一般社団法人日本看護倫理学会は、次世代型 mRNA ワクチンとして、世界で唯一日本の みで認可され、2024 年 10 月 1 日から定期接種を開始するとされている自己増幅型 mRNA ワクチン(レプリコンワクチン)の安全性および倫理性に関する懸念を表明します。
はじめに
新型コロナウイルス感染症に対する予防手段として遺伝子操作型ワクチンである mRNA ワクチンが導入され、多くの国民が接種しました。
いままでのワクチンが、ウイルスや細菌などの病原体を弱毒化したものやその成分を抗 原として接種しヒトの免疫応答を誘導するのに対し、遺伝子操作型ワクチンは、当該抗原 (スパイクタンパク質)をヒトの細胞内の遺伝機構を用いて作らせる点が大きく異なります。
そして、昨年 11 月 28 日に、自己増幅型 mRNA ワクチン(レプリコンワクチン)が世界 に先駆けて日本で認可され(CSL, 2023; Sheridan, 2024)、以来日本は世界で唯一の認可国 となっています。認可されたレプリコンワクチンは米国の Arcturus Therapeutics が開発 し、ベトナムでの大規模な治験(第 I~第 III 相臨床試験)(Ho"et al., 2024)を経て、製造と 販売を日本の Meiji Seika ファルマが行なうものです。 レプリコンワクチンは、これまでの mRNA ワクチンの抗原産生機能に加え自分自身を複 製する機能があるため、少量の接種で長期間スパイクタンパク質を産生します。このレプリ コンワクチンは 2024 年 10 月 1 日をめどに定期接種を開始する(読売新聞, 2024)とされて いますが、本学会は以下の通り、このワクチンの安全性・倫理性に関する懸念を表明します。
1. レプリコンワクチンが開発国や先行治験国で認可されていないという問題
日本がレプリコンワクチンを認可してから 8 ヶ月が経過していますが、開発国である米 国や大規模治験を実施したベトナムをはじめとする世界各国で未だにレプリコンワクチン が認可されていないのはなぜでしょうか。
2. シェディングの問題
レプリコンワクチンが「自己複製する mRNA」であるために、レプリコンワクチン自体 が接種者から非接種者に感染(シェディング)するのではないかとの懸念があります(Seneff & Nigh, 2021)。すなわちそれは、望まない人にワクチンの成分が取り込まれてしまうとい う倫理的問題をはらんでいます。これは医療において最も重要で最も基本的な倫理原則で ある「危害を与えない」ことへの重大な侵害といえます。
3. 将来の安全性に関する問題
遺伝子操作型 mRNA ワクチンは、人体の細胞内の遺伝機構を利用し抗原タンパク質を生についての懸念が強く存在します。
4. インフォームドコンセントの問題
従来の mRNA ワクチンで指摘されていた重篤な副作用については、臨床試験の段階にお いても(Cardozo & Veazey, 2021)、実際に接種が開始されてからも(Slawotsky, 2023)、被 接種者に十分な説明が行われてこなかったことが示されており、インフォームドコンセン トを基盤とする医療のあり方を揺るがしかねない事態に私どもは強い懸念をもっています。
5. 接種勧奨と同調圧力の問題
結論
一般社団法人日本看護倫理学会は、レプリコンワクチンの導入に関してはさらなる研究 と長期的な安全性データの収集が必要であり、十分なインフォームドコンセントの確保と、 接種に関する勧奨と同調圧力の排除が求められると考えます。われわれは、安全かつ倫理的 に適切なワクチンの開発と普及を強く支持するものではありますが、そのいずれも担保さ れていない現段階において拙速にレプリコンワクチンを導入することには深刻な懸念を表明します。
2024年8月7日 一般社団法人日本看護倫理学会 理事長 前田樹海
感想;
受ける人は、十分リスクを理解して受けるのでしょうか?
また医師は十分リスクを説明されるのでしょうか?
知らない人が被害を受けるリスクがあるかもしれません。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます