着不安が強い人は、突然の事態が苦手
このタイプの人をサプライズのプレゼントで喜ばせるのは、あまり得策ではないかもしれません。
・ストレスを上手に吐き出せない人は身体的症状が出やすい。
・身体化しやすい人は愛着不安が強い。
・どうすれば心配事やさまざまな雑念を減らすことができるか、役に立つ方法は、頭で考えるのをやめて、書き留めるということです。
・ボーとすることも大切、過敏な人には必要なのです。
・抵抗力を高める方法
1)お薬を使う
・非定型抗精神病薬
・SSRI
・漢方薬
2)心理的アプローチ
・幸福は自分で手に入れるもの
・無意識の縛りから自由になる
・肯定的認知は幸福と社会適応を高める
・幸福な人のふるまいをまねる
・理想の自己像について夢を膨らませる
・人に親切にする
・感謝する
境界性パーソナリティ障害から回復し始めた人が異口同音にくちにするようになるのが、自分を支えてくれた人への感謝の気持ちです。感謝を口にできるようなることで、さらに周囲の人との関係も良くなり、安定を増していくという好循環に変わっていくのです。
・人生において良いことを三つ書いてもらう取り組み
・自分の強みとなることを新しいやり方で生かす
・二分法的認知(0か100か)の克服
・良いところ探し
・第三者の視点を持つ(自分のことを第三者的なな目で眺める)
・認知/行動/感情のどこかを変える。
・三分間呼吸法
・背筋を伸ばして座り、軽く目を閉じる
・自分の心の状態を感じます。
・呼吸に目を向ける。鼻から入り、気管を通り、肺に吸い込まれていくときの感覚を味わう。
・体の感覚に目を向ける。足先から膝、腿、お尻、おなか、背中、腕、肩、首、顔、頭と。
・家事をする。料理をする。
・新世代の認知行動療法 ACTに基づいた慢性疼痛の治療プログラム。
「人生において何が重要だと思いますか」と問いかけます。「痛みや苦しみを避けるために、自分が大切にしていることから遠ざかっていることではないですか」
・安全基地を強化する
アメリカの真理学者ハリー・ハーロウ
子ザルの飼育は困難を極めた。早く死んでしまうか、生き延びても生気に欠け、ぼんやり座り込んだまま体をゆすったり指を吸う行為を只繰り返すばかりでした。他の子ザルと一緒にしようとすると、強い拒否反応を起こしてしまいました。あるとき、床に敷いているある布にしがみついて離れない子ザルを見たハーロウは、布を巻きつけた人形を作ってみました。ほとんどの時間をその人形にしがみついて過ごすようになったのです。その後、人形を天井からつりさげて、子ザルが動くと人形も揺れるようにしてみたところ、子ザルは一段と元気になり、安定を増しました。犬と一緒に過ごさせると、さらに周囲とのかかわりが増え、情緒的な安定も改善したのです。
・愛着は相互的なもの
愛情や世話を注ぐことで、世話を受けた人は、世話をしてくれた人に対して愛着をもつようになりますが、世話をした方も、相手の存在を大切に思うのです。逆に、相手のことを軽くあしらったり、いらだったり、不満ばかり感じているとき、相手も同じように感じ、あなたに心からの信頼を寄せなくなっていきます。
・安全基地を失わせているのは自分自身かもしれない。
相手のできていないところやダメなところばかり言い立て、責めてしまう対応が安全基地を破壊する行為になります。自分が相手の安全基地になるように努力するのが一番近道なのです。
・「どうしてやってくれないの?」ではなく、「やってくれるとうれしいな」と、素直にお願いした方が、ずっと聞き入れてもらいやすいのです。
・賢明なやり方は、この人はこういう人だと割り切ることです。
・愛着の本性から考えて、われわれにとって重要なのは、それがロボットか人間かよりも、自分が求めたとき、それが相手をしてくれるかどうかということなのです。心理学者ハリー・ハーロウの実験がいみじくも示したように、不愛想な生身の母親よりも、愛想よく反応してくれ母親ロボットの方が、子どもにとってずっと好ましいのです。
・われわれにできる最善のことは、自分自身が自分の安全基地になるということかもしれません。そのためには、うまくいかないことで自分を責めないことも大事でしょう。人に求めすぎず、自分なりにやってみようとすることも大事でしょう。自分の心の中に、人の評価や思惑によって左右されない領域を育み、自分なりにやったことを肯定できるようになったとき、周りとの関係も安定したものになるに違いありません。そして、あなたが抱えている過敏で傷つきやすい心も、外の世界と上手にバランスがとれるようになっていることでしょう。
感想;
二分法的認知(0か100か)でものごとは見ない方がよいので、HSPかそうでないかではなく、誰しもHSPの要素を持っていて、そのために自分が苦しんで日常生活に支障をきたしているかどうかが問題なのだと思います。
HSPは視点を変えると感覚がするどいので、芸術やあるいは科学の分野では誰も気づかない点をひらめいたりしますので、それは大きなメリットにもなります。
対処方法はHSPの人だけのものではなく、多くの人のヒントになるように思いました。
私は何かお願いする時、
「~していただけると助かります」
「~していただけるとありがたいです」
「~していただけると嬉しいです」
の言葉を使うように心がけています。
この用語を初めて使ったのは、ユング派の心理療法家であるエレイン・N・アーロン。
・過敏な傾向があると感じている人はそうでない人に比べて、糖尿病の罹患率が1.54倍、脂質異常症が1.62倍、向精神薬を服用したことがある人の割合が1.78倍、うつ病と診断されている人の割合が2.24倍にも上がったのです。また、強いストレスを感じていると判定される割合は1.89倍、不眠に悩まされている人は2.05倍、不安に苦しんでいると答えた人は1.93倍でした。
・過敏な人は、ネガティブな人よりも生きづらい。
・感覚プロファイル
神経学的な閾値
高い
低い 低登録 感覚探求 高い 行動反応・自己調節
感覚過敏 感覚回避
低い
・低登録;反応が起きにくい、無頓着、冗談が分からない、朝起きが苦手
・感覚探求;気分の波がある、刺激を求める傾向
・感覚過敏;注意散漫、多動、落ち着きがない
・感覚回避;その場を離れる、決まった行動を好む
これがわかると、その人の感覚処理における傾向や直面しやすい困難を予想することができ、どう対処してよいかがわかる。
・心理社会的過敏性
人に対しておどおどしたり、顔色を過度に窺ったり、傷つきやすかったり、猜疑心が強まったりする心理社会的な過敏性です。
・感覚過敏な人は、刺激がありすぎる環境を避けようとするのが普通です。人づき合いを控えて、一人で静かに暮らしたり、人ごみを避け、自分の部屋でのんびり過ごすのを好みます。
・物事を両極端にとらえやすい。過敏な傾向が強い人では、二分法的認知の傾向を持つ人が、そうでない人の4倍程度いることがわかります。
・心の理論とは、相手の立場になって、相手の気持ちを推測する能力のこと。
・著者の臨床的な経験から言うと、不安の根源は、幼い子どもが母親から離れるときに感じる分離不安に由来していると思います。愛着不安とも言い換えることができます。
・愛着不安が強い人は、突然の事態が苦手
このタイプの人をサプライズのプレゼントで喜ばせるのは、あまり得策ではないかもしれません。
・ストレスを上手に吐き出せない人は身体的症状が出やすい。
・身体化しやすい人は愛着不安が強い。
・どうすれば心配事やさまざまな雑念を減らすことができるか、役に立つ方法は、頭で考えるのをやめて、書き留めるということです。
・ボーとすることも大切、過敏な人には必要なのです。
・抵抗力を高める方法
1)お薬を使う
・非定型抗精神病薬
・SSRI
・漢方薬
2)心理的アプローチ
・幸福は自分で手に入れるもの
・無意識の縛りから自由になる
・肯定的認知は幸福と社会適応を高める
・幸福な人のふるまいをまねる
・理想の自己像について夢を膨らませる
・人に親切にする
・感謝する
境界性パーソナリティ障害から回復し始めた人が異口同音にくちにするようになるのが、自分を支えてくれた人への感謝の気持ちです。感謝を口にできるようなることで、さらに周囲の人との関係も良くなり、安定を増していくという好循環に変わっていくのです。
・人生において良いことを三つ書いてもらう取り組み
・自分の強みとなることを新しいやり方で生かす
・二分法的認知(0か100か)の克服
・良いところ探し
・第三者の視点を持つ(自分のことを第三者的なな目で眺める)
・認知/行動/感情のどこかを変える。
・三分間呼吸法
・背筋を伸ばして座り、軽く目を閉じる
・自分の心の状態を感じます。
・呼吸に目を向ける。鼻から入り、気管を通り、肺に吸い込まれていくときの感覚を味わう。
・体の感覚に目を向ける。足先から膝、腿、お尻、おなか、背中、腕、肩、首、顔、頭と。
・家事をする。料理をする。
・新世代の認知行動療法 ACTに基づいた慢性疼痛の治療プログラム。
「人生において何が重要だと思いますか」と問いかけます。「痛みや苦しみを避けるために、自分が大切にしていることから遠ざかっていることではないですか」
・安全基地を強化する
アメリカの真理学者ハリー・ハーロウ
子ザルの飼育は困難を極めた。早く死んでしまうか、生き延びても生気に欠け、ぼんやり座り込んだまま体をゆすったり指を吸う行為を只繰り返すばかりでした。他の子ザルと一緒にしようとすると、強い拒否反応を起こしてしまいました。あるとき、床に敷いているある布にしがみついて離れない子ザルを見たハーロウは、布を巻きつけた人形を作ってみました。ほとんどの時間をその人形にしがみついて過ごすようになったのです。その後、人形を天井からつりさげて、子ザルが動くと人形も揺れるようにしてみたところ、子ザルは一段と元気になり、安定を増しました。犬と一緒に過ごさせると、さらに周囲とのかかわりが増え、情緒的な安定も改善したのです。
・愛着は相互的なもの
愛情や世話を注ぐことで、世話を受けた人は、世話をしてくれた人に対して愛着をもつようになりますが、世話をした方も、相手の存在を大切に思うのです。逆に、相手のことを軽くあしらったり、いらだったり、不満ばかり感じているとき、相手も同じように感じ、あなたに心からの信頼を寄せなくなっていきます。
・安全基地を失わせているのは自分自身かもしれない。
相手のできていないところやダメなところばかり言い立て、責めてしまう対応が安全基地を破壊する行為になります。自分が相手の安全基地になるように努力するのが一番近道なのです。
・「どうしてやってくれないの?」ではなく、「やってくれるとうれしいな」と、素直にお願いした方が、ずっと聞き入れてもらいやすいのです。
・賢明なやり方は、この人はこういう人だと割り切ることです。
・愛着の本性から考えて、われわれにとって重要なのは、それがロボットか人間かよりも、自分が求めたとき、それが相手をしてくれるかどうかということなのです。心理学者ハリー・ハーロウの実験がいみじくも示したように、不愛想な生身の母親よりも、愛想よく反応してくれ母親ロボットの方が、子どもにとってずっと好ましいのです。
・われわれにできる最善のことは、自分自身が自分の安全基地になるということかもしれません。そのためには、うまくいかないことで自分を責めないことも大事でしょう。人に求めすぎず、自分なりにやってみようとすることも大事でしょう。自分の心の中に、人の評価や思惑によって左右されない領域を育み、自分なりにやったことを肯定できるようになったとき、周りとの関係も安定したものになるに違いありません。そして、あなたが抱えている過敏で傷つきやすい心も、外の世界と上手にバランスがとれるようになっていることでしょう。
感想;
二分法的認知(0か100か)でものごとは見ない方がよいので、HSPかそうでないかではなく、誰しもHSPの要素を持っていて、そのために自分が苦しんで日常生活に支障をきたしているかどうかが問題なのだと思います。
HSPは視点を変えると感覚がするどいので、芸術やあるいは科学の分野では誰も気づかない点をひらめいたりしますので、それは大きなメリットにもなります。
対処方法はHSPの人だけのものではなく、多くの人のヒントになるように思いました。
私は何かお願いする時、
「~していただけると助かります」
「~していただけるとありがたいです」
「~していただけると嬉しいです」
の言葉を使うように心がけています。