密度の濃いドラマだった。
まずはお市(北川景子)。
「わたしは誇り高き織田家の娘じゃ」
と投降を拒否し、
「このいくさの総大将はこの市だと心得ておる!」
これを受けて、膝をつき、市に頭を下げる柴田勝家(吉原光夫)。
おおっ、ここで勝家が膝をついた!
今までのお市の最期だと「誇り高き織田家の娘じゃ」で終わっていたが、
二の手、三の手のドラマを用意していた。
勝家にとって市は妻ではなく、主君・信長(岡田准一)の血筋を引く人なんですね。
そして、市は気高い。
家康にもドラマを用意した。
「お市様のことはこの竹千代がお助けいたします」
という子供の頃の古い約束を家康は守れなかった。
織田家の大勢はすべて秀吉(ムロツヨシ)の方へ。
和議を結んだとはいえ、家康の背後には北条がいて、いつ牙を剥いてくるかわからない。
甲斐、信濃の統治も不安定だ。
こんな状況下、家康は「祈ること」しかできない。
そして市の死を知って、「秀吉はわしが倒す」と宣言!
起伏のある展開だ。
三つ目は茶々(白鳥玉季)。
驚いた! すごい描写だった!
助けに来ない家康に「茶々はあの方を恨みます」
なるほど、そう来たかと思っていたら、
母が織田家の娘として死を選んだことを知ると、
「母上の無念を茶々が晴らしします。茶々が天下を取ります」
まあ、流れとしてこれもあるよね、と思っていたら、投降後、秀吉に面会。
秀吉の手を握って秀吉を見つめて微笑んだ。
秀吉は一瞬、喜ぶが、思わず目を逸らしてしまう。
あの秀吉が目を逸らした!
茶々の中ではすでに天下簒奪のプランができているようだ。
つまり、秀吉に天下を取らせ、その後に自分が奪う。
その意思を目の演技だけで描いてみせた。
茶々を演じたのは白鳥玉季さん。
すごい女優さんが現われたかもしれない。
もちろん、これを受けて目を逸らしたムロツヨシさんも上手いのだが。
『どうする家康』
新キャストが発表されたが、末期の豊臣家の姿もしっかり描くようだ。
その中心となるのが茶々だが、どんな茶々(淀殿)が描かれるのだろう?
従来どおりの親バカで思慮の浅い、ヒステリックな淀殿ではない気がする。
今作のもうひとつのモチーフである「おなごの戦い」が展開されそうだ。
まずはお市(北川景子)。
「わたしは誇り高き織田家の娘じゃ」
と投降を拒否し、
「このいくさの総大将はこの市だと心得ておる!」
これを受けて、膝をつき、市に頭を下げる柴田勝家(吉原光夫)。
おおっ、ここで勝家が膝をついた!
今までのお市の最期だと「誇り高き織田家の娘じゃ」で終わっていたが、
二の手、三の手のドラマを用意していた。
勝家にとって市は妻ではなく、主君・信長(岡田准一)の血筋を引く人なんですね。
そして、市は気高い。
家康にもドラマを用意した。
「お市様のことはこの竹千代がお助けいたします」
という子供の頃の古い約束を家康は守れなかった。
織田家の大勢はすべて秀吉(ムロツヨシ)の方へ。
和議を結んだとはいえ、家康の背後には北条がいて、いつ牙を剥いてくるかわからない。
甲斐、信濃の統治も不安定だ。
こんな状況下、家康は「祈ること」しかできない。
そして市の死を知って、「秀吉はわしが倒す」と宣言!
起伏のある展開だ。
三つ目は茶々(白鳥玉季)。
驚いた! すごい描写だった!
助けに来ない家康に「茶々はあの方を恨みます」
なるほど、そう来たかと思っていたら、
母が織田家の娘として死を選んだことを知ると、
「母上の無念を茶々が晴らしします。茶々が天下を取ります」
まあ、流れとしてこれもあるよね、と思っていたら、投降後、秀吉に面会。
秀吉の手を握って秀吉を見つめて微笑んだ。
秀吉は一瞬、喜ぶが、思わず目を逸らしてしまう。
あの秀吉が目を逸らした!
茶々の中ではすでに天下簒奪のプランができているようだ。
つまり、秀吉に天下を取らせ、その後に自分が奪う。
その意思を目の演技だけで描いてみせた。
茶々を演じたのは白鳥玉季さん。
すごい女優さんが現われたかもしれない。
もちろん、これを受けて目を逸らしたムロツヨシさんも上手いのだが。
『どうする家康』
新キャストが発表されたが、末期の豊臣家の姿もしっかり描くようだ。
その中心となるのが茶々だが、どんな茶々(淀殿)が描かれるのだろう?
従来どおりの親バカで思慮の浅い、ヒステリックな淀殿ではない気がする。
今作のもうひとつのモチーフである「おなごの戦い」が展開されそうだ。
お市が家康を慕っていたとする「大胆な設定」が「大坂冬の陣」に至るまでのストーリーの柱となっているという構想の全貌が見えてきましたね。
茶々は幼少時から母の思いを知っていた。
そうした母を見殺しにした―茶々視点からはそう見える―家康を決してゆるすことは無い。
おそらく今後、家康にとって茶々は秀吉以上の大敵となってゆくことでしょう。
たしかに問題の場面では秀吉さえも茶々に位負けしているように見えます。
>大坂冬の陣で、家康は信長の問いかけた「覚悟」をしなければならないんですよね。(28話コウジさん)
この時点で、本作の基本構想はある程度コウジさんの「読み筋」の内にあったのかもしれませんね。
今回、家康は北条との取引の結果「沼田の件」で真田家に恨まれる可能性については「引き受ける」覚悟を示していました。
今になってみると、28話の「堺でのデート」でお市の表情が曇ったのはやはり家康に「振られた」ためだったことがはっきりしたと思います。
果たして家康の側ではお市を「振った」という明確な意識はあったのでしょうか。
家康は「子供の頃の古い約束」のことは気にしていて、それなりに悩んでいたようですが。
ここで、たとえば「堺デート」時点で家康がお市を「振らなかった」―つまりお市が家康に再嫁する―可能性がどこまで現実味があったのか、そして今回では家康が北之庄救援に赴く可能性にどこまで現実味があったかが気になります。
歴史に「If」は無意味だとよく言われますが、事実とは異なった決定の可能性―自由―が無ければ責任を問うことは無意味になります。
北之庄救援がまったく不可能ということであれば、茶々の恨みは理不尽な逆恨みということになります。
今回、無主状態となった旧武田領をめぐる北条氏とのやり取り―所謂「天正壬午の乱」―という「通説的史実」に訴えて家康は北之庄救援どころでは無かったとしています。
「本作は史実(通説)と違う」とする声に対して、私たちは厳密な史実と齟齬を来さないかぎり大胆な説を―積極的な形で―立てて構わないという立場で臨んできました。
しかし、通説が認める史実に触れないといういわば消極的な形での「通説からの逸脱」の方にむしろ問題性があるかもしれません。
浅井長政の信長からの離反の背景に朝倉氏との絆があったというのは通説的史実ですが、本作ではこれに触れないで―無視して―強引に長政を「義の男」に仕立て上げ、姉川で家康に「信長か、長政か」と悩ませていましたが、これは今振り返っても無理筋。
姉川で家康に悩ませたかったのであれば、むしろもっとお市絡みにした方がまだ自然だったと思います。
おふう(督姫)の輿入れということで久しぶりにお葉さんが登場しました。
家康の側室としてもっぱら前面に出ているのはお愛ですが、お愛にしてみてもお葉は自分を抜擢してくれた先輩。
ところで、お愛はド近眼の筈なのに、本多正信が飼っていた鷹が飛び去ってしまったのがどうして見えたのでしょうね。(笑)
いつもありがとうございます。
家康と淀の対決。
今後、どのように描かれるのでしょうね。
聡明な淀のことですから、家康の救援が現実的に不可能であったことはいずれ理解するでしょう。
ただ、愛や絆などというものは現実の前では無力だということを淀が思い知ったことは確かです。
愛を知らない淀君。
秀吉との関係も面白くなりそうですね。
あの秀吉を翻弄する淀君が見られそうです。
ただ13歳の白鳥玉季さんが大人の淀を演じるのはさすがに無理があるので、淀を演じる役者さんは大変ですよね←日刊ゲンダイの記事からの引用です。笑
北の庄城での母の死に様は、大坂城での自分の死に様とオーバーラップして来るんでしょうね。
この作品の通説との関係はよく議論されますよね。
おっしゃるとおり、浅井と朝倉との関係はバッサリカット。
本多正信は史実では長篠の合戦の時には帰参していたようですから、僕はもう正信は出て来ないんだと思っていました。
次回は石川数正の出奔が描かれるようですが、これも通説よりはかなり遅いです。
さて数正はなぜ出奔するのか?
お葉さん、今作の脚本・古沢良太さんやスタッフさんはかなり気に入っているようですね。
ぜひ再登場してほしいです。
お愛さんについては確かに。笑
今後も有名な側室が登場するようなので、どう描かれるのか?
女性たちはこの作品の陰の主役。
今後展開される「おなごのいくさ」が楽しみです。