http://www.news-postseven.com/archives/20161123_467399.html 2016.11.23
周囲からメンタルが強いと思われている人が、実は落ち込みやすい性格だった──。そういうことも珍しくないはずだ。女優・真矢ミキさん(52才)もそんな1人だという。真矢さんが、悩みを抱えていた頃を告白する。
* * *
マネジャーが言う。
「真矢さんはメンタルの回復力が半端ないですね。落ち込んだ所からV字で這い上がってくる。今まで数々のかたを見てきましたが、1位、2位を争う感じだと。いゃ~! 自分は思います」
信じられない言葉だった。なぜなら何を隠そう、かつての私はいつまでもいつまでもマイナスの感情の渦から這い上がれず、病気にまでなってしまった人間だったから──。
最初は30才を過ぎたばかりのころ。悩みが深すぎて食べるという行為が困難になりました。ごはん粒を一口のみ込むことが難しくて、「液体や錠剤で栄養がとれて、体重が維持できる物を誰か発明してくれないか」と本気で思っていました。日に日に減っていく体重が怖くて、顔を洗うたびに手のひらの中で小さくなっていく自分の顔が怖くてたまらなかった。
次は、宝塚を退団したあとです。レッスンや稽古がない日々をどう過ごせばいいのかわからずに、今度は食べることがやめられなくなってしまいました。
どっちも完全に心のバランスを失ってましたね。失いすぎて食事の適量がわからなくなっていたわけです。そのころの私には、心の耐震構造がなかったんだと思います。だからグラグラ揺れて壊れちゃった。ゆるみとか遊びの部分がなくて。
でもそのくらい、15歳から30代まで20年間、宝塚でずっと積み上げてきたことをリセットするのは激震だったんです。ただ単に「男役ができなくなった」とか、そういうことじゃない。自分の世界が崩壊して、どんなふうに立っていれば倒れないのか、見当もつかない。
宝塚時代の私は、ものすごく愛されていたけど、でもそれは生身の私自身をじゃなくて、舞台上で男役を演じている私の一部分だけを愛してくれていたんじゃないか。
私が宝塚という化粧や衣装を取り去った途端、誰もがそっぽを向いてしまったような気がして、どうしようもなかったんですよね。そしたら…うつになっていたんですねぇ…。
あるとき友人に、「私さ、なんで生きてるのかわかんなくなった」と言ってしまいました。そしたら彼女がこう言ったんです。
「じゃ、とりあえず私はあなたが必要だから生きててよ」って。軽い調子で。このひと言は、まるでカビのように負の感情が繁殖していた私の心をパンパン!と払ってくれました。
よし、生きよう。まずは人に会って話をしよう。人に好かれることより、自分が人を好きになろう。
たくさんのいろんな立場や職業の人と会って、話して、やっと人としての入口に立てたような気がしたのを昨日のことのように思い出します。
ボコボコに頭をぶつけてやっと今にたどり着いたけれど、だからこそあの時代のことはこう言いたい。
「わたくし、真矢ミキ、軽くうつでした!」
※女性セブン2016年12月1日号
感想;
たった、一言で、真矢さんの気持ちが変わりました。
「なんで生きているのかわかんなくなった」
それは生きる意味の喪失だったのでしょう。
生きる意味を見出した人は、自分の置かれた環境が悪くても生きるエネルギーを自ら出していきます。
一方、置かれた環境が良くても、生きる意味を見いだせていない人は人生を虚しく感じます。
さまざまな心理療法がありますが、多くの心理療法は、心の持ち方を対象としています。
フロイトが患者さんから尋ねられました。
患者;「私の悩みはなくなるでしょうか?」
フロイト;「あなたが今悩んでいる小さな悩みはなくなります。でも、もっと大きな悩み(人生をどう生きるか)が生まれます」
この生きる意味を考える心理療法が、ロゴセラピーです。
「人生から問われています。どう行きますか?」
それに対して「イエスと言って」、その与えられた環境で意味を見出して生きる。
意味を見つけるまなざしは、自分に向くのではなく、外に向かうことで意味を見出します。
”誰かのために、何かのために”
瀬戸内寂聴さんがよく言われている”亡己利他”(己を失くして他を利する)に通じるものです。
仏教には”七施”があります。
その一つに、愛語(言辞施(ごんじせ))があります。
まさに、お友達が真矢さんに言われた言葉「私はあなたが必要だから生きててよ」は、お友達が真矢さんに生きていて欲しいと思っての言葉だったのでしょう。
言葉で人は悲しみ、喜びます。
良寛さんは、何も与えるものがなかったので、その人に相応しい言葉を選んで、紙に書いてあげたそうです。
人は言葉を選びます。
一方、言葉も人を選びます。
同じ言葉でも、誰の口から発した言葉かによって重みが変わります。
言葉に相応しい行動が大切なのでしょう。
ロゴセラピー;
日本ロゴセラピーゼミナール
ロゴセラピーの紹介ページ;
http://inorinohinshitu.sakura.ne.jp/logo
周囲からメンタルが強いと思われている人が、実は落ち込みやすい性格だった──。そういうことも珍しくないはずだ。女優・真矢ミキさん(52才)もそんな1人だという。真矢さんが、悩みを抱えていた頃を告白する。
* * *
マネジャーが言う。
「真矢さんはメンタルの回復力が半端ないですね。落ち込んだ所からV字で這い上がってくる。今まで数々のかたを見てきましたが、1位、2位を争う感じだと。いゃ~! 自分は思います」
信じられない言葉だった。なぜなら何を隠そう、かつての私はいつまでもいつまでもマイナスの感情の渦から這い上がれず、病気にまでなってしまった人間だったから──。
最初は30才を過ぎたばかりのころ。悩みが深すぎて食べるという行為が困難になりました。ごはん粒を一口のみ込むことが難しくて、「液体や錠剤で栄養がとれて、体重が維持できる物を誰か発明してくれないか」と本気で思っていました。日に日に減っていく体重が怖くて、顔を洗うたびに手のひらの中で小さくなっていく自分の顔が怖くてたまらなかった。
次は、宝塚を退団したあとです。レッスンや稽古がない日々をどう過ごせばいいのかわからずに、今度は食べることがやめられなくなってしまいました。
どっちも完全に心のバランスを失ってましたね。失いすぎて食事の適量がわからなくなっていたわけです。そのころの私には、心の耐震構造がなかったんだと思います。だからグラグラ揺れて壊れちゃった。ゆるみとか遊びの部分がなくて。
でもそのくらい、15歳から30代まで20年間、宝塚でずっと積み上げてきたことをリセットするのは激震だったんです。ただ単に「男役ができなくなった」とか、そういうことじゃない。自分の世界が崩壊して、どんなふうに立っていれば倒れないのか、見当もつかない。
宝塚時代の私は、ものすごく愛されていたけど、でもそれは生身の私自身をじゃなくて、舞台上で男役を演じている私の一部分だけを愛してくれていたんじゃないか。
私が宝塚という化粧や衣装を取り去った途端、誰もがそっぽを向いてしまったような気がして、どうしようもなかったんですよね。そしたら…うつになっていたんですねぇ…。
あるとき友人に、「私さ、なんで生きてるのかわかんなくなった」と言ってしまいました。そしたら彼女がこう言ったんです。
「じゃ、とりあえず私はあなたが必要だから生きててよ」って。軽い調子で。このひと言は、まるでカビのように負の感情が繁殖していた私の心をパンパン!と払ってくれました。
よし、生きよう。まずは人に会って話をしよう。人に好かれることより、自分が人を好きになろう。
たくさんのいろんな立場や職業の人と会って、話して、やっと人としての入口に立てたような気がしたのを昨日のことのように思い出します。
ボコボコに頭をぶつけてやっと今にたどり着いたけれど、だからこそあの時代のことはこう言いたい。
「わたくし、真矢ミキ、軽くうつでした!」
※女性セブン2016年12月1日号
感想;
たった、一言で、真矢さんの気持ちが変わりました。
「なんで生きているのかわかんなくなった」
それは生きる意味の喪失だったのでしょう。
生きる意味を見出した人は、自分の置かれた環境が悪くても生きるエネルギーを自ら出していきます。
一方、置かれた環境が良くても、生きる意味を見いだせていない人は人生を虚しく感じます。
さまざまな心理療法がありますが、多くの心理療法は、心の持ち方を対象としています。
フロイトが患者さんから尋ねられました。
患者;「私の悩みはなくなるでしょうか?」
フロイト;「あなたが今悩んでいる小さな悩みはなくなります。でも、もっと大きな悩み(人生をどう生きるか)が生まれます」
この生きる意味を考える心理療法が、ロゴセラピーです。
「人生から問われています。どう行きますか?」
それに対して「イエスと言って」、その与えられた環境で意味を見出して生きる。
意味を見つけるまなざしは、自分に向くのではなく、外に向かうことで意味を見出します。
”誰かのために、何かのために”
瀬戸内寂聴さんがよく言われている”亡己利他”(己を失くして他を利する)に通じるものです。
仏教には”七施”があります。
その一つに、愛語(言辞施(ごんじせ))があります。
まさに、お友達が真矢さんに言われた言葉「私はあなたが必要だから生きててよ」は、お友達が真矢さんに生きていて欲しいと思っての言葉だったのでしょう。
言葉で人は悲しみ、喜びます。
良寛さんは、何も与えるものがなかったので、その人に相応しい言葉を選んで、紙に書いてあげたそうです。
人は言葉を選びます。
一方、言葉も人を選びます。
同じ言葉でも、誰の口から発した言葉かによって重みが変わります。
言葉に相応しい行動が大切なのでしょう。
ロゴセラピー;
日本ロゴセラピーゼミナール
ロゴセラピーの紹介ページ;
http://inorinohinshitu.sakura.ne.jp/logo