見逃し 5/16(月) 午後7:30-午後7:57 放送
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2022051608600?autoplay=true
NHKの受信料を払っている人は登録して見ることができます。
薬が不足しているのは知っていました。
薬不足が健康被害を起こしていることまでは知りませんでした。
てんかんの患者さんが普段飲んでいた薬が手に入らなくなり、違う薬効の薬に換えたら、それまで安定していたてんかん症状がおかしくなり、「てんかん重積発作」を起こしてしまわれました。
脳にダメージを与えます。
救急車で運ばれ、別の薬を投与され、発作は抑えられいるが前のような生活を送れなくなっているそうです。
他にも、前の薬では寝られたのに、別の会社の薬(成分は同じ)では寝られなくなったと訴えている患者さんもいました。
ジェネリックが日本ではなかなか普及しませんでした。
そこで大蔵省は厚労省に「ジェネリック品が先発品と同じ品質にせよ」と指示し、厚労省が製薬協に協力を依頼し、”溶出試験”の4液性の溶出パターン(=服用後の薬剤の血中濃度)を先発品と後発品(ジェネリック)で同じにさせました。
それまでは先発品とジェネリックでは溶出パターンが違っていましたので服用後の血中濃度が違い、有効性と副作用が異なっていました。
ほぼ同じになり、それまでジェネリックのシェアが3割程度であったのが、8割近くまで増えました。
多くのジェネリックメーカーが売り上げと利益を上げ、その分先発メーカは減らしました。
多額の研究開発費なしで販売できるからです。
同じ効果なのに違うのは下記の可能性があります。
1)溶出試験は100%服用後の血中濃度が同じとは言えない。
(しかし、血中濃度の比較はもっと差を検出できない方法です)
2)成分は同じでも添加剤が違うので、その添加剤の影響もある。
3)4液性でジェネリックは先発品と同じだと確認された。
しかし、その後変わっている可能性があります。
実際変わっていて、学会報告され、それを改善するために「ジェネリック医薬品品質情報検討会」を立ち上げ、変わったものを調べ元に戻すことを行っています。
ただ、パンドラの箱があり、4液性を評価したのは医薬品を製造してからまだフレッシュな医薬品です。
医薬品は一般に製造後3年の有効期間を持っています。
では1年後、2年後、有効期間前の4液性は同じなのでしょうか?
それは棚上げになっていますというか、それは限界なのです。
先発品も変わっている可能性もあるのです。
番組では、神奈川県立保健福祉大学の坂巻弘之先生が解説されていました。
薬が品薄になった理由を二つ挙げられていました。
1)高齢者が増え、需要が高まった
2)小林化工の品質問題発端で、当局の指導による製品回収。
それから他の製造所の査察による問題露見による製品回収
それを受け各社の自主点検と自主出荷抑制での供給不足
直ぐに製造できないのは製造のキャパシティがないとのことでした。
本来先発メーカーだけで供給を担っていたのです。
その部分をジェネリックメーカーに移ったのです。
キャパシティはあるのですが、製品回収させ自主出荷停止させているので出荷できないのです。
また、薬価が2004年時は先発の価格の7割がジェネリックの価格でしたが、
2016年には価格が5割になり、利益が得られなくなったと説明されていました。
確かにそれもあると思います。
しかし、利益は出ていたのです。
今回の問題が出るまで多くのジェネリックメーカーが売り上げを伸ばし利益を増やしてきました。
経営層が欲を出し過ぎたのです。
イソップ寓話『ガチョウと黄金の卵』
製造量が増えているのに、品質管理部の人員を増やさなかったために、適切な品質管理が出来なかったのです。
いくら人が不足していても、やってはいけないことでした。
お腹が空いて空いているので田畑から野菜を盗むようなものです。
経営層は「ガンバレ! 創意工夫せよ」というだけです。
でも不正は絶対にしてはいけないのですが、GMP不正を多くの製造所が行っていました。
小林化工の品質問題はコンタミですから、当然製品回収すべきものです。
しかし、その後の品質問題での製品回収は、重箱の隅をほじくるようなものです。
なぜなら、熊本県の化血研の承認書との齟齬(40年間)では製品回収はなく、かつ出荷停止処分にしたのですが、品薄になると出荷停止を解除しました。
出荷停止を解除する理由が必要だったので、品質は問題ないとしました。
また、和歌山県の山本化学の原薬アセトアミノフェンでは以下の3つの違反がありました。
1)中国産アセトアミノフェンをMF登録せずに使った
2)GMPで中国産アセトアミノフェンとせずに記録を偽造して使った
3)製造販売承認書に中国産アセトアミノフェンが記載されていないのに使った
しかし、製品回収も出荷停止もしませんでした。
なぜなら、70のシェアを持っていたからです。
回収するとその原薬を使った解熱剤や風邪薬が欠品するからです。
製品回収は行わないことは過去にもありましたが、違反した原薬は通常使用禁止にしていました。
ところが在庫の違反した原薬を使わないと、欠品が起きます。
そこで当局は品質に問題ないとの根拠が必要になります。
アセトアミノフェンは日本薬局方(日局)収載品なので、日局の試験を行って適合したので品質は問題ないとして、在庫のアセトアミノフェンは使って良いとして製販は使って製剤を出荷しました。
ところが、今ジェネリックで製品回収や自主出荷停止は、それらよりもまだましな品質問題です。
確かに品質問題は問題ですが、
1)健康被害を起こしてまで回収して品不足を起こして良いのか?
2)化血研や山本化学(アセトアミノフェン)では回収させなかったのになぜ、ジェネリック製品を回収させているか?
があります。
今回の番組は、NHKなので報道の限界があるのかもしれませんが、見ていて全体像の一部を報道されているように思いました。
薬機法の目的は、医薬品の安定供給を通して、品質、有効性、安全性を確保の上、国民の健康維持向上です。
確かに品質で問題はありますが、国民の健康を害してまで回収するものでしょうか?
もし回収するなら、化血研と山本化学(アセトアミノフェン)との違いはなんでしょうか?
日本では虫がいた、毛髪があったで回収になっています。
確かによくないことです。
でも回収させるまでしなくてよいと思います。
当分品不足は続くとの説明でした。
当局が枝葉末節の回収を止めればすぐに供給は満たされます。
今回の番組の第二弾があるのであれば、枝葉末節の製品回収についても取り上げて欲しいものです。
そこでは化血研や山本化学工業(アセトアミノフェン)は回収も出荷停止もなかったのに、なぜ今同じ製造販売承認書齟齬やGMP不正で製品拐取、出荷停止が起きているのか、その違いは?
山本化学工業では、和歌山県が行政処分と改善命令を出しています。
原薬製造所の品質指導、またその原薬を使った製品の品質責任は聖像販売会社の責任です。
しかし、製造販売会社には改善命令が出されていません。
なぜ出されなかったのでしょうか?
一定の基準で、製品回収、出荷停止、改善命令、改善命令を出して欲しいです。
そこには別の基準があるように思えてなりません。
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2022051608600?autoplay=true
NHKの受信料を払っている人は登録して見ることができます。
薬が不足しているのは知っていました。
薬不足が健康被害を起こしていることまでは知りませんでした。
てんかんの患者さんが普段飲んでいた薬が手に入らなくなり、違う薬効の薬に換えたら、それまで安定していたてんかん症状がおかしくなり、「てんかん重積発作」を起こしてしまわれました。
脳にダメージを与えます。
救急車で運ばれ、別の薬を投与され、発作は抑えられいるが前のような生活を送れなくなっているそうです。
他にも、前の薬では寝られたのに、別の会社の薬(成分は同じ)では寝られなくなったと訴えている患者さんもいました。
ジェネリックが日本ではなかなか普及しませんでした。
そこで大蔵省は厚労省に「ジェネリック品が先発品と同じ品質にせよ」と指示し、厚労省が製薬協に協力を依頼し、”溶出試験”の4液性の溶出パターン(=服用後の薬剤の血中濃度)を先発品と後発品(ジェネリック)で同じにさせました。
それまでは先発品とジェネリックでは溶出パターンが違っていましたので服用後の血中濃度が違い、有効性と副作用が異なっていました。
ほぼ同じになり、それまでジェネリックのシェアが3割程度であったのが、8割近くまで増えました。
多くのジェネリックメーカーが売り上げと利益を上げ、その分先発メーカは減らしました。
多額の研究開発費なしで販売できるからです。
同じ効果なのに違うのは下記の可能性があります。
1)溶出試験は100%服用後の血中濃度が同じとは言えない。
(しかし、血中濃度の比較はもっと差を検出できない方法です)
2)成分は同じでも添加剤が違うので、その添加剤の影響もある。
3)4液性でジェネリックは先発品と同じだと確認された。
しかし、その後変わっている可能性があります。
実際変わっていて、学会報告され、それを改善するために「ジェネリック医薬品品質情報検討会」を立ち上げ、変わったものを調べ元に戻すことを行っています。
ただ、パンドラの箱があり、4液性を評価したのは医薬品を製造してからまだフレッシュな医薬品です。
医薬品は一般に製造後3年の有効期間を持っています。
では1年後、2年後、有効期間前の4液性は同じなのでしょうか?
それは棚上げになっていますというか、それは限界なのです。
先発品も変わっている可能性もあるのです。
番組では、神奈川県立保健福祉大学の坂巻弘之先生が解説されていました。
薬が品薄になった理由を二つ挙げられていました。
1)高齢者が増え、需要が高まった
2)小林化工の品質問題発端で、当局の指導による製品回収。
それから他の製造所の査察による問題露見による製品回収
それを受け各社の自主点検と自主出荷抑制での供給不足
直ぐに製造できないのは製造のキャパシティがないとのことでした。
本来先発メーカーだけで供給を担っていたのです。
その部分をジェネリックメーカーに移ったのです。
キャパシティはあるのですが、製品回収させ自主出荷停止させているので出荷できないのです。
また、薬価が2004年時は先発の価格の7割がジェネリックの価格でしたが、
2016年には価格が5割になり、利益が得られなくなったと説明されていました。
確かにそれもあると思います。
しかし、利益は出ていたのです。
今回の問題が出るまで多くのジェネリックメーカーが売り上げを伸ばし利益を増やしてきました。
経営層が欲を出し過ぎたのです。
イソップ寓話『ガチョウと黄金の卵』
製造量が増えているのに、品質管理部の人員を増やさなかったために、適切な品質管理が出来なかったのです。
いくら人が不足していても、やってはいけないことでした。
お腹が空いて空いているので田畑から野菜を盗むようなものです。
経営層は「ガンバレ! 創意工夫せよ」というだけです。
でも不正は絶対にしてはいけないのですが、GMP不正を多くの製造所が行っていました。
小林化工の品質問題はコンタミですから、当然製品回収すべきものです。
しかし、その後の品質問題での製品回収は、重箱の隅をほじくるようなものです。
なぜなら、熊本県の化血研の承認書との齟齬(40年間)では製品回収はなく、かつ出荷停止処分にしたのですが、品薄になると出荷停止を解除しました。
出荷停止を解除する理由が必要だったので、品質は問題ないとしました。
また、和歌山県の山本化学の原薬アセトアミノフェンでは以下の3つの違反がありました。
1)中国産アセトアミノフェンをMF登録せずに使った
2)GMPで中国産アセトアミノフェンとせずに記録を偽造して使った
3)製造販売承認書に中国産アセトアミノフェンが記載されていないのに使った
しかし、製品回収も出荷停止もしませんでした。
なぜなら、70のシェアを持っていたからです。
回収するとその原薬を使った解熱剤や風邪薬が欠品するからです。
製品回収は行わないことは過去にもありましたが、違反した原薬は通常使用禁止にしていました。
ところが在庫の違反した原薬を使わないと、欠品が起きます。
そこで当局は品質に問題ないとの根拠が必要になります。
アセトアミノフェンは日本薬局方(日局)収載品なので、日局の試験を行って適合したので品質は問題ないとして、在庫のアセトアミノフェンは使って良いとして製販は使って製剤を出荷しました。
ところが、今ジェネリックで製品回収や自主出荷停止は、それらよりもまだましな品質問題です。
確かに品質問題は問題ですが、
1)健康被害を起こしてまで回収して品不足を起こして良いのか?
2)化血研や山本化学(アセトアミノフェン)では回収させなかったのになぜ、ジェネリック製品を回収させているか?
があります。
今回の番組は、NHKなので報道の限界があるのかもしれませんが、見ていて全体像の一部を報道されているように思いました。
薬機法の目的は、医薬品の安定供給を通して、品質、有効性、安全性を確保の上、国民の健康維持向上です。
確かに品質で問題はありますが、国民の健康を害してまで回収するものでしょうか?
もし回収するなら、化血研と山本化学(アセトアミノフェン)との違いはなんでしょうか?
日本では虫がいた、毛髪があったで回収になっています。
確かによくないことです。
でも回収させるまでしなくてよいと思います。
当分品不足は続くとの説明でした。
当局が枝葉末節の回収を止めればすぐに供給は満たされます。
今回の番組の第二弾があるのであれば、枝葉末節の製品回収についても取り上げて欲しいものです。
そこでは化血研や山本化学工業(アセトアミノフェン)は回収も出荷停止もなかったのに、なぜ今同じ製造販売承認書齟齬やGMP不正で製品拐取、出荷停止が起きているのか、その違いは?
山本化学工業では、和歌山県が行政処分と改善命令を出しています。
原薬製造所の品質指導、またその原薬を使った製品の品質責任は聖像販売会社の責任です。
しかし、製造販売会社には改善命令が出されていません。
なぜ出されなかったのでしょうか?
一定の基準で、製品回収、出荷停止、改善命令、改善命令を出して欲しいです。
そこには別の基準があるように思えてなりません。